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灯台下暗し

南に増築された部屋が納戸のようになってしまい、一番大切な茶の間が暗く寒い部屋になっていました。
幸せの青い鳥は、意外とそこにいるものだが当事者はなかなか気がつかないものだ。
古民家と呼ばれる古い住宅も、暗く、汚くなり、ものがあふれ、寒くて使いにくい。
いやなところばかり気がついてしまう。
でも、よそから来た者が見ると宝の山だったりする。
大抵は新しく建て替えた後に気がつく。

外壁や増築部を解体をするためにお引っ越しをしてものがなくなったら、、、。あら、改装しなくてもいいくらいに明るく広い住まいだったことに気がつきました。
建て替える方が簡単だし、コストも、構造も、快適さも現代的でリスクが少ない。
みんなそう考える。
新しく同じものを建てるには、何倍もコストがかかるだろうし、リフォームするにはリスクが大きい。
糸魚川のこの現場は200年越え。
何度も直し、増築し住み継がれた家族の歴史が、解体してみると痕跡から見えてくる。
柱と屋根だけにして、増築部は解体し元の母家に戻す。
どうしても必要なものだけ少し増築。
リスクを容認し、できる限りの快適さを求める。
ご先祖様も喜んでくれるはず。

ただいま工事中につき完成予想CG。お茶の間です。
[家づくりニュース2014年9月号掲載]