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3・11の東日本大震災とがけと建築物との関係

 数年前に設計をした住宅があります。建設地は栃木県の烏山市で、この敷地の北側に自己所有の山林がありました。当初の計画では山林は現況のままで工事を行う予定でした。
 計画を進めて行くにつれ、湧き水を処理する必要性、敷地の使用で敷地境界まで整地をしたいとの希望が出ました。また、法的な調査をすると栃木県の条例で「がけ地条例」に係わることが分かりました。
 この条例とは、傾斜が30度を超え、高さが2mを超えるがけの一定距離以内に建築物を建築する場合、がけの崩壊に対する安全措置として、原則としてがけ面に擁壁を設けることを規定したものです。
 そこで計画敷地では、2mのコンクリート擁壁を設置し、その下に排水路を設け、かつ建物までの距離を4m以上あけました。これにより、北側の有効利用と湧き水の処理、そして建物の安全を確保することが出来ました。
 今回、地震の被災状況の中にこの地域でがけくずれによる災害があったと報道されています。幸いにも設計をした住まいでは被災を受けなくてすみました。
 もしも、このような敷地に住まいを計画する時には「がけ地条例」というものがあることを覚えておいて下さい。
 最後に、被災を受けた皆様に心からお見舞い申し上げます。

3・11の東日本大震災とがけと建築物との関係敷地裏の山林

3・11の東日本大震災とがけと建築物との関係コンクリートの擁壁施工風景

3・11の東日本大震災とがけと建築物との関係擁壁の前に建つ住まい