【 田代計画設計工房 】の家づくり

あざみ野の家 Ⅱ

あざみ野の家Ⅱ-外観_田代

格子で覆われた建物南面。腐りづらい特殊な木材を使い、近い将来変化するであろう色に塗ってある。


成熟した閑静な住宅街の中に或る住まいで、永らく生活していたSさんが建て替えを決意されたのは家族構成の変化と、夏暑く冬寒い断熱性の低い家に耐えられなくなったからと伺った。
その為、当初から断熱性と空調には気を使いながらの設計となった。

 

壁は従来の充填断熱ながら、特に性能の高い断熱材を使用し、夏の厳しい暑さに対しては屋根面での外断熱で対応している。
庇も充分に出し、直射日光から家を守るデザインとした。
南面の家を囲う格子はデザイン性と共に、外壁面に当たる直射日光から外壁を保護する役目も持っている。
1階には床暖房を使っているが、温水を使ったものではなく、ダクトの中を暖まった空気が流れる北欧のシステムを採用した。

あざみ野の家Ⅱ-室内_田代

作り付け家具を使い、LDにも収納を作った。

これは床下のコンクリートを暖めるもので、間接的に床が暖まり自然な熱環境が得られる。
引っ越し後(丁度寒い時期でした)の印象も良く、工事の時期移っていたマンションと変わらない暖かさだと聞き、ホッとしている。
また配置計画では道路から奥まった位置に建物を配置し、道路側に相当量の植栽を植える事で周囲の環境にも配慮した。
プランニングに関してはいつも通り収納に配慮し、片付いた生活が出来るように細かい工夫を重ねている。
またキッチンも収納と考え、この家に合わせてデザインし家具工事で設置した。

 

建築DATA

地階床面積: 86.40㎡ (26.13坪)          〈家族構成〉
1階床面積: 129.98㎡ (39.32坪)           父、娘(次女)、長女夫婦+子供
2階床面積: 111.79㎡ (33.82坪)
延べ床面積: 328.17㎡ (99.27坪)
構  造:地下コンクリート+木造2階建て

[家づくりニュース2016年5月号掲載]

文京本郷の家

写真:GEN INOUE
文京本郷の家_外観

ファサードに手前に植えた山法師の影が単調な壁に彩りを添えている

この家の敷地は住宅密集地にあり、周囲を3階建ての家に囲まれた、プライバシーの保ちにくい環境にありました。
そこで、周囲に対しては閉鎖的な構造としてプライバシーを保ち、中に光や風を通す中庭を持つ家を考える事にしたのです。

3つの中庭がありますが、ひとつは玄関前の風呂と共有する植栽のある庭です。玄関ホールの前にあり、目線が抜ける事で植栽の見える広々としたホールとなりました。この庭はお風呂からも眺めることができ、季節の良い時は全開するサッシを開ければ、庭を見ながら半露天風呂的な使い方もできます。(もちろん互いの目線は独立したものとなっています)
もう一つはLDKに繋がるこの家で一番大きなバルコニーです。大きさは約12畳程あり、リビングとつなげて使うと開放的な明るいアウトドアリビングとして更に有効です。他人の目線を気にせず光や風をリビングに取り込むスペースとして大きな役割を果たしています。

文京本郷の家_室内

大きなバルコニーが隣り合うLDKを見る

最後は家事室に隣り合った物干としてのバルコニーです。時として洗濯物は見せたく無いものですが、ここなら誰の目にも触れず、太陽の元しっかり干すことができます。

また収納には徹底的にこだわり、随所に使い勝手の良い収納スペースを用意しました。
他にはキッチン・洗面所などをいつものように既成のものではなく造作で設けています。
        

建築DATA

1階床面積 : 60.45㎡           〈家族構成〉
2階床面積 : 50.15㎡           大人 2人
延べ床面積 : 110.96㎡(33.6坪)     子供 1人
構   造 : 木造2階建て

[家づくりニュース2013年2月号掲載]

新丸子の家

題名が示すように、この家は私が今まで設計したなかでも事務所から一番近い家です。なんと歩いて数分、ラッキー!!

 クライアントはスコットランド人のご主人と日本人の奥様。さらに男の子2人。ご主人は全く日本語が話せませんでしたが、奥様の助けとブロークンイングリッシュで何とか乗り切りました。ご主人曰く、自分の英語(なまり強し!)でアメリカ人とコミュミケーションするのはかなり大変だそうです。ちなみに今までに私のクライアントで外国の方は、中国人の奥様、イタリア人の奥様、アメリカ人のご主人、中国人のご夫婦などがいらっしゃいました。

 さてこの家に関しては打ち合わせの初期でとても驚くことがありました。どのような外観の家がお好きか というようなお話だったと思いますが、ご主人がi-podで撮られた写真を私に見せて、「こんな家が好きだ」とおっしゃる訳です。見せていただくと私が設計した家が映っています。当然私のHPを調べて(どうやってか分かりませんが・・・)写して来たのだろうと思いました。でも話をするとそんな事は全く知らず、道路を走っていて気になったので撮ったとの事(その家も駅で3つ位の場所ですが)。僕は思わず得意の英語でいいましたね。You’re kidding!(冗談でしょ?!) だってそんな事あり得ます??? いくら駅3つ位の範囲と言ったって家の数は???? その中から私の設計した家の写真を撮るとは! その瞬間これはもう運命的な出会いだと確信しました、お互いに。おかげでその後は私の提案をほぼそのまま受け入れて下さり、とてもスムーズに設計が進んだことは言うまでもありません。

 近隣商業地域の防火地域だったため木造で作る事が出来ず、コンクリート造か鉄骨造の選択肢しかありませんでしたが、地盤が悪かった為コンクリート造はあきらめ鉄骨造3階建てとなりました。2階のDKがこの家の中心で、シェフになれそうな腕前のご主人が一番好きな空間にもなりました。去年の1月に初めてお目にかかり、今年の7月に引き渡したばかりのまだほやほやの新居です。

新丸子の家
好きだ! とおっしゃった家に似ていると言えば似ていますが・・
やはりこれはRさんの家です。

新丸子の家
2階のDK。いつものようにキッチンは作り付けで、
背後にはキッチンと共材の巨大な収納を作りました。