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桜新町・緑庭の平屋

屋上庭園は陽当たりがよく、草花がよく育ちます。写っている花はほとんどがバラ。
街を歩けばあちこちでバラが咲きほこり、丹念に手入れされた様子を見るたびにこの家のことを思い出します。
この家は少し珍しいつくりになっています。
それは、平屋建てでその屋上をすべて緑化し屋上庭園としていることです。

既存の木を配した庭は落ち着いた雰囲気にしました。
大きなガラスでリビングとつながります。正面右手が柿の木。

屋上庭園を見下ろす。
隣家の2階からも垣間見えるので喜ばれているようです。
竣工時には中木だけを植え楽しみのために余白を残したのですが、その余白もほどなく埋まり今は無数の草花で覆われました。
特にバラの種類は多く、今はどれぐらいの数があるのか設計者の私にも想像がつきません。バラは香りもよく、取材で伺った時には落ちた花びらを拾ってきれいにするのですが、その香りのとてもいいこと、捨ててしまうのがもったいないくらいです。しかし、広くて種類も多い分、手入れの手間もかかります。幸いこの家の施主はその労も厭わず、むしろ楽しんでいるほど。家にいる時間よりも、庭にいる時間のほうが長いこともしばしばだとか。
その様子がとても幸せそうで、街でバラを見かけると、手入れをする姿を思い浮かべるのです。
[家づくりニュース2013年6月号_掲載]