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コラム

家づくりニュース6月号表紙

家づくりニュース2016年6月号
【今月の表紙】
ストックホルム郊外アスプルンドの「夏の家」の定番アングルです。 5月、冬枯れた雑木林は一気に夏の装いに。
高野 保光/遊空間設計室

家づくりニュース5月号表紙

家づくりニュース5月号表紙
【今月の表紙】
日本初の分譲マンション宮益坂ビルディング。 築60年以上の風格ともいよいよお別れです。
杉浦 充/充総合計画一級建築士事務所

家づくりニュース4月号表紙

家づくりニュース2016年4月号表紙
【今月の表紙】
焼き物の街・常滑を訪ねました。目的はタイルをもっと知ること。素材を見る目が少し変化した気がします。
石黒隆康/BUILTLOGIC(ビルトロジック)

家づくりニュース3月号表紙

家づくりニュース3月号表紙
【今月の表紙】
2月の京都東山の法然院で撮りました。 春らしい、華やかな感じをお伝えできれば。 と思いました。 
丸石 隆行(tech to hook丸石隆行一級建築士事務所)

火の暖かさ

ペレットストーブ

「火を見ていると、心まで暖かくなります」


この冬、仕事場にペレットストーブを設置しました。

 

仕事場は約12帖のスペース。
小型のストーブですが、これ1台でぽかぽかに暖めてくれます。
とくに朝型の私の仕事場では、太陽が昇る前の時間帯に活躍しています。
家族が寝静まり、好きな音楽をかけて、コーヒーを飲みながら火の前に一人だけの特別な時間が訪れます・・・

ペレット

燃料のペレット

 

ペレットとは、このようなものです。
我が家で使用しているのは千葉県産のスギ、ヒノキ、サワラの間伐材からつくったペレット。

 

仕事場には床暖房もあるのですが、やっぱり火の暖かさは全く違うものですね!

 

[家づくりニュース2016年2月号掲載]

我が家のお宝「ライトの椅子」

我が家のお宝「ライトの椅子」 _十文字

自宅にある「ライトの椅子」


お宝は45年も前から、私の家にあるライトの椅子です。
数か月前たまたまTVの人気番組、なんでも鑑定団を見ていたところ、同じライトの椅子が鑑定団に出品され、なんと出た金額が200万円、応募者もびっくり仰天!!
見ていた私も今なら歴史的価値が有るので、内心50万ぐらいはするかなと思っていたのですが、その4倍の200万円にはしびれました。
これを期に、椅子は我が家のお宝となり大切に保存しています。

 

そもそもどうして我が家にこの椅子が存在するのかと言いますと、大分昔の話になりますが、私が設計事務所に入って2年目の45年も前のことです。
当時ライト設計の帝国ホテルが老朽化と営業効率を高めるための高層化のため、建て替え計画が進行中で、解体工事がまさに始まろうとしているときでした。
ファサードの一部を明治村に移築する以外はすべて取り壊し、備品等も破棄するとのことで動き出していた時期です。

旧帝国ホテル「孔雀の間」_十文字

旧帝国ホテル「孔雀の間」

椅子は写真にあるように、帝国ホテルのメインの饗宴場「孔雀の間」で使用するために、ライトがオリジナルデザインした椅子です。(右の写真・孔雀の間)

 

この様な時に、事務所の先輩からうちのボスが、破棄されてしまうライトの椅子を手に入れるので欲しいかとの問いかけが有り、値段は1脚2万円とのことでした。
当時、2万円といえば大金で、私がもらっていた給料と同額です。しかしあまり躊躇せずに欲しいと返事していました。
他の同期の二人は即座に断っていたのを覚えています。

 

数週間後、木枠でしっかりと梱包されたライトの椅子が10数脚事務所に届けられました。
先輩に呼ばれて椅子が置かれた打合せ室に行くと、自分の名前を紙に書いて好きな椅子に貼るように、お金は後日でと私からお願いしました。
すると先輩は、君はこの椅子が2万円しても欲しいと価値が解っているので、所有する資格があるとボスにも判断され、この様ないきさつにより、我が家のお宝を無償で手に入れた次第です。

 

[家づくりニュース2015年12月号掲載]

ガラスを楽しむ

ガラスを楽しむ-01_菊池

改修を手掛けた昭和8年竣工の洋館付き住宅の出窓。結霜ガラスは当時のもの。上部に新たにダイヤガラスを入れ、当時の姿に復元。


日本ではじめて窓ガラスが採用されたのは長崎・出島のオランダ商館だそうですが、私たちの住まいに窓ガラスが登場したのはそんなに昔ではありません。
今では当たり前の板ガラス(製法からフロートガラスと呼ばれます)も、一般に普及しはじめた大正〜昭和初期にかけては均一な厚みや大きいサイズのものは製造できませんでした。
ガラスを楽しむ-02_菊池

書斎を寝室に変更。引き戸にダイヤガラスを入れた。「お日様の動きでキラキラ光って・・・ダイヤモンドみたいです。だからダイヤガラスっていうでしょうね。」と奥様。

戦前の住宅のガラス戸が桟で細かく分割されている理由です。

 

現在のような均一な厚みのガラスが量産されるようになったのは、昭和39年に英国ピルキントン社の製法が導入されてからだそうです。
その間、透明な板ガラスの他に様々なガラスが使われました。
代表的なものは結霜(けっそう)ガラスダイヤガラスでしょう。
型ガラスが登場するまで、大正〜昭和初期に流行しました。
特に洋館付き住宅の出窓などには趣向を凝らしたデザインのものが見られます。
結霜ガラスはすりガラスの表面に膠(にかわ)を塗り、膠が乾いて収縮する時にできる模様が霜のように見えるためこの名前がつきました。
ダイヤガラスは板ガラスの表面に凸凹のカットを入れたものでいろいろな角度からの光でキラキラ輝きます。
最近の住宅ではLow−E(遮熱・断熱・UVカット)や防犯ガラス等、機能を優先するガラスが主流になってきましたが、一方でレトロなガラスの懐かしさに引かれて需要もあり、生産されています。
建具などに入れると楽しむことができます。

 

ただ、なぜか昔の味わいとちょっと違うのは手仕事と機械仕事の違いかもしれません。

 

[家づくりニュース2015年11月号掲載]

翼に包まれて、、、

施設正面:開館時間休館日など黒石市市役所にご確認下さい


小さなロフトから、、、

毎年夏と冬、姫の両親と義姉夫婦と姪っ子を訪ねて弘前に行く。
青森は、自由の女神やキリストの墓などふしぎな名所から、
白神や十和田湖など観光には事欠かない。温泉も良い。
     奥が深い。

 

弘前市内には前川國男建築が八つあって
建築を学ぶものには嬉しい場所もである。
義姉がお気に入りで一度連れてきたいというので、
今回は菊竹清訓設計・1975年の「黒石ほるぷ子ども館」に行ってみた。

 

翼でこどもを包む親鳥のような切り妻屋根のシンプルな建物。
床はカーペットで自由に本が読める
入り口ポーチは井戸端おしゃべりができるベンチ
その上は小さなロフト
集成材の登り梁と棟木を支える丸柱が作る
こどもと親が気持ちよく過ごせる空間になっている
不勉強で大きな建物しか知らなかった。
こんなにかわいい素敵な建築に
     ほっこり

 

帰りは酸ヶ湯温泉ヒバ千人風呂(混浴だよ)に浸かって
     ほっこり

 

[家づくりニュース2015年10月号掲載]

バラガンの色に秘められていたもの

大学を出、設計事務所に勤務して、初めて迎えた正月、所員全員が招かれた原宿の所長宅で、酒席の後ネクタイの色・柄の選び方を伝授された。いわく「ネクタイの柄の中に一部でもよいからジャケットの色が使われているものを選ぶべし」。妻は「女性なら誰でも知っていることよ」とこともなげに云うけれど、思えば、建築設計での色決めの時に、この言葉はとても役立ってきた。

 

バラガンの色に秘められていたもの_野口

Los Clubes、1964。
バラガンの建築は全て撮影禁止であった。由一、街角で撮影出来たバラガン特有の噴水のある馬の為に用意されたプール。噴水の茶褐色、背後の壁のピンクの色は文中のサン・クリストバルの色そのものであるが、十分にあの時の感動を伝えきれないのが残念である。

1997年1月、メキシコにあの偉大なる建築家ルイス・バラガンの建築を訪ねた。自邸、修道院、厩舎、行く先々で、そのカラフルな色遣いに、驚き、しかも歓喜したことを、今でも鮮やかに思い出す。ピンク、赤錆色、黄土色、薄紫…単に壁に塗られたにすぎないペンキの色々が、神聖そのもの、あるいは楽園をさえ想起させたのだ!門をくぐり、正面遠くに「サン・クリストバル San Cristobalの厩舎」を捉えた時、我々は歓声をあげてかけ出していた。「一体、何故、我々は、これほどまでに感動しているのか!?」。重厚なピンクと一部の赤錆色の壁に囲まれた広いプール(池)を前にして、私は自問自答していた。「それがメキシコの自然や風土の表象の置き換えであり、ピンクはブーゲンビリアの花、赤錆色や黄土色はメキシコの大地、薄紫はジャカランダの花の色である…分析的な過程を経て、熟考ののちに得られた答えが結果的にはメキシコの風土から抽出された色であった」
(CASA BARRAGAN/斉藤裕著、TOTO出版発行より)

 

それは、強い光の下に広がるメキシコの緑豊かな大地・風土の中にちりばめられた色たちと、バラガンの壁に塗られた同色の色たちとが、先のネクタイとジャケットの関係に似て、いや、それよりもはるかに深淵かつ哲学的に呼応しているのに出会った瞬間であった。

 

[家づくりニュース2015年9月号掲載]

屋上を楽しむ

屋上を楽しむ-夕焼け_山本
ここ数年、野菜の鉢植え栽培に熱中しています。
作業場は我が家の屋上。
キュウリ、ナス、トマト、トウモロコシ、エダマメ、ジャガイモ、サツマイモ等々、手間暇さえ掛ければ大抵の野菜は作る事が出来ます。
近年は宅配便容器を転用した小麦・稲の二毛作にまで手を広げている有様。
植物があると虫や野鳥も寄ってくれるようで、それらとの邂逅もまた一興であります(被害にあう事もママありますが)。
ただし夏場は水遣りが大変ですし、水道使用量も増えます。御用心を。

 

また、屋上に佇み空をボーッと眺めているのは結構楽しいものです。
なにしろ地上に居るよりも空がずっと広く身近に感じられます。
昼には様々に変化する雲や空、燃えるような朝焼け夕焼け、夜には星空を、など刻一刻と移り変わる大自然と直に触れ合う事が出来るのですから。
そのほか簡単な運動や日光浴等々、各家庭の趣味趣向に応じて様々な利用法がありましょう。
これからの季節であれば、缶ビール等冷たい飲み物を手に屋上で一杯、というのもオツなものですね。

 

都市部の住まいにおいて積極的に屋上を利用する事は、生活に潤いをもたらす為の極めて有効な一手段となるでしょう。

 

屋上を楽しむ_山本

 

[家づくりニュース2015年8月号掲載]

ちょっと福岡まで

福岡/椎木講堂ガレリア_宮野

九州大学伊都キャンパス内の椎木講堂ガレリア。内藤廣設計で2014年に完成。


博多/櫛田神社_宮野

博多の氏神・総鎮守として信仰を集めている櫛田神社。

3月末に福岡まで足をのばしました。
博多では天候にも恵まれ、満開の桜と共に、この時期の日本は本当に美しいと感じられ、気持ちも晴れやかになりました。

 

市の中心にある櫛田神社は、古くから博多の氏神・総鎮守として信仰を集めている神社で、この日も満開の桜のもと多くの人で賑わっていました。

 

その後、九州大学の大規模なキャンパス移転の様子や椎木講堂を見学。
椎木講堂は直径100mの円形の中に、円形劇場タイプのホールと管理棟が配されたもので、オープンスペースとしての巨大なガレリアが印象的な建築でした。

福岡/九州大学伊都キャンパス_宮野

九州大学伊都キャンパスは大規模な移転計画の中心地。近未来的な風景が広がっています。

福岡/椎木講堂外観_宮野

椎木講堂外観。直径100mの円形プランに最大3,000人収容のホールと管理棟が配されている。

あくまでも補助的な空間としてのガレリアが、様々な場面で学生や市民の憩いの場所として利用されているとのことです。
さすがのスケールに圧倒されました。

 

福岡/ネクサスワールド_宮野

ネクサスワールドのスティーブン・ホール棟エントランス。

ネクサスワールドでは世界の著名な建築家による集合住宅群を見学。
特に、スティーヴン・ホールの集合住宅では共用空間を案内して頂き、改めてその動線計画と空間構成、あちこちに散りばめられた仕掛けの素晴らしさに感動しました。
また、手すりや庇、エントランスホールの建具など、ディテールへのこだわりもそれぞれに特徴のあるものでした。

 

今回は思いもかけず、博多で気持ちの良い春を満喫することができました。
そして、日常から離れた旅は、いつも心を高揚させてくれるものですね。

 

[家づくりニュース2015年7月号掲載]

「釘ん句会」報告

 家づくりの会の放課後クラブ活動と称して三ヶ月に一回のペースで俳句の集まりを続けています。
今年の5月の句会で二十三回目の開催とは随分と長く続いたものです。
 句会を始める事の発端は、家づくりの会の建築家で俳人でもあった亡き猪狩さんの呼びかけで始まった俳句の会。
猪狩さんのお住まいの川越を中心に、猪狩さんに俳句を教わるという形で始まりました。
 猪狩さんがお亡くなりになって一時中断しておりましたが、その時のメンバーから再開しようという声が上がり始め、私の設計した家の建て主の舟倉さん(現役の国語の高校の先生)が趣味で俳句をしていたのを知っていたので図々しくもお願いして先生になって頂き、「釘ん句会」と名称も新たに俳句の会が再開したのでした。
 釘ん句会を始めるにあたり、自分たちの技量も顧みずに、はじめから本格的な句会を行いました。
先生から事前に兼題を出して頂き、その兼題をもとに各自五句つくってきて、作者が判らないようにして各自気に入った句を五句選び、選んだ句の感想や解釈をし、その後作者が名乗り出るという形式をとりました。
釘ん句会-投句  思っても見なかった人がその句の作者だったり、作者の思いと違う解釈があったりと、かなりスリリングでとても面白い大人の遊びが楽しめました。
 参加者は家づくりの会の建築家たちやOGの他に、雑誌編集者の方々も参加して頂くときも有り、文字を生業にしている方はやはり言葉の使い方、感性が違うと感心することしきりです。
 今回、この文を書くにあたり、句会常連の方々から自薦三句を出してもらいました。皆さんどんな句を作っているのかというと・・・

(五十音順)

 

落合雄二/雁渡る空にしるしの釘打ちて/春雷や漬物石も軽くなり/いつかまたと歩き去る人いわし雲、 菊池邦子/新緑の山ふくらんで抜ける風/発表の電話待つ朝辛夷咲く/青萩や切り通し抜け鎌倉へ、 長谷部緑/蝉時雨草鞋の音も聞く古道/堰を切る虫の競演雨上がり/底冷えも緩む畳に這う日差し、 藤原昭夫/枯れ木星ひとり住み継ぐ危険区域/嵩上げの重機横目に墓詣で/残し柿一つ一つに雪積もり、 舟倉雅史/釘叩く最後の一打冬に入る/窓少しあけて母居る花水木/この線を越えて津波や秋薊、 古川泰司/校庭の白線の跡蝉時雨/眠き眼に花から零れる露ひとつ/夕冷えにすっくと立った二月堂、 山本ミヤ子/逆光を切り割き落ちる竹の秋/春嵐虹を残して鎮まれり/我が儘をもう一度聞きたい夏の空
次回の二十四回釘ん句会は9月の土曜日(日にちは未定)市ヶ谷・家づくりギャラリーにて開催の予定です(参加無料)
オープンな句会なので参加ご希望の方は事務局にどしどしご連絡ください。

 

[家づくりニュース2015年6月号掲載]