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7月30日|「南林間の家」リフォーム内覧会

貴方ならどうリフォームします?

今回、ビフォアアフター風に、楽しい内覧会を企画してみました。
ここではリノベーション前の乱雑な写真と図面しか提示しません。それをもとにご自分ならどうリフォームするか試みていただき、現地の内覧会でその違いを確認してみていただく、という趣向です。
同じ住宅であっても、設計者によって出来上がりが全く違ってしまうことを実感されること受け合います。アフターの写真は希望者があれば内覧会後に掲載いたします。

 

リフォームは住まいの溢れかえる“もの”を何とかしたい、と考え始めることが多いものです。
今回の計画も大量の本と暗くすみにくい家を何とかしたいというところに、防衛省の防音工事助成金等を上手に活用すると1000万円近く出そうだということで、40年前に建てた住宅内部を、もう1000万円足して生まれ変わったように新しくしたい、ということで始まった計画です。
生まれ変わったようにするには、何に着目してどう計画したかを推量していただけるよう、敢えて片づけを放棄した段階での古い写真を、建て主さん了解のもと、使用させていただきました。
まずは居間に溢れ変える本と本箱、でもこれはほんの一部でした。

尋常な手段だけでは収まりません、何か特殊な手を打たないと行けません。

右の写真はテレビのある居間ですが、北側の窓からは多少の光は入るものの、冷気も入ってきます。

 

南には窓がなく日中全く日が差さず、暗くて閉鎖的です。
これも根本的なところからかえないといけません。当然耐震改修も考えなければならないようです。

 

同じような状況のキッチンです。7.5畳と広さは十分ですが、食卓を置くには狭く、このままでは使いにくく、閉じ込められた空間で何とかしたいところです。

 

同じ洗面所と洗濯機置き場です。窓側に洗面台を置くと鏡で窓が塞がれ、鬱陶しい洗面所になるということで、脇の壁際に置いていますが、やはり使いにくく物で溢れかえっています。
何とかしたいです。

 

同じくリフォーム前の浴室で、40年前にはよくあった内焚き釜ころのままのです。たぶん土台もだいぶ腐っていると思われます。まさに一新したい浴室です。
できれば朝風呂もできるよう明るく、窓から樹木でも眺められたら最高です。

 

ベランダを後付で足した以外殆ど変えていない外観写真です。後付けのためベランダを瓦の上に置いたため、二階の部屋からは50センチ程段を上らないと出れません。そのため殆ど使っていません。樋も外れて雨が溢れ出ます。屋根の形もすっきりせず、何度か外壁の塗り替えだけはしたものの、一階窓上の染みなど、気になるところが多々あります。

 

他に玄関も狭く使いにくく、二階トイレには手洗いも欲しく、寝室もすっきりさせたいです。一階トイレの和風便所も何とかしたいところです。とにかく冬は床下から底冷えする程寒く、ファンヒーターを焚きっぱなしで、空気も汚れ、光熱費も馬鹿になりません。予算は無尽蔵にあるわけでなし、何から何まで直していたらきりがありません。子供達の部屋はもう大人だし、二人の娘は外に出て暮らしているので、帰って来た時に泊まれるようになっていれば良いと考えているとのことでした。

 

このような住宅はどのように変えられるものか見てみませんか。正直新築よりリフォームの方が難しいと言われていますが、全くその通りです。設計者によっても内容や雰囲気に大きく違いが出ます。ためしに皆さんも自分ならどうリフォームするかを考えてみませんか?7月30日に予定しているリフォーム後の内覧会前に、皆さんも下のリフォーム前の平面図でリフォーム計画をして見て下さい。その方が内覧会を楽しめること受け合いです。下の平面図を自分なりにリフォーム計画し、その平面図(スケッチ)を私どもに送っていただければ、当日講評アドバイスいたします。あるいはご自宅の平面図のリフォーム計画も周辺や内部写真と一緒に送っていただければ、私どもなりにそれにもアドバイスもいたします。

 

こちらより計画用の平面図を印刷し、計画してみて下さい。

 

内覧会では、防音工事助成金は活用次第で、活用できる金額が大きく違ってくることや、防音工事関係者達は独特の村社会を形成していて、慣れない設計者や工事屋さんは極めて入りにくく、戸惑いや失敗をさせられることが多いこと、大量の本の収納の方法、既存住宅の断熱化の難しさ、リフォームでの抜本的暖房工事など、リフォームだけではない盛りだくさんの話も予定しています。

 

■ 開 催 日 : 2016年7月30日(土)
■ 場   所 : 小田急線「南林間駅」徒歩5分
■ 設計・監理 : 藤原 昭夫/結(ゆい)設計

 

見学ご希望の方は下記お申込みフォームよりお申込みください。折り返し詳しい案内図をお送りいたします。
 ※ 氏名・連絡先(住所・電話番号)・参加人数・希望時間帯 を添えてください。

二人の小さな家

「二人の小さな家」室内_藤原

[室内]東南コーナー窓


「二人の小さな家」外観_藤原

[外観]二階角が窓です

夫婦二人のための小さな終の棲家です。

 

総二階、延床面積21・5坪の中に、将来用ホームエレベータースペースの押し入れがあり、階段含めて広さ10坪の居間食堂では、少し狭苦しい感じがします。
そこで広がりをつくり出すために、東と南に単独の窓を設けるのではなく、二階の南面の東西の両角を窓にしています。
耐力は中央の壁で担います。
コーナーを窓にすることで、両角が開放され、空間が拡大して感じられます。
二人の小さな家-平面図_藤原その上で、空間ボリュウムも大きくするために室内は勾配天井とし、中央部を高くし、下り天井面をそのまま、1m跳ね出した軒裏天井に連続させ、部屋が外部まで延長されてあるように見せます。

 

小さくても開放感があり、春には窓外の並木道の桜が窓いっぱい目に飛び込んできます。

 

建築DATA

1階床面積 : 35.54㎡(10.75坪)           〈家族構成〉
2階床面積 : 35.54㎡(10.75坪)            夫婦
延べ床面積 : 71.07㎡(21.50坪)     
構   造 : 木造2階建て

[家づくりニュース2016年4月号掲載]

9月12日|家づくりカフェ @ 市ヶ谷ギャラリー

家づくりカフェテーマ

「木造住宅の違った建て方(FSB工法)の紹介」

家づくりcafe「木造住宅の違った建て(FSB工法)の紹介」_藤原

 

住宅は違った作り方で、自分と社会にどんな恩恵が得られるか、事例を交えて ご説明する茶会にいたします。
本邦初です。
8月に盛岡市で、森の貯金箱事業の一環でFSB工法の企画住宅の建物だけでなく、
解体と部材を再使用した再築作業も公開しました。
13.25坪(18坪まで拡大可能)で1,200万円で提供するミニマム住宅です。
蓄熱性能と調湿機能はダントツに高く、木材を通常の3倍も使用し、解体と部材の再使用が容易なため、
森林整備を0.5ha整備させ、CO2の吸収と固定に貢献します。その工法事例もお見せします。

 

住まいの無料相談もお受けします。お気軽にご相談ください。

 

 

家づくりカフェ@家づくりギャラリー OPEN!
土曜日の午後のひととき美味しいスィーツでお茶をしながら、建築家と家づくりについて深く楽しく学んでみませんか?
いざ家を建てようと思い立っても、巷にはいろんな情報が溢れ何が良いのか迷ってしまいませんか。
カフェでは、建築家が毎回テーマを設け、家づくりについて建て主さんと雑談形式で考えていきます。
建築家と気軽に話せる場であり、おなじ目的を持った建て主さんどうしの情報交換の場でもあります。
“家づくりカフェ”はこれから家を建てようとする人のための少人数制連続プログラムです。
1回だけでも、いつからでも参加OKです。是非ご参加ください。

■店 主 : 藤原 昭夫 /結(ゆい)設計
■日 時 : 2015年9月12日(土) 14:00~16:00
■会 場 : 家づくりの会ギャラリー
      東京都千代田区三番町20-2 三番町パークライフ104号
      >>null   
■参加費 : 500円/お一人様(お茶とお菓子付き)
■定 員 : 10名様(要予約・先着順)
■申込先 : NPO法人家づくりの会

方円汎居(ほうえんはんきょ)

撮影:齋部 功

方円汎居-室内_藤原

居間からダイニングと中庭をみる


方円汎居-外観_藤原

カーポートから玄関への階段

この家の完成は実は三年ほど前です。
昨年ようやく、一階が当初思い描いていた通りになり、順調のようなので、あえて今月の家に出すことにしました。

 

私たち住宅設計者の役割は、依頼者の個別の条件に合わせて、その方固有の住宅を考えていくことです。
しかしこの家は逆のアプローチを経ています。
中高層住宅がスプロール的に開発されて行く環境の敷地に対して、生活を守って行くために、どんな居住者にも当てはまる戸建ての住宅はどうあり得るのか、という点から考えてみました。
道路より低い敷地故に、湿気と集中豪雨の際の被害を避けるべく、居住スペースは一層持ち上げ、その分の費用増はそこで収益をあげられるように、最初は貸ロッカー、ゆくゆくはカフェに、と計画しました。
また周囲の中高層住宅からのプライバシイー確保のため、中庭を設け、自分の家の屋根越しの陽射しが、終日入る寸法の大きさで、形状も丸くしました。
他の、間取りや仕様、ディティール等も、個別性より、住まいとして必要なものを、原則誰にも無理なく受け入れられる在り様を意識し、細部をあまり決め込まず計画しました。

 

本来普通の形態のはずが、結果として、周囲に対し、極めて固有な存在になってしまいました。
居住スペースの下の一階は、最初貸しロッカールームとしていましたが、今はその一部を、当初の予定通り、自らが運営する、手作りパンも販売するカフェにされています。
夜は家族の生活を優先し、閉めているのに、一、二週間以上も前に予約が必要な程、盛況のようです。

 

建築DATA

1階床面積 : 50.26坪            〈家族構成〉
2階床面積 : 47.37坪            夫婦+子供2人
延べ床面積 : 97.63坪     
構   造 : 二階建て(1階鉄筋コンクリート造/2階木造)

[家づくりニュース2014年6月号掲載]

ヒートポンプ温水基礎蓄熱暖房

住宅の暖房方法は住宅の気密や断熱性能の向上と共に色々変遷しています。
省エネ志向もあって、南国の開放的家づくりから、北海道のような閉鎖的な空間づくりに移行してきていて、温める暖房から、家全体を蓄熱体にして、終日同一温度に保ち、熱を逃がさない暖房とする傾向になってきたように思います。

蓄熱方法は電熱でも二タイプあって、一つは深夜電力を使用して土間コンクリートを温めるタイプ、もう一つは箱に詰め込んだレンガを温めるタイプです。

ヒートポンプ温水基礎蓄熱暖房

ヒートポンプ温水基礎蓄熱暖房配管

電熱ヒーターで一日分の熱量を深夜に蓄熱し、日中に放熱する方式です。
レンガの箱タイプだと、床面積30坪の住宅で2~3台を必要とします。

省エネタイプのヒートポンプ方式は、エアコンの室外機のようなもので温水を作り、それをベタ基礎のコンクリートに埋め込まれた樹脂配管に通して、コンクリートを温め一日分の熱量を蓄熱させます。

どちらも深夜電力で、電気代が昼間の1/2~1/3です。ヒートポンプの場合はさらに電気代がその1/2~1/3ですみます。
癪ですが、現在のところ同じ熱量を必要とする暖房でのランニングコストはヒートポンプ式が最も経済的なようです。

[家づくりニュース2013年11月号_掲載]

森の貯金箱事業

滑り台

滑り台

釜石バス停

釜石バス停

山田町集会場

山田町集会場

森林組合事務所

森林組合事務所

子供たちが楽しそうに遊んでいる、滑り台ジャンプ、屋根付のバス停ベンチ、仮設団地の集会場、森林組合事務所、これらの製作や建築は皆、同じ工法で作られています。
今釜石の森林組合と県の連合会とで、二酸化炭素の吸収固定と延長を図るお手伝いをしています。
建築市場に出せないとされた木材も、その成長に要した期間以上に活用する事業です。

今、1ヘクタールの森林整備で、杉の丸太材が約90㎥産出されます。その半分は建築用市場に行き、22.5㎥程の板や柱になり、半分は節、変色、飛び腐れ等の理由で合板工場にいくそうです。
その合板工場も、岩手では震災で流され、ひとつは廃業し、もう一つの工場も3割操業になり、丸太の引き取り手がなくなってしまいました。石川県や静岡県の工場に持ち込んでいるとのことです。
それで何とか合板工場分の丸太も建築に活用しようと、柱角の木材を連結して壁パネルとし、通常工法の3〜4倍の木材量を使用し、かつそれを二度三度と繰り返し使用できる、FSB工法(forest stock in building)を考え、被災地の再建住宅もそれで作ることにしました。

関東でも35坪程の住宅一軒を、FSB工法で建てていただけると、約45㎥の木材製品を使用することになり、1ヘクタールの森林整備を促し、40年で約30~40トンのCO2の吸収固定を増進させることになります。
それで建築だけでなく、様々なものにも提案し、実践していく、「森の貯金箱事業」を一緒にやっています。

[家づくりニュース2013年2月号_掲載]

藤原 昭夫 (» プロフィール)

つくりたいものと敷地や予算の間には
誰でも大きな矛盾があるものです。
だからこそプロに依頼されると感じています。

設計者の仕事はその矛盾を克服することであり
克服できた内容がその技量だと考えています。

《方円汎居アウトリビング》
住まいの中央に設けられた十分な広さの円形の中庭は、終日陽が入り、非現実的空間の様子を呈していて、そこに面した住まいも全く自分たちだけの独自の住まいであることが強調されて感じられます。

ブログ「住宅設計、つれづれに想う」はこちら

古い形の新しい家

 昨年末に内覧会を催した家です。実は、建主さんが設計者としての私を知ったのは、母屋のリフォームに来た大工さんの紹介です。その大工さんは、私が十年前に設計した住宅の工事に来ていた職人さんで、現場で一緒に建築の議論を楽しく交わしたことを、私も覚えていました。
 屋敷内の母屋に住む建主さんのお母さんが、いい大工さんなので是非娘の家もお願いしたいと声をかけたところ、設計者の私を薦められたのでした。その後娘さん夫婦がホームページを見て、最初は工事費が高いのではとためらったそうですが、話を聞くと、色々なことが考慮され、長期優良住宅の助成金の活用などもあり、それほどでもないことを分かって頂いたようです。
 これまで工務店に建主さんを紹介されたことは何度かありましたが、全くの渡り職人で、しかも十年以上も前の大工さんから推薦されたのは初めてでした。

古い形の新しい家
内観。引き込み障子を開けると敷地の庭に面する。

古い形の新しい家
コーナーをガラスとした浴室の出窓。

古い形の新しい家南外観。入母屋の大屋根で採光を確保。

古い形の新しい家御影石アプローチと大きく張り出したポーチ。

五枚屋根の家

閑静な住宅地の角地に建つ住宅です。道路面は低い軒先による水平線を作ることで周囲への圧迫感を抑え、車庫、廊下、居間、2階建て部とレベルの違う屋根面を徐々に重ねて行くことで奥行き感を与えました。プランは広々とした中庭を中心にしたコの字型ですが、大きく開いた南面のプライバシーを確保するために、中庭より80cmほどレベルを下げた低い屋根の駐車場で通りからの視線を遮りながらも居間からの視界を極力妨げない断面構成としました。各室からの景色は、中庭だけではなく通りからセットバックした部分を小さな庭として見せることで単調にならないよう配慮しました。また、廊下沿いに設置された水盤のゆらぎの反射光や居間とパウダールームに設置された特製のステンドグラスから透過する光が時間の移ろいを演出してくれます。