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我が家のお宝「ライトの椅子」

我が家のお宝「ライトの椅子」 _十文字

自宅にある「ライトの椅子」


お宝は45年も前から、私の家にあるライトの椅子です。
数か月前たまたまTVの人気番組、なんでも鑑定団を見ていたところ、同じライトの椅子が鑑定団に出品され、なんと出た金額が200万円、応募者もびっくり仰天!!
見ていた私も今なら歴史的価値が有るので、内心50万ぐらいはするかなと思っていたのですが、その4倍の200万円にはしびれました。
これを期に、椅子は我が家のお宝となり大切に保存しています。

 

そもそもどうして我が家にこの椅子が存在するのかと言いますと、大分昔の話になりますが、私が設計事務所に入って2年目の45年も前のことです。
当時ライト設計の帝国ホテルが老朽化と営業効率を高めるための高層化のため、建て替え計画が進行中で、解体工事がまさに始まろうとしているときでした。
ファサードの一部を明治村に移築する以外はすべて取り壊し、備品等も破棄するとのことで動き出していた時期です。

旧帝国ホテル「孔雀の間」_十文字

旧帝国ホテル「孔雀の間」

椅子は写真にあるように、帝国ホテルのメインの饗宴場「孔雀の間」で使用するために、ライトがオリジナルデザインした椅子です。(右の写真・孔雀の間)

 

この様な時に、事務所の先輩からうちのボスが、破棄されてしまうライトの椅子を手に入れるので欲しいかとの問いかけが有り、値段は1脚2万円とのことでした。
当時、2万円といえば大金で、私がもらっていた給料と同額です。しかしあまり躊躇せずに欲しいと返事していました。
他の同期の二人は即座に断っていたのを覚えています。

 

数週間後、木枠でしっかりと梱包されたライトの椅子が10数脚事務所に届けられました。
先輩に呼ばれて椅子が置かれた打合せ室に行くと、自分の名前を紙に書いて好きな椅子に貼るように、お金は後日でと私からお願いしました。
すると先輩は、君はこの椅子が2万円しても欲しいと価値が解っているので、所有する資格があるとボスにも判断され、この様ないきさつにより、我が家のお宝を無償で手に入れた次第です。

 

[家づくりニュース2015年12月号掲載]