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家づくりの会30年!

30年前に始まった「家づくりの会」、
その発起人で残っているのは僕一人になっちゃったけど

家づくりの会が出来たのは30年前、僕は35歳だった。駆け出しの、まだ食えない建築家だった。
そんな同じように食えない建築家、十数名が集まって作ったのが「家づくりの会」。
会を作った目的は、これから住まいを作ろうとしている「建て主さん候補」との出会いの場を作ろうということだった。
それから30年、あっという間に年月が流れた。

発足の頃は細々とした、何時つぶれるかわからないような会だった。「この会、2~3年もつかなー」と仲間と話したことを覚えている。しかし、おそらくこの会が潰れるようであれば、自分たちが建築家として生き残れる可能性もない、といった切羽詰った思いもどこかにあったのではないか。だからこの会をどうにかしたいと皆でよくやってきた。
発足から十数年間は、会のために毎週1~2日を費やしていたのではないか。様々なイベントを企画し、その広報のため新聞社にお願いに行ったり、また自分たちの自己研鑽のための研究会を開き、その結果を建築雑誌に6年間にわたり連載したり、時には飲んだり、いろんなところに旅行に行ったりもしたが、かなりの時間を家づくりの会と共に過ごした。だから僕にとって家づくりの会は人生の重要な一部分になってしまったと言っても過言ではない。

そのような活動の中で最近嬉しかったことは、「家づくり学校」の卒業生が今年2月に初めて出たこと。

彰国社「家づくり学校」

今年2月に初めて卒業生が出た「家づくり学校」の教科書です。 出版:彰国社

「家づくり学校」というのは、住宅設計を志す30歳前後の若手建築家を対象にした学校で、家づくりの会の会員が講師を務めている。この学校を始めたのが4年前、今年2月、初めての卒業生が出た。この卒業生がいつか「家づくりの会」の会員として入ってきて、これからの家づくりの会を更に担って行くことになるかもしれない。

いろんなことをやってきたが、僕らがやってきた会の活動に一貫していることは、フリーランサーとしての建築家が集まった時に何ができるか、ということだったと思う。制度や仕組みでガチガチになった世の中で、批評的立場に立って家づくりの可能性を追求するフリーランスとしての建築家の集団、「家づくりの会」はこれから益々貴重な存在になるに違いないと思う。