Information TOP » コラム »

生き残った町屋の門

相模原の民家

柱、扉は欅材が使用されて重厚なつくりです


私は2010年3月号で「庄屋の門」を掲載しました。
今回はその二段として、「生き残った町屋の門」を取り上げます。

東京都町田市の近郊や隣接する相模原市には、江戸時代の地主や絹の原料となる繭で財力を蓄えた商家などの町屋が数多く点在します。
一部は、現在も住居として使っているものもありますが、多くの町屋は世代が変わり、不動産業者に売却されたり、門構えが崩れ落ちて廃墟のようになってしまったものもあります。
今回、わたしが表紙に使いたいと思っていた物件はすでに取り壊され、工事用のフェンスで覆われていました。
もっと早く来て写真にとっておけばよかったと後悔しています。

相模原の民家_正面

門の正面
奥には、新築された事務所ビルが見えます

表紙の町屋は、門構え、土塀、敷地面積からして、相当な地主であるとみえます。
数年前に住居が壊され、跡地にオフィスビルが建っています。
門は、ビルの外玄関として使われています。
メンテナンスを定期的にやっているとみえ保存状態がたいへん良いのに驚きます。
地主が自らの費用で、維持管理しているのでしょう。

地方都市が近代的な町並みに変わっていくなかで、このような町屋と近代建築の融合は町並みをつくる大切さを教えてくれるように思います。

[家づくりニュース2013年7月号_掲載]