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4月11〜16日|リノベーション窓口 @ 世田谷美術館

「直して住む。」住宅展

「直して住む。」住宅展
〜 建築家と考えるこれからの住まい 〜
2017年4月11日(火)→ 16日(日)

 

IRMとは…家全体を直す「フルリノベーション」から、部位や耐震などテーマごとに「あるあるいろんな事例」まで、
直して住む、これからの住まいのヒントを展示します。

 

IRMとは…期間内は、耐震診断士や住宅医など、豊富な知識と経験のある
NPO法人「家づくりの会」の建築家メンバーが説明します。

   [参加メンバー] 赤沼修伊澤淳子落合雄二小野育代菊池邦子倉島和弥杉浦充
            福田隆一田中ナオミ古川泰司松澤静男丹羽修吉原健一


4月23日(日曜日) 14:30〜16:00
     家づくりギャラリーにてセミナーを開催します

  

テーマ  「建て替え?リノベ? 判断の分岐点」

(担当:落合 雄二/U設計室)>>>詳細は4月23日|ミニ講座 @ 市ヶ谷をご確認ください。

 

  ■ 会 期 : 2017年4月11日(火)→ 16日(日) 10:00〜18:00
         (入館は閉館30分前まで。 初日は13:00〜、最終日は〜16:00まで)
          入場無料世田谷美術館_アクセスマップ

  ■ 場 所 : 世田谷美術館・区民ギャラリーB
         (世田谷区砧公園1-2) 

  ■ 交 通 : ●東急田園都市線「用賀」駅
           美術館行バス「美術館」下車 徒歩3分/
          「用賀」駅より徒歩17分
          ●小田急線「成城学園前」駅
           渋谷駅行バス「砧町」下車 徒歩10分

(学)わらべのこころ・小平あおば幼稚園「森しんしゃ舎」

写真:多田 ユウコ

南正面外観_倉島

朝のお遊びの時間。約20m角の建物です。 左右対称で少し堅いイメージですが、実際は背も低く抑え、かわいいボリュームで、周囲にも気を使っています。 2階の腰壁まで杉板を張り、昔の小学校のようでもあります。


1990年から1994年にかけてデザインさせていただいた埼玉県入間市の「あんず幼稚園」をみてご依頼いただきました。
20数年前のものを見て気に入っていただくって、嬉しいお話です。
遮ることの無い連続した空間、外から中を通り抜け再び外に出る内外の繋がった空間。
数年にわたる増築から生み出された迷宮空間。ここで繰り広げられる子供たちの生活ぶりが、幼児教育の共感へと繋がったようです。上手に使いこなしていただいた結果ではあるのですが、、、。

 

内部中央遊戯室_倉島

北保育室から中央遊戯室〜エントランスを見る。2階ハイサイドライトから陽射しが木漏れ日のように床を照らします。床は30mmの杉フローリング。低温乾燥材なので優しい風合いが残っています。この材料にすることで床暖房は採用しませんでした。でもとっても暖かい。子供たちはみんな裸足になってしまいます。

1951年、前理事長によって小さな幼稚園の種が蒔かれました。
小さな小屋から始まった幼稚園。
途中、小学校の廃材を再利用して作られた園舎に変わり、60年以上がんばってきました。東日本大震災にも耐えましたが、耐震改修をしなければならず、建て替えに至ったのです。
東京都の助成金事業になっています。

 

新園舎は武蔵野の森を再現するように、大きな材木で、包まれるようにデザインされています。
森のような空間
こども達は森の動物たち、虫たち、鳥たちのように自由に元気良く飛び回ります。木のぬくもりと明るい陽射しの中で新しい歴史が作られていきます。近所には卒園生もたくさん住んでいます。孫のいる卒園生もいます。
時々立ち寄ってくれます。そんな卒業生の記憶も消さぬよう、既存園舎の床に使われていた材料は、新園舎の腰壁に再利用しました。
国産杉の大きな梁と柱は全国探し回ってやっと手に入れました。

 

小さな土地になんとか基準を満たす園舎。
あんず幼稚園が外に広がる空間に対して、こちらは中に広がる空間になっています。中央の広場のような遊戯室は、木漏れ日の落ちる森の中の原っぱです。

 

森のようにゆっくりと時を刻んでいく新しい園舎です。

 

建築DATA

1階床面積 : 362.22㎡(109.57坪)     構  造:木造2階建て
2階床面積 : 164.10㎡( 49.64坪)     用  途:幼稚園
延べ床面積 : 526.32㎡(159.21坪)

[家づくりニュース2016年6月号掲載]

翼に包まれて、、、

施設正面:開館時間休館日など黒石市市役所にご確認下さい


小さなロフトから、、、

毎年夏と冬、姫の両親と義姉夫婦と姪っ子を訪ねて弘前に行く。
青森は、自由の女神やキリストの墓などふしぎな名所から、
白神や十和田湖など観光には事欠かない。温泉も良い。
     奥が深い。

 

弘前市内には前川國男建築が八つあって
建築を学ぶものには嬉しい場所もである。
義姉がお気に入りで一度連れてきたいというので、
今回は菊竹清訓設計・1975年の「黒石ほるぷ子ども館」に行ってみた。

 

翼でこどもを包む親鳥のような切り妻屋根のシンプルな建物。
床はカーペットで自由に本が読める
入り口ポーチは井戸端おしゃべりができるベンチ
その上は小さなロフト
集成材の登り梁と棟木を支える丸柱が作る
こどもと親が気持ちよく過ごせる空間になっている
不勉強で大きな建物しか知らなかった。
こんなにかわいい素敵な建築に
     ほっこり

 

帰りは酸ヶ湯温泉ヒバ千人風呂(混浴だよ)に浸かって
     ほっこり

 

[家づくりニュース2015年10月号掲載]

灯台下暗し

既存茶の間_倉島

南に増築された部屋が納戸のようになってしまい、一番大切な茶の間が暗く寒い部屋になっていました。

灯台下暗し。

 

幸せの青い鳥は、意外とそこにいるものだが当事者はなかなか気がつかないものだ。
古民家と呼ばれる古い住宅も、暗く、汚くなり、ものがあふれ、寒くて使いにくい。
いやなところばかり気がついてしまう。

 

でも、よそから来た者が見ると宝の山だったりする。
大抵は新しく建て替えた後に気がつく。

解体前引っ越し後_倉島

外壁や増築部を解体をするためにお引っ越しをしてものがなくなったら、、、。あら、改装しなくてもいいくらいに明るく広い住まいだったことに気がつきました。


建て替える方が簡単だし、コストも、構造も、快適さも現代的でリスクが少ない。
みんなそう考える。
新しく同じものを建てるには、何倍もコストがかかるだろうし、リフォームするにはリスクが大きい。

 

 

糸魚川のこの現場は200年越え。
何度も直し、増築し住み継がれた家族の歴史が、解体してみると痕跡から見えてくる。
柱と屋根だけにして、増築部は解体し元の母家に戻す。
どうしても必要なものだけ少し増築。
リスクを容認し、できる限りの快適さを求める。

 

ご先祖様も喜んでくれるはず。

 

完成予想図_倉島

ただいま工事中につき完成予想CG。お茶の間です。


[家づくりニュース2014年9月号掲載]

KAPPAはうす

岩手県遠野は、日本の原風景を残しているだけでなく、カッパや座敷わらし、キツネや馬との恋など、言い伝えや物語に溢れた不思議なところです。
「KAPPAはうす」は、そんな遠野の、長閑な田園風景の中に建ちました。
ご主人は、大阪のご出身。奥様は与論島。
お二人が四人のお子さんをもうけ、この地に骨を埋める覚悟を決めるまでにも、遠野の伝説に負けない物語があったに違いありませんが、今回は、秘密のままにしておきます。

KAPPAはうす_外観

遠野の長閑な風景の中にぽつんと溶け込んでいます。
右斜め手前の方向に、車で10分も走らないところに河童淵があります。


東西にまっすぐ伸びる農道に合わせて、低い軒を長く見せるようにしました。
高さを抑え、普通に、目立たず、完成した時に、ずっと前からここに建っていたような…。
小さな盆地に外から入ってきたご家族が、自然に、人にも風景にも馴染んでしまう。
そんなことを、イメージしました。
列柱縁側に面した開口部、風をぬきながら北に広がる風景を眺める小さな開口部。
いつでも遠野を感じられる工夫です。

KAPPAはうす_室内

リビング、和室の見通しです。左側には縁側デッキと広い庭が広がり右からは小窓から北の風景がのぞけます。
床は岩手の栗。床柱はエンジュ(岩手県に多く自生しています)。杉も地元です。見えない構造には、岩手県推奨の唐松集成材を使っています。
五月五日の新築祝いには、床の間に立派な甲冑が飾られました。

材料にも拘ってみました。
[岩手県のもの]
 栗のフローリング、杉、
 県推奨の唐松集成材、
 エンジュ床柱
[大阪のもの]
 池田炭  
[赴任していた山形のもの]
 紅花漉き込みのふすま紙
[与論島(沖縄)のもの]
(注・与論島は鹿児島県です)
 ウコン和紙、月桃紙
故郷を思いながら遠野の生活に溶け込みます。

KAPPAはうす

北面の小窓は、北に広がる(上部写真参照)遠野の風景を眺めるためと通風のためのものです。
北風が強いので、小さく風景を切り取るようにしました。リビングや階段の上り下り、浴室、書斎から眺めることが出来ます。

厳しい遠野の冬を快適に乗り越える事が、第一のご要望でした。
断熱性能は北海道を目指しました。気密性能もC=0.88と、基準の半分以下。自然素材の暖かみと合わせて、快適な冬が過ごせます。
夏は田んぼをかける青い風が気持ちよく抜けていきます。

五月五日の新築祝いの一週間後には、家族で畑を耕し、家庭菜園の準備にかかっていたそうです。
新しい生活が始まります。

[追記]
新築にあたり、ご主人はファイナンシャルプランナー、奥様はインテリアコーディネーターの資格をそれぞれ取得。夫婦力を合わせての家づくりでした。

建築DATA

1階床面積 : 36.36坪               〈家族構成〉
2階床面積 : 25.20坪               夫婦 + 子ども4人
延べ床面積 : 61.56坪     
構   造 : 木造軸組工法 地上2階建て

[家づくりニュース2013年7月号_今月の家_掲載]

イーハトーブの夏

イーハトーブの夏敷地の北を臨む写真です。緑と青が広がります。
お風呂やリビング、書斎、階段から、いつもこの風景が見られるように窓を開けました。

うちの姫様は小田和正と宮沢賢治が大好き。
そんなわけで、先日「グスコーブドリの伝記」という映画を一緒に見てきました。
宮沢賢治が作ったお話です。
彼の妹への思いや、農業・農民への思い、東北という地域への思い、自己犠牲や生と死、いろいろ考えさせられるお話です。
先の0311、その後の福島原発事故への思いも込めて作られた映画です。
一番最後に、小田和正がオフコース時代に歌った「生まれくる子供達のために」という歌が流れます。涙が出ます。
重いテーマですが、ますむらひろしの擬人化されたネコと美しい風景が、気持ちを優しくしてくれます。

今、遠野で、住宅を設計させていただいています。
水沢江刺から遠野へ車で走る風景は、まさに映画に出てくる風景そのものです。
敷地は、遠野の綺麗な水と広がる田園、青と緑しかない中にあります。
遠くのあぜ道を、カッパと宮沢賢治が歩いているのが、見えるかもしれません。

倉島 和弥 (» プロフィール)

「ご相談をお受けします」

得意とする木造軸組のみならず、その空間にいるとホッとするような「なごみの空間」を目指しています。
強さ、便利さ、快適さをふまえた上で、毎日の生活が楽しくなるような住まいを練り上げていきます。

住まいに対する漠然としたイメージしかお持ちでなくても大丈夫です。
設計調書を作成することから始めますので、
徐々に何が可能で、何が必要なのかということがはっきりしていきます。
もちろん、生活の仕方についてご家族で話し合っておいていただけますと、
設計はよりスムーズに進みます。

家を建てる上でのご希望や不安が有りましたら、まずはご相談下さい。
豊富な経験と専門知識をいかして、家づくりをサポートさせていただきたいと思います。

《蘇りの家》
築40年耐震改修リモデル。リビングからは見えなかったダイニングキッチン。列柱を通し、天井も屋根なりにすることで、一体感のあるLDKになりました。隠れていた松梁も、これからは家族と一緒です。

建築のこと・デザインのこと・教育のこと・学生のこと・旅行のこと・日々の暮らし、rabiこと倉島和弥のいろいろ・・・「RABIRABI(!!)DIARY」
  

大きな木の下で本を読む家

 はじめてお会いしたのは20年以上前。それから土地の問題、ご両親との問題、仕事の問題、いろいろ解決しながら4年前にあらためてご相談をいただきました。新婚さんだったご夫婦も4人家族となっていました。
 土地には、大きな木が植わっており、それを残すこと。家相を解決したプランであること。自然な素材と風の通りを確保すること。持っているたくさんの本を収納できること。絵画、工芸をするスペース。要望は多くはないものの、しっかりとした考えに基づいたものでした。
 玄関、ご主人の書斎、トイレの位置は家相に基づいて決められました。階段を南に持ってくることで、大欅を生活の中で常に感じられるようにしました。壁は本棚でおおい、材料は杉と漆喰。2階廊下の床をスノコ棒にすること、押入に小窓を造ること、ガラリ戸で仕切ること、ハイサイド窓を設けることで風の通りを確保しました。
 上棟を終え構造チェックのさなか、3・11。でも、金物がゆるむこともなく無事に耐えてくれました。
 お引っ越しは長男の受験が済んだ来年の春。今は週末住宅として楽しんでいます。

大きな木の下で本を読む家
元からあった大きな欅や楠をそのまま残しました。
夏の陽射し、西日をコントロールします。木陰をぬける涼しい風を家の中にも取り込み、自然な快適さを楽しみます。冬は葉が落ちひだまりとなります。
本が好きな家族、絵を描いたり、工芸をしたり、趣味も楽しめる住まいです。

大きな木の下で本を読む家
右奥が玄関、右が階段、中央がキッチン、左奥が水まわり。
キッチンと、その裏の納戸は、この左右の動線を繋ぐよう通り抜けができます。

大きな木の下で本を読む家
西側は小さな窓で西日と視線をコントロールしています。壁という壁は書棚になっていて、いつでも何処でも本が読めます。この見返しはご主人の書斎になっており、やはり本棚の壁です。
家の中にいても、木陰やひだまりで本を読んでいるようです。

大きな木の下で本を読む家
2階の廊下は、床がスノコ棒になっていて1階と2階の風の通りを助けています。
左右が個室、アトリエ、納戸。ガラリ戸を使ったり、押入の壁に小窓を造るなど、部屋の中も風の抜けを考えています。
階段を昇り降りするたびに、大欅を楽しみます。
シースルー階段を通して陽射しも入り、本を読む階段になっています。