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「釘ん句会」報告

 家づくりの会の放課後クラブ活動と称して三ヶ月に一回のペースで俳句の集まりを続けています。
今年の5月の句会で二十三回目の開催とは随分と長く続いたものです。
 句会を始める事の発端は、家づくりの会の建築家で俳人でもあった亡き猪狩さんの呼びかけで始まった俳句の会。
猪狩さんのお住まいの川越を中心に、猪狩さんに俳句を教わるという形で始まりました。
 猪狩さんがお亡くなりになって一時中断しておりましたが、その時のメンバーから再開しようという声が上がり始め、私の設計した家の建て主の舟倉さん(現役の国語の高校の先生)が趣味で俳句をしていたのを知っていたので図々しくもお願いして先生になって頂き、「釘ん句会」と名称も新たに俳句の会が再開したのでした。
 釘ん句会を始めるにあたり、自分たちの技量も顧みずに、はじめから本格的な句会を行いました。
先生から事前に兼題を出して頂き、その兼題をもとに各自五句つくってきて、作者が判らないようにして各自気に入った句を五句選び、選んだ句の感想や解釈をし、その後作者が名乗り出るという形式をとりました。
釘ん句会-投句  思っても見なかった人がその句の作者だったり、作者の思いと違う解釈があったりと、かなりスリリングでとても面白い大人の遊びが楽しめました。
 参加者は家づくりの会の建築家たちやOGの他に、雑誌編集者の方々も参加して頂くときも有り、文字を生業にしている方はやはり言葉の使い方、感性が違うと感心することしきりです。
 今回、この文を書くにあたり、句会常連の方々から自薦三句を出してもらいました。皆さんどんな句を作っているのかというと・・・

(五十音順)

 

落合雄二/雁渡る空にしるしの釘打ちて/春雷や漬物石も軽くなり/いつかまたと歩き去る人いわし雲、 菊池邦子/新緑の山ふくらんで抜ける風/発表の電話待つ朝辛夷咲く/青萩や切り通し抜け鎌倉へ、 長谷部緑/蝉時雨草鞋の音も聞く古道/堰を切る虫の競演雨上がり/底冷えも緩む畳に這う日差し、 藤原昭夫/枯れ木星ひとり住み継ぐ危険区域/嵩上げの重機横目に墓詣で/残し柿一つ一つに雪積もり、 舟倉雅史/釘叩く最後の一打冬に入る/窓少しあけて母居る花水木/この線を越えて津波や秋薊、 古川泰司/校庭の白線の跡蝉時雨/眠き眼に花から零れる露ひとつ/夕冷えにすっくと立った二月堂、 山本ミヤ子/逆光を切り割き落ちる竹の秋/春嵐虹を残して鎮まれり/我が儘をもう一度聞きたい夏の空
次回の二十四回釘ん句会は9月の土曜日(日にちは未定)市ヶ谷・家づくりギャラリーにて開催の予定です(参加無料)
オープンな句会なので参加ご希望の方は事務局にどしどしご連絡ください。

 

[家づくりニュース2015年6月号掲載]