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10月24日|家づくりカフェ @ 市ヶ谷ギャラリー

家づくりカフェテーマ

「間取り」は家づくりの基本

 

家づくりをする際に、検討をしなければならないことが沢山あります。
設計のプロ、施工のプロ、様々な人と打ち合わせを繰り返しながら、
新しい家の輪郭が見え、少しずつ詳細なことを決めていくことになります。

 

特に、「間取り」に関しては、建て主家族の思いが強く反映しますが、
その思いだけで「間取り」を組み立てても、
住み心地の良い、そして暮らしやすい家になるとは限りません。

 

「間取り」は家の基本であり、家づくりの際の根幹をなします。
その部分をきちっと押さえながら、家づくりを行なえば、
居心地の良い家が実現できると思います。

 

 今回のカフェでは、「間取り」について、
普遍的な事柄から、ちょっとしたアイディアまで、
いろいろなことをお話しできればと思います。

 

        [話題のエッセンス] ■ 部屋どうし関係性が鍵
                   ■ 生活を左右する生活動線
                   ■ 広さとは帖数と別物 など
                   ■ 家づくり何でも相談

 

 家づくりカフェ@家づくりギャラリー OPEN!
  土曜日の午後のひととき美味しいスィーツでお茶をしながら、
  建築家と家づくりについて深く楽しく学んでみませんか?
  いざ家を建てようと思い立っても、巷にはいろんな情報が溢れ何が良いのか迷ってしまいませんか。
  カフェでは、建築家が毎回テーマを設け、家づくりについて建て主さんと雑談形式で考えていきます。
  建築家と気軽に話せる場であり、おなじ目的を持った建て主さんどうしの情報交換の場でもあります。
  “家づくりカフェ”はこれから家を建てようとする人のための少人数制連続プログラムです。
  1回だけでも、いつからでも参加OKです。是非ご参加ください。

■講 師 : 本間 至 /ブライシュティフト
■日 時 : 2015年10月24日(土) 14:00~16:00
■会 場 : 家づくりギャラリー
      東京都千代田区三番町20-2 三番町パークライフ104号
      >>null   
■参加費 : 500円/お一人様(お茶とお菓子付き)
■定 員 : 10名様(要予約・先着順)
■申込先 : NPO法人家づくりの会

無垢のテーブルを作る

テーブル①_本間

棒脚のテーブル。天板はナラ材のブックマッチ。


テーブル②_本間

板脚のテーブル。誕生日席には座らない想定で脚の位置を決定する。

私のアトリエの打ち合わせ室に置いてあるテーブルから始まり、今までに40卓程の無垢のテーブルを作ってきた。
実際に制作するのは、山梨県勝沼にアトリエを構える家具職人の古市氏。
私が図面を描き、その図面をたたき台とし、細かい納まりについて意見交換しながら最終的な形を決めていくことになる。
無垢の木はある意味で生きており、反ったり、縮んだり、経年変化で木の色合いも変化する。
テーブル⑤_本間

直径1m50cmの丸テーブル。
脚は中央に1本だけ。

工業製品として作られている家具とは違い、それらの変化を許容しつつ楽しむことができれば、その家具は暮らしの中で一つのシーンを刻み、家族の歴史と共に生きることになる。

テーブル③、④_本間

箱脚のテーブル。
座卓としても使うことができる。

テーブルに使う材料はナラ材が多いが、その他に、栗、タモ、ウォールナットなどで作ることもある。
天板の大きさにもよるが、食堂のテ—ブルは、80cm以上の奥行きが必要になるので、一枚板で作るとなると、コストに大きく関わって来るので、通常は何枚かをはぎ合わせて作ることになる。
また、テーブルを作るのに際して、材料の選択以外に大切なことは、テーブルの高さと脚の形状がある。
一つ一つがオーダー品なので、高さ寸法も自由に設定できるため、使う家族の好みによってその高さは微妙に変わって来る。
そこで使う椅子の形状によっても違ってくるが、67cmから70cmの間で提案することが多い。
脚の形状は、テーブルを囲んでどの位置に座るかで大きく違って来るが、棒脚、板脚、箱脚、そして丸テーブルの場合は中央に1本脚と、様々な選択肢を提案の引き出しとして持つことにしている。

どちらにしても、その家族だけのテーブルが置かれた空間は、その家の重心となり、家族皆が集う場所になる。

[家づくりニュース2013年11月号_掲載]

「間取り」は家づくりの基本

家を建てようかな、と考えはじめると、建物の基本性能、仕上げの種類、そして設備機器についてなど、多岐に渡る様々なことが頭の中をよぎることになる。

インターネットで気になることを調べ、思考は蜂の巣を突っ突いたように、タコ足配線状態になってしまう。
それもそのはず、ほとんどの方にとって家づくりは初めて。
体系的に家づくりを把握できるはずもなく、自分が「気になる」部分に、思考はピンポイントで突き進んでいってしまうことになる。
当然、その「気になる」ことに「間取り」のこともある。
実はこの「間取り」、家づくりのハードなこととは違い、1+1=2とはいかない。
これと言った正解が見えてこないぶん、さらに混乱を引き起こすことになる。
自分が住む家、自分がよしとすれば、誰からも文句を言われる筋合は無い。
特に「間取り」は客観性が入る余地が無いだけに、何でもありの世界とも言える。
果たしてそうだろうか。

「間取り」を『広辞苑』で引くと、「部屋の配置のしかた」となっている。
部屋の配置、つまり平面上で部屋の取り合いをしていることになる。
そこには、横方向の広さに対する感覚はあっても、縦方向の寸法感覚はまったく欠落している。
しかし、家は縦方向の寸法も持つ三次元の世界。
「間取り」を考えると言うことは、取りも直さず、空間の在り方を考えていることになる。
実は、空間の在り方で、居心地の良さのある部分が作られることも確かであり、この部分にいたっては、付け焼き刃のお勉強では素人に手が出せることではなく、やはり、経験を積んだプロに任せるしかない。

自分の思いを居心地の良い空間として実現させるには、何でもありの世界に突き進むのではなく、居心地良い空間を構成するための基本を押さながら、「間取り」を考えていくことが、家づくりにおいて何よりも大切なことだと思っている。

[家づくりニュース2013年9月号掲載]

ヒューマンスケールで居心地のよさをつくる

 家づくりの仕事をしていると、ヒューマンスケールという言葉を使うことがよくある。実体がない言葉だけにその本質は捉えにくい。ヒューマンスケールとは、どのようなことを指すのだろうか。
 身体寸法で考えた寸法を、単純にヒューマンスケールといっても、大人から子供までその身体寸法には違いがあるし、誰にでも適したスケールで空間をつくることは実際には難しい。ヒューマンスケールのスケールとは、個人個人に合わせた寸法ではなく、人が暮すうえで、落ち着きをもつことができるスケールのことのようだ。そしてこの落ち着きをつくり出すためには、プロポーションという概念が必要になってくる。
 ところが、これもまた感覚的な捉え方しかできない言葉であり、住宅に限っていえば、空間のプロポーションがよければ居心地がよいとも言えない。プロポーションのよさとは寸法的な釣り合いのよさを示すだけで、そこに暮らしのなかの所作に対する寸法的な検討がなされていないと、しっくりと納まったプロポーションにはならない。
 そんなことを思い、暮らしのなかの所作がスムーズに流れる寸法を各所に与えていくことが、この東久留米の家の家づくりだった。
 床面積は28坪の2階建て。家族3人(将来4人を想定)が暮らす家の広さとしては、とてもしっくりとした心地よさがあり、1階は階段を中心に回遊動線がつくられている。どの場所にいても進む方向に2つの選択肢があるので、実際より広く感じて暮すことができる。また、高さ寸法に関しても、食堂の天井高さは2m15cm、居間は2m30cm、そして居間の掃き出し窓の高さは1m92cm、どの寸法も、決して高いわけではないが、空間のプロポーションとしては、居心地のよさをつくり出したと思っている。
 4人家族であれば、20坪台の住宅で、十分に心地よい家が実現できると考えている。

ヒューマンスケールで居心地のよさをつくる_01キッチンから食堂と居間、そしてその先のテラスを見ている。
食堂のテーブルは、この家のサイズに合わせ特注で設計している。

ヒューマンスケールで居心地のよさをつくる_02居間からウッドテラスを見ている。
窓は木製のサッシで壁に仕舞えるので、居間とテラスは一体になる。
ソファーの後ろは引戸を開けると、大きな収納になっている。

1 階 : 14.00 坪      〈家族構成〉
2 階 : 14.00 坪       大人 2人
延べ : 28.00 坪       子供 1人

本間 至 (» プロフィール)

さりげなく、美しく …
そして優しく …

《北鎌倉の家》
鎌倉の自然に囲まれ、どの部屋からも外の緑を眺めることができる、高台に建つ家です。吹き抜けのある居間の傍らに、コージーなコーナーとしてつくられた食堂は、居心地満点です。

ブライシュティフトの「diary」はこちらから

小さく暮らす、快適な家

 敷地面積22坪。整形地であればけして狭い敷地とは言えませんが、建て主さんの購入された土地は、三方道路に囲まれた矢尻のような不整形な土地でした。さらに、井の頭という静かで緑が多い地域だったために容積率が80%しかなく、容積いっぱいに建てても17坪しか建たないことになります。このように、敷地だけの状況を見ればネガティブな気持ちになってしまいますが、建て主さんは、敷地の持っているデメリットな要因を前向きに捉え、この敷地の持っている特徴を生かしながら家族4人が快適に住める家を希望されました。
 小さな敷地であるがゆえに、できる家もこじんまりとしてくるので、家族の距離感が程よく保てるアットホームな雰囲気を感じる家であってほしいといったニュアンスが伝わってきました。また、お子さんがピアノを弾かれるので、ピアノを気兼ねなく弾ける場を作りたいとの要望もありました。
 容積率いっぱいに建てても17坪。さすがに家族4人が暮らすのには狭く、そこで容積緩和が受けられる地下室を作ることになりました。そうすることで延べ床面積26坪まで可能となったわけです。このように、地下をつくることで各スペースの構成が縦に伸びることになるので、階段室の吹抜け空間を利用して家族の距離感を縮めることができるようにプランニングをしています。階段はその機能だけをみれば上下階を移動する装置ですが、単なる機能性だけではなく、日々の暮らしを豊かにする場所として考えてもよいのではないだろうか、と考えています。階段は家のなかで視線が上下動する唯一の場所であり、それによってまわりの見え方も違ってきます。また、吹き抜け空間として上下階の関係をつくり出す場所にもなります。このように階段室の特性をいかし、地下の子供部屋、1階の寝室、2階の家事コーナーが階段室と開口部でつながるようにしており、さらにそこに建て込んだ建具により、暮らしの状況のなかで開け閉めができるようにしています。
 階段室の下を利用した地下のピアノコーナー、居間の一角に建具で仕切ることができる家事スペース、それにLDKと3つの個室(寝室)が、階段室の吹き抜けを囲みながら家族の気配を伝えあうように配置されており、小さな家でも家族4人が快適に生活できる家になったと思っています。

小さく暮らす、快適な家
玄関から階段室を見ており、この階段室の吹き抜けは、地下から2階に渡って各居室とつながっている。

小さく暮らす、快適な家階段室吹き抜けに面した引き違い戸はあえて上下に分けており、そのときの状況で開放する量を調整できる。