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20年後のリニューアルで外観が一新したアトリエ棟

30数年前イラストレーター夫妻のために設計した、RC造3階建て住宅兼アトリエの建つ東側隣接地が売りに出たとのことで、夫妻は迷うことなく手に入れました。
以前から手狭になっていたアトリエを此の期に、新たに別棟としてアトリエ棟を建て、既存建物の3階テラスと新しいアトリエ棟を繋げることを前提とした設計を私に依頼してきました。
それは今から数えて20年前のことです。

20年後のリニューアルで外観が一新したアトリエ棟-写真01

(写真―1)内外打ち放しコンクリートの外壁で、グレーのスティールサッシュの竣工時のアトリエ棟。

設計は新しく買い足した南北長方形敷地に合わせる形で配置し、地下1階地上3階建てで、3階の北西部を既存建物のテラスと繋げるようにするためレベル調整をし、地震時の揺れの違いに対応できるように新築建物のキャンティ・スラブをテラスと連続する部分に若干の隙間を取り、双方の建物に支障なく安全に行き来できるようにするために、ディティールを慎重に詰めたことを覚えています。
デザインに大変こだわりのある夫妻のために、アトリエ棟は既存建物同様シンプルな立方体のボックスで、二人の好きな指定色の真赤なエントランス扉がポイントで、それ以外は内外ともに打ち放しコンクリート仕上げです。
開口部全てはオーダーしたスティールサッシュで面内に納めることで、外観に陰影が生まれることを意図し、色はグレーの焼付塗装です。(写真―1)

それから20年、竣工当初の写真のようにシャープで美しかった打ち放しコンクリートも時の流れで輝きを失い、リニューアルにあたり夫妻の発案で、外壁は既存住宅棟と同じ真白に吹き替え、スティールサッシュは玄関扉の真赤にすることになりました。
若干の不安があったものの、足場が外れてリニューアルした純白のアトリエ棟の前に立って微笑んでいる夫妻を見て、私もほっとした次第です。(写真―2)

20年後のリニューアルで外観が一新したアトリエ棟-写真02

(写真―2)リニューアルをして純白の外壁に真赤に縁どられた開口部、後方に3階の既存建物との連絡部分が見えます。

[家づくりニュース2013年10月号掲載]