【 アトリエフルカワ一級建築士事務所 】の家づくり

wood_smile_gallery

ood_smile_gallery-室内_古川

ギャラリー内部。ハイサイドライトから溢れる自然光と既存の骨組みのフレームワークがポイント。半透明のパーテションの向こうは事務室。その枠も扉も杉で作っています。


これは新木場の老舗材木屋さんのリノベーションです。
wood_smile_gallery-玄関・アプローチ_古川

玄関アプローチにはオープンデッキを設けて道行く人の憩いの場になるようにしています。デッキもベンチも杉で作っています。

ですから、人が住むわけではないので「今月のいえ」というにはいささか心苦しいのですが、道行く人がふらっと立ち寄れる街のリビングをつくることを目指して設計をしましたので、強引ではありますがこれも「いえ」だと思ってご紹介させていただきます。

 

「wood_smile_gallery」とは文字通り、木を見て触れて笑顔になる、木の良さを多くの人に感じてもらう場所ということです。
良さを体で感じてもらえることができれば、家の中に木を使いたくなる。
そうした拠点として、街のリビングとしてこの場所では音楽やフリーマケットなど様々なイベントが始まっています。
目的は様々でも来ていただくことで木の良さを発見してもらえることが大切だと思っています。
なかでも、木の良さを体で一番体感してもらえるのは床です。
床には千葉県産の杉のフローリングを丁寧に低温で乾燥させたものを使っています。
低温で乾燥させることで、木の中にもともと含まれている精油成分や酵素などがそのまま残るようで、実際に低温で乾燥させた杉板は触りごごちも暖かく柔らかく感じます。
これは床の上に座って寝転んで触って違いを感じて欲しいところです。
一人でも多くの人が木のもつ優しさの魅力をこの場所で発見して欲しいと思います。

 

建築DATA

1階床面積 : 27坪
構   造 : 平屋建て
使用用途  : ギャラリー・事務所

[家づくりニュース2015年7月号掲載]

makinoki_House

makinoki_House室内_古川

お茶の間スペースから土間スペースを見る。


makinoki_House仕上げ_古川

構造用合板にペンキの仕上げ、木目がペンキの向こうに見える。

文京区千石に1400万円代で完成した、親子で暮らすための19坪弱の小さな木の家です。
玄関をかねた土間スペースはお茶の間スペースと建具で仕切られており、建具を開けることでリビングの延長として広く使えるようになっています。

 

さて、こちらの奥様、インドが大好き。
なんども出かけています。インドの民族衣装であるサリーに魅せられ、インドに行かれるたびにアンティークのサリーを少しづつ買い集めておられました。そして、そのサリー生地で小物を作ったショップをやりたいという夢を持っておられます。

makinoki_House外観_古川

夜景外観

この土間スペースは夢を叶えるショップとして使えるように考えています。

 

建物説明に進みましょう。
建物の骨組みは、品質管理された宮崎県産の杉材を使っています。
外壁はガルバリュウム鋼板の波板で、下地は構造用面材も兼ねてモイスを使っています。
断熱材はロックウールです。
室内の壁の仕上げは構造用合板にペンキを塗っています。これで、どこにでも棚がつれるカスタマイズ可能な壁が出来上がりました。構造用合板の木目もペンキの上から見えてなかなかきれいな仕上がりになっています。

 

今回の敷地は準防火地域ですから、窓のサッシュはすべて防火仕様となります。
サッシュの防火認定の見直しが行われ、ようやく新しい認定サッシュが出揃ったところなんですが、以前のサッシュに比べて2倍以上の値上がりとなりました。家一軒分で100万円近い増額になっています。
今回は防火仕様の新しいサッシュを使いながらの1400万円台の木の家ですから、コストパフォーマンスはかなり高いですね。

 

建築DATA

1階床面積 : 9.5坪                〈家族構成〉
2階床面積 : 9.0坪                 夫婦+子供2人
延べ床面積 : 18.5坪(他にロフト5坪あり)     
構   造 : 木造3階建て

 

[家づくりニュース2014年9月号掲載]

Union_Houseについて

Union_House-室内_古川「Union_House」は声楽家のご主人とピアニストの奥様が、お嬢さんと過ごす生活の場であり、お二人の音楽活動の場です。

生活機能は必要十分にコンパクトに設計してリビングルーム兼用の音楽スタジオを作りました。
音楽スタジオに必要な「防音性能」を上げるには、鉄筋コンクリートで作るとか、地下室として計画するのが一番です。
しかし、鉄筋コンクリート造は建物が重くなり、敷地の地盤があまり強くなかったので心配です。
また、地下室は敷地内に湧き水がありましたので地下水対策が大変です。
そこで、木造で音楽スタジオを計画することになりました。

「防音」と言っても低音と高音では対策が異なります。
簡単に言うと、低い音は重い素材が、高い音は軽い素材が効果がありますから、特性の異なる素材をバランスよく組み合わせて防音壁を作ります。
今回は、外壁の下地に「モイス」という重い素材を使い加えて石膏ボードと構造用合板を組み合わせて壁を重くしています。
そこに断熱材である、ふわふわの軽い素材としてロックウールのマットを20cmいれました。
さらには、建物を支える骨組みに音の振動が伝わらないような工夫もしています。
これで、性能の高い防音壁は設計できました。
しかし、これだけではダメです。
録音専用のスタジオでしたら、マイクで録音した音をあとからエコーを掛けるなどの加工をするために音が反響しない吸音性能が必要です。
しかし、演奏者が練習するスタジオでは、適切な響きがあることが必要です。
音楽は楽器が発する音そのものではなくその響きだからです。
響きは防音性能のように数値では計り知れない美しさであり感覚的な世界です。
特にアコースティックな響きを大切にする声楽とピアノではなおのこと響きが大切です。

今回は幅の狭い杉の板を隙間を開けて細い針のような釘で軽くとめることで杉板を響かせて程よい音の響きが出るようにしています。
建物が完成し、ピアノが搬入され奥様に弾いていただきご主人に発声をしてもらうまで、心配で心臓もドキドキでしたが、その日が来て最初の音を聴いた時にほっと胸を撫で下ろすことになりました。
我ながら素晴らしい響きを持った音楽スタジオが完成したと思います。
建て主さんの満足した笑顔が忘れられません。

Union_House-フォールディングテーブル_古川

リビングとしても使う音楽スタジオには普段はしまっておける食器棚を兼ねたフォールディングテーブルを作りました。

[家づくりニュース2013年11月号_掲載]

kotori_House

 ブログに載せた一枚の写真。日本海で見つけた防砂の板屏。杉の木で作られた板の塀は風雨にさらされて綺麗なシルバーグレイになっていました。
 ちょうど設計中だった「kotori_House」の建て主さんから、自分の家の外壁もあんなシルバーグレイになりませんか? と嬉しい反応。板が風雨にさらされて変色してゆくのを木が腐ったと誤解する人もいますが、あれは腐っているわけではありません。紫外線で木の樹脂成分が変色しただけです。
 そこで、信州産のカラマツ板の外壁にUVカットしない撥水剤を塗布することに。写真は完成から1年後の様子です。シルバーグレイまでにはあと数年かかりそうですが、建て主さんはその日を心待ちにしています。

kotori_House_01外壁がいい感じになってきました。お庭の植物も建て物を引き立ててくれます。

kotori_House_02竣工時の様子。真新しいカラマツの外壁。まだまだ寂しいアプローチの庭。

kotori_House_03日本海で見つけた防砂の塀はきれいなシルバーグレイでした。

1 階 : 14.00 坪        〈家族構成〉
2 階 : 14.00 坪         大人 2人
延べ : 28.00 坪         子供 1人
(ロフト: 7.00 坪)

goma_Houseと大谷石

 震災で工事が遅れていたgoma_Houseの現場です。足場がとれたというので行ってみますと、敷地に大谷石が置いてありました。この大谷石はどうしたんですかと聞きますと、市役所からもらってきたんだそうです。

goma_Houseと大谷石

 goma_Houseのある那須烏山市でも3月11日は大きな揺れがありました。瓦屋根の被害も広範囲にあったようです。また、町で多く見かける大谷石の塀にも大きな被害が出ていました。市役所では震災で倒壊、もしくは倒壊のおそれのある大谷石の塀については、市民に二次被害が及ばないように回収作業をおこなったそうです。そして、その回収され積み上げられた大谷石を欲しい人に持って行ってもらうようにしたのだそうです。
 そこで、建主さんもお父さんの協力を得て大谷石を頂いてきたというわけです。重いから大変だったとのこと。ご苦労様です。
 那須烏山のあちこちで見かけることが出来た大谷石の塀が続く町並みは、震災でその多くが姿を消してしまったんですね。でも、こうして、もう一度別の形で大谷石が街に戻ってくるということで、ちょっと救われた気分になりました。ちなみに、goma_Houseでは大谷石を外構に使おうと計画中です。
 そのgoma_Houseも2ヶ月ほど遅れましたが無事に引渡しも終え、新しい生活が始まっています。

goma_Houseと大谷石
goma_Houseは地元の木と漆喰でつくったシンプルな家です。

goma_Houseと大谷石
goma_Houseはイームズの椅子が似合うような家ということで設計を進めました。引渡しの日、さっそくイームズのLCWが2脚並べられていました。