家づくりの会 Information

3/10|家づくりカフェ:コミュニケーションツール

次のオープン日は2012年3月10日(土)です。

月1回土曜日の午後のひととき美味しいスウィーツでお茶をしながら、建築家と家づくりについて深く楽しく学んでみませんか?
いざ家を建てようと思い立っても、巷にはいろんな情報が溢れ何が良いのか迷ってしまいませんか。カフェでは、建築家やすでに家を建てた住まい手が、毎月テーマを設け、家づくりについて雑談形式で考えていきます。建築家と気軽に話せる場であり、おなじ目的を持った建て主さんどうしの情報交換の場でもあります。
“家づくりカフェ”はこれから家を建てようとする人のための少人数制連続プログラムです。
1回だけでも、どの月からでも参加OKです。是非ご参加ください。

3月の「家づくりカフェ」は、

《コミュニケーションツールあれこれ》

かっこいい家に住みたい。
1年を通じて快適な家に暮らしたい。
今の家より広くして欲しい。
家に求めるものは、人によってそれぞれだと思います。

でも、小さなお子さんがいるご家庭で共通しているのは、子どもを健やかに育てたいという親の気持ち。

そこから先は、考え方がそれぞれ違ってきます。「自立心を育てるために、小さいうちに子ども室を与える」という考え方、「子ども部屋を小さくして、子どもをリビングで勉強させよう」という考え方。他にも「リビングを通らないと子ども部屋へ行けない」等々。

親子の間に生まれる会話が、家の中の出来事として多くを占めることはいうまでもありません。

そこで、私たちの手掛けた住宅の中から、家族のコミュニケーションに大事な役割を果たすことになった空間や仕掛けをお伝えしたいと思います。

少人数制の家づくりカフェでは「ここはどうなっているの?」等々、どんどん質問してください。
横道、脱線おおいに結構、お客さまと店主が気楽に会話できるのが、このカフェの特徴です。

ご夫婦、ご家族での参加をお待ちしております。

■店 主:白崎 泰弘/シーズ・アーキスタディオ建築設計室
■日 時:2012年3月10日(土)14:00~16:00
■会 場:家づくりの会ギャラリー
東京都渋谷区千駄ヶ谷5-2-15 奥村マンション1階130号室
>>アクセスマップ
■参加費:500円/お一人様(お茶とお菓子)
■定 員:10名様(要予約・先着順)
■申込先:NPO法人家づくりの会
(こちらの申込フォームで)

4/21,22|「き」を使った「いっぴん」の家づくり講座

2012・春 家づくり連続講座
「き」を使った「いっぴん」の家づくり講座
ーーー木を使い、気を使った、逸品の一品家づくり
逸品をつくるためのデザインとアイデアーーー

同時開催(4/21・22日の両日10:00〜17:00こちらは入場無料)
NPO法人家づくりの会・木の研究会プロデュース
「建築家が手掛ける24坪の家」パネルと模型展
 ~贅沢な木の空間を1,500万円台で~
                                      

古来より日本では、住宅だけでなく、家具や身の回りの備品、あらゆるモノに木を使ってきました。
花見や若葉を愛で、紅葉を楽しみ、生活の一部にもしてきました。
生活に木を使うことは、日本人にとって、とても自然なことでした。
高度経済成長とともに、様々な理由で遠ざかってしまいましたが、近年では、木のことを見直す動きも出てきています。それは、木の持っている強度や耐火性などの構造的な性能。
そして、体や心の弱った人、子供の心への良い影響が認められるようになったからです。そんな木を使った家づくりを真剣に考えてみたいと思います。
また、日本人の心の一つに気遣いというものがあります。周囲への気遣い、人への気遣い。気を使うことは、環境への気遣いにもなります。

この講座では、設計者だけでなく、木を育て材木にする林業家たち、その材木を加工し家を造る工務店や大工、それぞれの立場から、山・木について、木の使い方について、話していただきます。
木造住宅だけでなく、外部への使い方、コンクリートや鉄骨住宅への使い方、山や木材の現状など、これから家を建てようという方だけでなく、建築や環境に興味のある学生の皆さんにも役立つ内容となっています。

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第1回: 2012 年4 月21 日(土)       13:00-17:00
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1部:「山に来て! 木にふれて! 木の魅力を感じての家づくりを楽しむ」
講師:松澤 静男(建築家)× 井上 淳治(林業家)
飯能で林業を行いながら、「NPO法人 西川・森の市場」「木楽里」から木の魅力を発信し続けている井上淳治さんと、木の魅力と木の家づくりについてお話しします。

「小さな木の家・大きな木の家/盛り込まれた工夫と空間」
講師:野口 泰司(建築家)
住み手の思いに、造り手としてどこまで応えられたか。大・小2つの「木の家」それぞれに盛り込まれた様々な工夫や、実現した形・空間の仕組みについてお話します。

2部:「木のある暮らし」
講師:松本 直子(建築家)× 株式会社オグラ(林業家)
人の手に馴染む木のある暮らし、無垢の木材を身近に感じリーズナブルに取り入れられればと思います。商社から高価な一品を買うのではなく山の材木屋から良材を得る方法などをご紹介します。

「木をデザインする。特に木の保護塗装による空間の違い」
講師:みつだ正二(建築家)
木造の木をデザインするとき、その保護塗装の色がインテリアの中で支配的になってきますが、その違いによりどのようなインテリアになるのかを2題の住宅の写真を通してお話します。

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第2回: 2011 年4 月22 日(日)       13:00-17:00
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1部:「樹が木材になるとき」
講師:古川 泰司(建築家)× 岡部 とも子(岡部木材店)
樹は生き物。その生き物が家づくりの材料(木材)になるためには数多くの人々の愛情が必要です。今回は我が子のように木を扱う岡部木材の岡部とも子さんに木材のお話をうかがいます。

「建主と山をつなげたい。“大黒柱プロジェクト”の行方」
講師:徳井 正樹(建築家)
「山に入り、自分で大黒柱を選ぶ」。タフな家づくりを望む建主が挑戦した「本物の我が家づくり」を、建主と設計者の奮闘ぶりと、そこで得た家族時間を交えてご紹介します。

2部:「優秀な大工さんと家を作ろう」
講師:泉  幸甫(建築家)×(大工:当日を楽しみに)
大工の腕前はピンキリ、でも素人にはわからないもの。せっかくなら腕のいい大工に作ってもらいたい。今までに出会った腕のいいBest3 の内の一人に話をお聞きします。

「“里の家” 敷地内にあったスギを伐採して建てた家」
講師:松原 正明(建築家)
南に林立していた実生の100年杉56本を伐採、葉枯らし、天然乾燥したものを構造材・造作材に使い、目に見える木材のほとんどをまかなった家の建築過程をお話します。

会 場:TOTO東京センターショールーム・イベントスペース
    東京都新宿区西新宿1-6-1 新宿エルタワー26F

参加費:2日間でも、どちらか1日でも 500 円(1家族1組)

申込先:NPO法人家づくりの会事務局(こちらの申込フォームで)

その家族にとっての「普通」の家

 私が建て主さんと初めて接するとき、ヒアリングリストを見せながら職業や家族のことをお聞きします。いろいろな建て主さんがいて、すべての項目を埋めようとしてくださる人、自分の名前だけで職業も家族のことを言わない人。本当に様々です。
 戸建住宅の設計は、マンションの設計とは大きく違ってきます。マンションはどんな入居者が入るか判りませんから、アンケート等からどんな間取りに人気があるかを分析し、組み立てていきます。それは、個々の入居者のことを考えない設計です。建売住宅もそうです。もう少し言及すれば、設計プラン集を見せて「これだけプランがあるから、選べるでしょう」とするハウスメーカーも、入居者の個性を考えずに設計しています。
 一方で、具体的な敷地と具体的な家族がいて、そこからスタートする設計は、全然違ったものになります。十人十色とはよく言ったもので、「普通の家族」とか「標準的な家族」というのは、まずありません。後片付けの仕方、洗濯物のルールなど、その家族が「当たり前」「普通」と思うことが、他人から見れば普通ではなかったりします。
 そのご家族が「当たり前」「普通」と思う生活、それがライフスタイルと呼ばれるものになるわけですから、それを充分に把握した上で、その家族だけの「普通」の家をつくりたいと思うのです。

小平の家①_shirasaki

小平の家②_shirasaki小平の家/この家のご家族は、地方で大らかに育ってきたご夫婦とお子さん。
1階のほとんどをLDKに使い、住宅密集地であっても陽光が家の奥にまで届く空間をつくりました。

団欒

有限な時間こそ胸一杯味わいたい

団欒_徳井 正樹15年愛用した床暖房に変え、二年前に我が家の居間に現れた薪ストーブ。
ホンワリと温める床暖房とは対照的に、帰郷した娘達をグイグイ束ねる求心力を持っています。

 高崎に居を移して17年余り、五人家族が三人に変わりました。現在はこの家で生まれた高1の三女と妻との三人暮らし。上二人の娘はこの春社会に羽搏き、もうすぐ夫婦二人暮らしに戻るのでしょう。
 「団欒」……今思えばこの居間で五人でワイワイ、ガヤガヤと過ごした時間がとても愛おしく感じます。
 これまで、様々な年齢のご家族と多彩な家を手掛ける幸せに恵まれました。初めて家づくりの会を通じて設計した海老名の家はちょうど築20年。あの時大学生院生だった息子さんも、今は実社会の中軸を担う父親でしょうか?
きっとあの家にも珠玉の家族時間が貯金されたことでしょう。仕事柄「その後」の暮らしぶりを拝見できる機会は、設計者の特権として最も楽しみにしている仕事の一つ。大概が点検も底々に「その後」を振り返る笑顔の報告会に切り替わるのですが、その時必ず私の知らない「その後」がそこにあることに気が付きます。 床の擦り傷、 ぎっしり詰まった本棚、手が入り始めた庭づくりなどなど、じんわりと染みこんだ家族時間の証しをそこに観る時、どこか同窓会の先生の気持ちで「良かったね」と無言で話しかけます。
 「家族が家族を意識することなく、過ごす時間は意外と短いか……?」
 52歳の年齢がそう感じさせるのでしょうが、やはり「その後も」共有する建主家族とのやり取りが、その「意外と短い」を実感させてくれます。あらためてこの原稿を書きながら、私たちの仕事を磨いてくれるのは建て主の言葉に在ると感じています。

「家づくり学校」

 家づくりの会では3年前から「家づくり学校」という若手住宅設計者を育成する活動を始めました。
 1年生コースでは座学、同2年生では見学、同じく3年生では演習を中心とした講義を行い、いわゆる大学や専門学校では教えてもらえぬような実学(机上の空論ではない、講師陣が血と汗を流しつつ実際の仕事から学んだ知識)を、若い人達へ伝える事が目的です。 (各学年月1回/全8回)
 私も初年度からその運営に参加しています。
 かつて住宅というものは住まい手自身が建てたり選んだりすることは出来ませんでした。一部の王侯貴族、豪農や豪商等、時の権力者や有力者を除いては。
 いまや誰もが自分の家を比較的簡単に持てるようになり、それはそれで素晴らしい事なのですが、反面、誰もが自己の欲求を誰はばかることなく表明出来るようになり、そこには他者との関係性や我が国の伝統文化に対する考察がいささか不足していた為、かつての美しい街並み(それは封建的な社会体制と表裏一体のものだったのですが)が失われてしまいました。
 個人的には、この学校を通じて一人でも多くの住宅設計者を育て、彼らが沢山の優れた住宅を作ることで社会環境の改善に寄与することが出来れば、と夢想しているのですが。

家づくり学校_1年生コース        6月の1年生講義「構法から考える」。
        1年生の授業は、F.L.ライト設計の自由学園明日館で行われています。

家づくり学校_2年生コース        5月の2年生講義「栃木の石」見学会。
        芦野石採石場にて話を聞く。

家づくり学校_3年生コース        6月の3年生講義「木造住宅の断熱設計」。
 講師の半田雅俊氏が設計したダイケン住宅のモデルハウスをお借りして講義が行われました。

木の研究会で本を書きました

木の研究会のメンバーで本を書きました。書店に並んだのは昨年の暮です。
タイトルは「世界で一番やさしい 木材」。
エクスナレッジ社さんからの本で、主に建築設計者のための「世界で一番やさしいシリーズ」の一冊です。

第一章が「木材の基礎知識」
第二章が「構造材」
第三章が「造作材」
第四章が「適材適所の使い方」

となっていて、第一章をアトリエフルカワの古川が、第二章を協和木材の松浦氏が、第三章を木童の西田氏と藤村氏が、第四章を堀井工務店の堀井氏に、それぞれ担当していただいてまとめました。

建築設計を実務でやっておられる方には、木材についての知識を幅広く得ていただける本になっているかと思います。

なお、あってはならないことですが大きな校正ミスがありましたので正誤表をつくりました。


その他の発行書籍は
»【出版】書籍案内
をご覧ください。

建築家の心象風景 ①

 先月、作品集が出ました。
本の名前は「建築家の心象風景 泉幸甫」
 出版社から作品集の話があったのはもう5〜6年前。
話を引き受けても何となく原稿が進まず、本格的に書き始めたのは1年半前でした。
 本のタイトルは出版社からの提案で、タイトルの中にある「心象風景」のように建築家としての自己形成、ルーツも入れながらの作品集にしたい、とのことだった。
 でも自分で自分のことを書くとなると、それはなかなか難しい。第一に、多少なりとも努力はしてきたが、そんなに格好のいい人生を送ってきたわけでもなく、恥さらしのようなことを書くのはなかなか勇気がいる。それにもっと難しいのは文章にする時に、恥さらしどころか逆に自分を美化しがちになることだ。
 しかし読む方の立場から考えると、かっこいい人生物語よりエリートでもなく、曲がりくねり、時には失敗した人生の方が、また自分もちょっと頑張ればこのくらいにはなれる、位の内容の方が面白い。せっかく本を出すのであれば楽しく読んでもらった方がいい、そう思うようになってから紆余曲折の人生の話はアッと言う間に書き終えてしまいました。
 勢いに乗って書き終えたけど、振り返ってみると建築家はカッコよく見せるきらいがあるが、これから建築家を目指す若い人、また一般の人にも建築家の世界はどういうものであるか、その内実をよく知ってもらえるように率直に書けたような気がする。
 文章を書くのはあっという間だったが、作品集を作るとなると写真を集め、撮影したカメラマンに写真使用の許可を得たり、また図面を探し、編集者やデザイナーとのやり取り等、そういう手間の方がずっと大変だった。
 本はこれまでに何冊か出したから出版の流れはおおよそ知っているが、作品集となると建築と同じく手間暇かけて作る、手作りのようなもの。関わる人のヤル気によって出来が大きく変わるモノ作りの一つだが、いい方々に恵まれた。
 いずれにしろ作品集を出せたのは大変うれしかった。でも売れているかどうかは気になるもので、池袋のジュンク堂に行ったら平積みしてあった。
 また先日、今までにお世話になった方々にまだインクの匂いのする出版されたばかりの本をお送りした。その中のお一人は年賀状も何も出さずに失礼していた中学一年生の時の担任の先生で、ご存命と分かり現住所を探す事ができ、お送りした。五十数年振りのことになるが僕のことを覚えておられたら、さぞびっくりされたことだろう。

建築家の心象風景①_泉 幸甫

建築家は住宅で何を考えているのか

「建築家は住宅で何を考えているのか」建築家は住宅で何を考えているのか
(東京大学建築デザイン研究室編:
 難波和彦・千葉学・山代悟著—PHP研究所)

お薦めの一冊です。
少しゆとりをもった視点で家づくりを進められてはいかがですか。
「家族像とプランニング」や「街/風景」、「素材/構法」、「小さな家」、「住みつづける家」など、いずれもこれからの住宅にとって重要と考えられる10のテーマに沿って、建築家の意思が込められた住宅が41例紹介されています。事例ごとに写真と図面と説明文があって、わかりやすい構成です。

建築家の設計した家は住みにくいと思い込まれている方も多いのではないでしょうか。
この本によって、建て主の要求と与条件を考慮しながら、独自のヴィジョンを設計の中に盛り込んで、社会に対して大切な何かを発信している建築家の仕事をより理解していただけたらと考えます。
建築家のヴィジョンに建て主が賛同してできた住宅は、単に建て主にとって住みやすいというだけでなく、他では得られない価値のあるものとなっています。

私自身は、中でも「リノベーションの可能性」や「エコロジカルな住宅」、「住みつづける家」などが最近のテーマと重なり、強い共感を持ちました。
これから家をつくろうとする方が、その仕事(ヴィジョン)に賛同できる建築家を見つけられて、納得のいく家づくりをされるよう願っています。