【 水口建築デザイン室 】の家づくり

小田原の家

小田原の家-外観_水口

バリアフリーな平屋から展望のための3階建てのタワーがそびえるような外観。


小田原の家-室内_水口

天井が高く黒い内装とした書庫には古い家のガラス障子やステンドグラスを設置しました。

高齢の母のために息子さんが建てた家です。
ガルバリウム鋼板で仕上げられた少し変わった形のこの家には、脚の調子が良くない母が暮すための平屋のバリアフリーな居住空間と3階の展望室とが収容され、その間をホームエレベーターでつないでいます。
昔、この敷地からも良く見えたという箱根の山波の景色を再び見せてあげたいという建て主さんの強い思いを実現するために設けた3階の展望室は、近接する家の屋根越しに眺望が得られるようにと法的、構造的にも可能な限りの高い位置に設けました。
展望室の外に設けたテラスからは相模湾の海までも望むことができます。

 

3階を高く持ち上げるために結果としてとても天井が高い空間となった2階には、出版関係にお勤めの建て主さんの所持する大量の蔵書のための書庫と、大きな仏壇を置くための仏間を設けました。
書庫の内装は真っ黒に仕上げた上に取り壊した以前の家にあったガラス障子や、新たに大きなステンドグラスをはめ込み、亡き父が使われていた古い机を部屋の真ん中に置いています。
週末には都心で暮らす建て主さんが寝泊りする部屋としても利用されているそうです。

 

建築DATA

敷地面積  : 270.78㎡(81.91坪)          〈家族構成〉
1階床面積 : 66.49㎡(20.11坪)          一人
2階床面積 : 27.18㎡( 8.22坪)
3階床面積 : 14.35㎡( 4.34坪)
延べ床面積 : 108.02㎡(32.67坪)
構   造 : 木造在来工法地上3階建て  

[家づくりニュース2015年4月号掲載]

wedge

wedge-①_水口

上り坂と下り坂が交差する敷地。鋭角に立ち上がった建物エッジが印象的な表情となりました。


敷地は横浜らしい観光スポットのすぐ近くで、観光客などの人通りの多い上り坂と住宅地へと下る急勾配の下り坂が鋭角に交差する三角州のような変形敷地。
公園などの緑も多い風致地区であるため色々な制限も多く、敷地面積を最大限に活かすために建物は敷地形状をそのままセットバックしたような形の地下1階、地上2階の鉄筋コンクリート造の住宅としました。

 

建物の使い方は定住するための住宅というわけではなく、当面は友人を大勢集めてのパーティや週末だけの宿泊などのゲストハウス的な利用として、将来的には建物の住居部分の賃貸住宅への転用や、建物の一部を店舗としても利用できるようになど、かなり複雑な御要望のもとに計画した住宅です。

 

街に対してそのエッジがそびえ立つような杉本実型枠コンクリートの荒々しい外観の建物ですが、少なめに設けられた開口部からは周囲の公園の緑や前面道路の桜並木、横浜の夜景などの眺望がうまく取り入れられてもいます。

 

wedge-②_水口

(左写真)桜並木の上り坂側から見る外観。     (右写真)外階段は住宅部への専用アプローチ。3層にわたる窓は木製建具。

 

建築DATA

B1階床面積 : 50.58㎡ (15.30坪)           〈家族構成〉
 1階床面積 : 50.58㎡ (15.30坪)            夫婦+子供2人
 2階床面積 : 50.58㎡ (15.30坪)           
PH階床面積 : 5.14㎡ (1.55坪)
 延べ床面積 :156.88㎡ (47.45坪)     
構    造 : 鉄筋コンクリート造、地下1階地上2階建て

 

[家づくりニュース2014年8月号掲載]

遠山杉の家

遠山杉の家-外観

(外観)南の道路側の外観。厚塗吹付材と板張でシンプルに仕上げられた2階リビングの家。

高台の住宅地、奥様の実家のすぐ近くで購入された中古住宅を新しく建替えた家です。
南道路の日当たりの良い敷地で、道路の反対側は緑地帯を介して交通量の多い幹線道路が通っています。

地味な普通の家で十分です(笑)とおっしゃる御主人が家を建てるにあたってこだわったのは、御主人が集めた3,000冊ある本を収納できる書架、御主人の郷里の信州の木材である「遠山杉」をぜひ使いたいということ、それとまだ小さな二人のお嬢さんが弾くグランドピアノを鑑賞しながら和室でゆっくりくつろぎたいということ。
対して共稼ぎの奥様の御要望はかなり現実的で、料理と洗濯、物干しの家事動線への配慮と、建物や庭などなるべく維持管理の楽な家として欲しいということでした。

遠山杉の家-内観

(内観) 玄関扉を開けた正面廊下には建物の間口の目一杯に書架が据え付けられています。

早速、家づくりの会の賛同会社であり日本中の木に関して知り尽くしている「木童」さんにお願いして、柱は遠山杉、梁は信州赤松がそれほど割高にもならずに調達できて採用できることに。

建物は南道路側に向かって開放的な2階リビングの構成とし、1階に寝室と水廻り、2階にLDKとピアノ室、和室を回遊できるように設けたオーソドックスな間取としています。
その中に書架だけは建物の目玉的な存在となるべく、建物中心の1階玄関ホールの目の前に思い切り目立つように設けました。その案を見た奥様の要望で御主人専用だったはずのこの書架も一部は奥様用の飾り棚となりましたが…。

その他、実家の家紋を玄関扉の袖ガラスに忍ばせたり、長女の名前の由来の木であるミズメサクラの木をどこかに使いたいということでシンボルツリーとして植えたり、地味に見えながらも最終的にはこだわりが一杯の家となって完成しました。

建築DATA

1階床面積  : 74.52㎡(22.54坪)       〈家族構成〉
2階床面積  : 67.07㎡(20.28坪)        夫婦 + 子供2人
小屋裏床面積 : 19.60㎡( 5.92坪)
延べ床面積  : 141.60㎡(42.83坪)
構   造  : 木造2階建て+小屋裏

[家づくりニュース2013年10月号掲載]

西御門の家

photo:西御門の家
変形旗竿地の長く奥行感のあるアプローチ。

 由緒正しき鎌倉の奥深い谷戸。小さな二人の子供のために、まだ新しい近くのマンションを売って家を建てることを決断された御夫婦によると「東側に見える向かいの山の稜線の眺望が気に入って……」 がこの土地を購入される決め手となったとのことでした。
 土地は南北に長く少し変形した旗竿地で、西側には緑濃い山の斜面が間近に迫っています。建物は敷地そのままに南北に長い家として、建物の中央に設けた大きなリビングダイニングの吹抜け越しに家全体がつながった、とても開放的な家となりました。
 家のどこにいても東には陽の光を反射する向こう側の山の描くなだらか稜線、西には建物に覆いかぶさるほど近くの濃い緑、異なる両面の緑の風景をどちらも楽しむことができるので、太陽の移ろいによって刻々と変化していく廻りの自然の様を楽しみながら毎日過ごされているそうです。
 奥まった敷地であるために、建物自体の外観は街の中ではほとんど目立たないのですが、敷地の長い奥行を見通すアプローチの外構は奥様と一緒になってこだわって、明るい芝生の緑や少し和風な趣の庭、紅葉を楽しむ庭など場所ごとにテーマを変えた植栽を施していて、季節ごとの移り変わりもこれから楽しみです。
 完成後しばらくしてから訪れたとき、とても静かな周辺環境の中で家全体に設けたオーディオシステムから流れる静かな音楽と、その中で過ごすゆったり流れる時間がとても心地よかったことが印象的でした。

1 階 : 18.49 坪
2 階 : 14.52 坪
延べ床面積 : 33.01 坪