【 9人家族 】

吉祥寺南町の家

撮影:小川 重雄

吉祥寺南町の家-室内_庄司

高さ4.4mの吹抜空間の上部に穿たれたトップライトから1階のリビングに天空光が差し込みます。壁は杉板型枠によるコンクリート化粧打放し仕上げで、木目の柔らかさを表現しました。


東京・吉祥寺の駅から徒歩15分に立地する5人の子供たちを含む9人家族のための住宅です。
敷地は歪みのない長方形の地型で、整然と升目状に区画された閑静な住宅街の一画に位置していました。
この住宅では、子供たちを健やかに育むための器として豊かな明るさとおおらかさを備えた住空間を持ち、その優良な矩形敷地に相応しい直線的でシンプルな建築を提案したいと考えました。

 

○ バッファが創る豊かさ

吉祥寺南町の家-外観_庄司

敷地ヴォリュームの中に3.5m角の “Cube BOX” が4.5mのキャンティレバー形状で浮かんでいます。“Cube BOX” の外壁は外断熱無目地左官工法+漆喰塗りです。

建蔽/容積:40/80%という厳しい網掛けの中で、必要な床面積を確保するために、この住宅は最大の建坪を前提とした地下1階地上2階の構成になっています。
敷地の外周部の南・西・北に3枚の壁を立て、その壁に囲まれたヴォリュームの中に3.5m角のCube状の断面形状を持つ矩形のBOXを浮かべます。
3枚の壁と挿入された “Cube BOX” の間に創り出される「バッファゾーン」は中庭・トップライトを持つ階段吹抜・リビング空間の三つの機能を持ち、各々が光溜まり、或いは風の通り道としての役割を果たします。
そこに満ち溢れる柔らかい光や風は、地下の居室を含む住空間の隅々にまで浸透し、この住宅に居心地のよい豊かな空気感をもたらしていくのです。

 

○ ZEB化住宅への展望
この住宅では、“Cube BOX” の屋上に外観からはその存在を判別できない断面処理で太陽電池パネルを搭載させることによって、ソーラーパネルを敷設したプロトタイプ住宅としての意匠性を追求するとともに、将来的な完全ZEB(Zero Emission Building)化の実現も視野に入れています。
ほぼ真南に正対させた出力4.0kwの太陽電池パネルからの発電によって、竣工後のデータ上、季節によっては金額ベース(買電金額−売電金額)におけるZEB化は既に達成できていると建て主さんも喜ばれています。

 

建築DATA

地階床面積 : 40.76㎡ (12.33坪)           〈家族構成〉
1階床面積 : 68.59㎡ (20.75坪)            夫婦+親族2人+子供5人
2階床面積 : 54.60㎡ (16.52坪)
延べ床面積 : 163.95㎡ (49.60坪)     
構   造 : RC造地下1階地上2階建て

[家づくりニュース2015年2月号掲載]