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ガラスを楽しむ

ガラスを楽しむ-01_菊池

改修を手掛けた昭和8年竣工の洋館付き住宅の出窓。結霜ガラスは当時のもの。上部に新たにダイヤガラスを入れ、当時の姿に復元。


日本ではじめて窓ガラスが採用されたのは長崎・出島のオランダ商館だそうですが、私たちの住まいに窓ガラスが登場したのはそんなに昔ではありません。
今では当たり前の板ガラス(製法からフロートガラスと呼ばれます)も、一般に普及しはじめた大正〜昭和初期にかけては均一な厚みや大きいサイズのものは製造できませんでした。
ガラスを楽しむ-02_菊池

書斎を寝室に変更。引き戸にダイヤガラスを入れた。「お日様の動きでキラキラ光って・・・ダイヤモンドみたいです。だからダイヤガラスっていうでしょうね。」と奥様。

戦前の住宅のガラス戸が桟で細かく分割されている理由です。

 

現在のような均一な厚みのガラスが量産されるようになったのは、昭和39年に英国ピルキントン社の製法が導入されてからだそうです。
その間、透明な板ガラスの他に様々なガラスが使われました。
代表的なものは結霜(けっそう)ガラスダイヤガラスでしょう。
型ガラスが登場するまで、大正〜昭和初期に流行しました。
特に洋館付き住宅の出窓などには趣向を凝らしたデザインのものが見られます。
結霜ガラスはすりガラスの表面に膠(にかわ)を塗り、膠が乾いて収縮する時にできる模様が霜のように見えるためこの名前がつきました。
ダイヤガラスは板ガラスの表面に凸凹のカットを入れたものでいろいろな角度からの光でキラキラ輝きます。
最近の住宅ではLow−E(遮熱・断熱・UVカット)や防犯ガラス等、機能を優先するガラスが主流になってきましたが、一方でレトロなガラスの懐かしさに引かれて需要もあり、生産されています。
建具などに入れると楽しむことができます。

 

ただ、なぜか昔の味わいとちょっと違うのは手仕事と機械仕事の違いかもしれません。

 

[家づくりニュース2015年11月号掲載]