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風の家

風の家-室内_佐々木

蓄熱式床冷暖房を埋設したコンクリート土間の上に箱状の個室が点在する


はじめまして、2015年12月に入会致しました佐々木善樹と申します。
浅草、観音裏の住宅地の一角に佐々木善樹建築研究室を開設しています。
この事務所はThought-FACTORYという別名も持ち、台東区の「アトリエ店舗」に登録されています。
ここでは家づくりに役立つ約800冊の本が自由に読めるようになっており、毎週末には佐々木善樹と家づくりをした住み手の皆さんが交代でマスターをつとめるカフェも開かれます。
一度遊びに来てみてください。

 

「風の家」を紹介します。
建て主は目の前に多摩川を望み、土手に公道を通らずに出入りできる伸びやかな環境の土地を手に入れました。
木造2階建てのこの家は1階のコンクリート土間の上に小さな箱状の個室を置いて寝室や子供室や倉庫とし、2階にはキッチンをはじめとした家族皆の空間を配置してスノコデッキへと繋げました。
このデッキはアウトリビングとしてだけではなく多摩川からの涼風を室内に採り込む装置となるように考えました。
またキッチン上部の小窓のあるロフトは遠く富士山を望む座禅の場になっています。

 

たくさんの居場所がある家が良いと考えます。
単行本と珈琲を持って、今日はどこでお茶をしようかと居場所を探せるような家が理想です。
例えば家族皆での夕食はココで、今日は1人だからお膳を持ってココで食べよう、などなど。
寝る場所さえ季節や気分によって自由でありたいと思います。
生活の多様なシーンを家の間取りによって制限されない家が良いと思います。
広い場所と狭い場所、明るい場所と暗い場所、天井の高い場所と低い場所。
多様な空間を家の中に用意して、あとは時の流れの中で、住み手と共に自在に育ってゆくような家が良いと思っています。

アウトリビングデッキから多摩川方面を望む                      多摩川土手からみた外観

 

 

建築DATA

1階床面積 : 47.43㎡ (14.34坪)           〈家族構成〉
2階床面積 : 28.54㎡ ( 8.63坪)            夫婦+子供2人
延べ床面積 : 75.97㎡ (22.97坪) (その他ロフト:7.72㎡)     
構   造 : 2階建て

 

[家づくりニュース2016年2月号掲載]

佐々木 善樹 (» プロフィール)

家づくりは「育てる」という感覚を持つことが大切だと考えています。
家はそこで暮らす人と共にあるのですからどこかの段階で完成するものではなく、
常に変化と成長をしてゆく家、完成を目的としない家が理想だと考えてます。
間取り、デザイン、素材の選定、それらは「育てる」という感覚を
住み手と共有して決定してゆきたいと思っています。

作品名:BRIDGE
半地下に置かれたLDK。木部とコンクリート部のコントラストに注意を払いデザインしました。
必要十分な「器」としての機能づくり、住み手の夢が広がる家づくりを心がけました。


ブログ「日々のこと」はこちら

『家は買うものでなく つくるものでもなく 育てるもの』

 佐々木 善樹(著)/ エクスナレッジ社刊(税込み¥1,728)
2015年8月に、家づくりについての私の思いを書籍化しました。
家を「育てる」という視点に立って解説しています。これから家を建てようという人、リノベーションに挑戦しようという人に必読の書です。家はそこで暮らす人が時の流れの中で日々成長し老化し変化してゆくのと同様に、少しずつ育ててゆくのが良いと記しています。家はどこかの段階で完成させるものではないという考えに立って、「育てる家のつくりかた」についてその理念から、具体的な方法、お金の仕組み、暮らし始めてからのことまで細かく記しています。ご一読頂ければ幸いです。