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自然エネルギーに感謝 2

半地下に置いてある薪ストーブと太陽熱を床下へ送りこむ白いダクト。
暖気はゆっくりと上昇し家中を暖めてくれる。


太陽と薪で暖まる家の断面図

よく晴れた冬の朝9時過ぎになると屋根が軋んでミシミシと音を立て始めます。
板金が熱で膨張して鳴る音なのですが、この音が聞こえてくると嬉しくなります。
太陽熱が屋根に降り注ぎ、家の暖房が働き始める合図なのです。
しばらくすると取り入れのファンが回り、暖かい空気が屋根裏から地下へと送られ、夕方4時頃まで家全体を暖めてくれます。
そして陽が沈み冷え込んでくると薪ストーブの出番です。
まだ太陽の恵みで暖かい部屋に赤々と燃える火が点くとその炎は心に安らぎを与え、太陽と薪の暖かさが体の芯までしみ込んでいきます。

 

半地下から真直ぐ延びる煙突

東京板橋区のはずれにある私の家は、薪ストーブと太陽熱により地下からロフトまで四層になった29坪の家全体を暖房しています。
30坪ほどの住宅ならば、薪ストーブだけで家全体を暖房することが可能ですが、ご近所への煙の影響や薪の確保などに不安があり、太陽熱を利用した暖房方式も取り入れました。
屋根面に太陽熱を効率よく集める仕組みを作り、そこで暖められた空気を小さなファンで地下室の床下まで運びます。
送り込まれた空気の温度はせいぜい25度から30度程度と体温よりも低い温度ですが、冬の室温として考えれば暖房として充分に働きます。基礎的な室温は太陽熱で暖め、曇りや雨の日と夜は薪ストーブで暖めるという考えです。

 

薪ストーブを燃やせばCO2を排出するのでは?と思われそうですが、薪は元をたどれば太陽の恵みから生まれたエネルギー、カーボンニュートラルと言われるCO2排出量を増やさない持続可能なエネルギーです。
また、東日本大震災の時に薪ストーブが活躍したことで、非常時に強い薪ストーブと注目もされました。最近では東京でも雑木林の萌芽更新のために伐採した木を薪ストーブ利用者に無料で配布する自治体があらわれてきています。
薪ストーブユーザにとって燃料となる薪を集める環境が少しずつ整いつつあり、都市部でも薪ストーブは徐々に身近なものなってきたようです。

 

薪ストーブや太陽エネルギーを利用した暖房システムは、それによって快適な生活をおくれることはもちろんですが、日々自然の恵みを感じながら過ごす喜びを与えてくれます。
薪を使うことで自分の周りにある里山や自然環境に触れ、太陽熱を使うことでひなたぼっこの暖かさを毎日感じることができます。
自然のエネルギーに感謝しつつ薪ストーブの暖かさを享受できるありがたさを感じる6年目の冬です。

 

[家づくりニュース2014年2月号掲載]