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人々の心に刻まれた住宅

ケネディ生家_藤田
一見普通に見えるこの家は、一体誰の家でしょうか?
何の変哲もなく、普通に通り過ぎてしまいそうな素朴な外見の家です。
あのジョン・F・ケネディの生家です。ボストン郊外の閑静な住宅地域にあります。
彼はこの家で生まれ、弟エドワードが生まれるまでの、十数年を過ごしました。
現在は、国の文化遺産に指定されて一般に公開されています。
東部アメリカの古い町並みは、イギリスの影響を受けてか、家と家の間隔が狭く、裏庭も小さいのが特長です。
部屋も、さほど大きくはありませんが、リビングルームにはピアノ、暖炉などが置いてあります。
キッチンのオーブンは、都市ガスを使っており、コンロとオーブンが一体のものです。
流し台は人造研ぎ出し大理石で作られていました。
現在のキッチンと比較して、無いものは、電気冷蔵庫、電子レンジかなと思います。
各部屋には、スチーム暖房が備えられており、上流階級の家であったことは間違いないでしょう。
1920年頃のアメリカの家ですが、立派なものです。
ガイドブックに載っていますのでボストンに行く機会があるときは訪ねてみてください。

 

[家づくりニュース2014年12月号掲載]

生き残った町屋の門

相模原の民家

柱、扉は欅材が使用されて重厚なつくりです


私は2010年3月号で「庄屋の門」を掲載しました。
今回はその二段として、「生き残った町屋の門」を取り上げます。

東京都町田市の近郊や隣接する相模原市には、江戸時代の地主や絹の原料となる繭で財力を蓄えた商家などの町屋が数多く点在します。
一部は、現在も住居として使っているものもありますが、多くの町屋は世代が変わり、不動産業者に売却されたり、門構えが崩れ落ちて廃墟のようになってしまったものもあります。
今回、わたしが表紙に使いたいと思っていた物件はすでに取り壊され、工事用のフェンスで覆われていました。
もっと早く来て写真にとっておけばよかったと後悔しています。

相模原の民家_正面

門の正面
奥には、新築された事務所ビルが見えます

表紙の町屋は、門構え、土塀、敷地面積からして、相当な地主であるとみえます。
数年前に住居が壊され、跡地にオフィスビルが建っています。
門は、ビルの外玄関として使われています。
メンテナンスを定期的にやっているとみえ保存状態がたいへん良いのに驚きます。
地主が自らの費用で、維持管理しているのでしょう。

地方都市が近代的な町並みに変わっていくなかで、このような町屋と近代建築の融合は町並みをつくる大切さを教えてくれるように思います。

[家づくりニュース2013年7月号_掲載]

藤田 辰男 (» プロフィール)

「光」 と 「風」 と 「緑」 のコミュニケーション
そんな家づくりを目指しています

《Aハウス》
子供の成長に伴い使用しなくなった品々は毎年増える一方です。子供が巣立つまで捨てることが出来ません。しかしどんな小さな家でも、天井裏があります。この家は、そんな悩みから寝室の上に6畳ほどのロフトを作りました

ジューンベリーの家

 今回紹介するAさん家族の住宅は、今から4年前に竣工した、相模原市に建つ木造2階建て、延べ床面積32坪の住宅です。
 自宅の庭で家庭菜園を楽しみたいという建て主さんの希望から37坪の敷地の中に家庭菜園用の畑を作り、日当たりを考えて、L字型間取りプランとしました。
 また、「料理をしながら子どもと会話が出来るような間取りにしてほしい。」
との希望があり、2階の子供室、書斎、そして寝室からも1階の居間が見えるよう、吹き抜けを中心に各部屋を配置しました。屋根裏ロフトは6畳の広さがあり、普段使わないものの収納に利用します。
 外部の仕上げ材は、裏側にスチレン断熱材が打ち込まれたガルバリウム鋼板を使用していますので、メンテナンスの心配がほとんどいらない経済性を重視した外部構造になっています。また、次世代省エネルギー仕様による外断熱工法を採用したことも光熱費の軽減に役立っています。
 L字に囲んだ庭には、ミニトマト、ナス、キュウリといった野菜が植えられて、新鮮な輝きをみせています。そして、シンボルツリーとして建て主さんが自ら選んだジューンベリーの木は庭の片隅に植えられました。
 3年後、Aさんから、
「今年はジューンベリーの実が写真の3倍はとれました。」
と、メールとともに写真が送られてきました。その写真から、Aさん家族の温かいぬくもりが伝わってくるようです。

ジューンベリーの家キッチンからダイニング、そして2階の子供室と寝室をつなぐ渡り廊下をみる。

ジューンベリーの家ジューンベリーの木(中央)と菜園右側。

ジューンベリーの家建て主のAさんから送られてきたジューンベリーの実の写真。