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小川 任信 (» プロフィール)

  

《円通寺大改修》
これは我が家の菩提寺・円通寺です。120年ほどの古さをそのまま生かしての増改築。屋根は銅版葺きですが雨水が屋根面で滞留しないよう(酸性雨対策)にシンプルなデザインに変更、意外にすっきりして檀家の方々には好評。
説教師をむかえるために和室二間、WC、湯沸し室の13坪余りの増築と相成りました。

高坂の家 ── くつろぎの家

 この家は土地に限りがあるとはいえ、どちらかというと比較的自由に思うとおりの設計が出来たと言えるでしょう。設計を始めるにあたり、施主とのコミュニケーションが大切なので聞き取り調査を基本としながらも家族全員の考え方や趣味、好きな色、来客の多寡を聞きだすことに、基本案をたたき台に進めて行きました。あと使って欲しい業者の話やセキュリティ、庭の植栽のことなどあらゆることを脳にたたきこんだ記憶があります。職業はお医者さんなので非常に繊細で、いろいろなことを聞かれた気がします。   
 まずは、設計の基本段階は土地のポジショニング、道との関わり、車と人の動きかた、周囲からの視線、みえかた、太陽と風、北風などなどデザインサーヴェイから検討。さらに地盤調査で地質の良否を確認し、施主に安心感を持ってもらいました。理論型のタイプのひとにはそれ相応の対応が必要で「そんな感じ」風の受け答えはこれから進むべき道程を険しいものにしてしまうことがあります。この住宅には「くつろぎ」というテーマがあり、特に「音」の問題が建物の構造を決定づけました。1階は鉄筋コンクリート造で2階は木造で構成されています。広い敷地のように思われても車庫や要求スペースを積み上げていくと2階建てにならざるを得ませんでした。そこで2階の足音の問題が生じてきます。木造ではなかなか解決困難な課題でナーヴァスな建主はすごく気にするのが常です。
 先月岩手県の気仙沼に行ってきました。写真でみるとそんなにひどく見えないような場所が実際近くに行ってみるとそれはもうひどいものでした。私たちは調査の立場での立ち入りでしたが木造の場合は基礎部分しかなくてあとはなんにもない状態でした。津波のおそろしさは筆舌に尽くし難しです。今回の経験は「もっと大局的にものを考えなさい」という一言に尽きたような気がします。話が逸れましたが「家づくり」もそんな気がしてなりません。

高坂の家──くつろぎの家
ステンドグラス。テーマは「遥か」

高坂の家──くつろぎの家
2階へ続く「家族顔合わせのステージ」としての踊り場。
手作りの鍛鉄工芸品は人気の的。

高坂の家──くつろぎの家
くつろぎ空間のひとつとして和室を設けた。一番の人気の部屋。

高坂の家──くつろぎの家
窓を少なく落ち着いた構成にした居間。