【 結(ゆい)設計 】の家づくり

二人の小さな家

「二人の小さな家」室内_藤原

[室内]東南コーナー窓


「二人の小さな家」外観_藤原

[外観]二階角が窓です

夫婦二人のための小さな終の棲家です。

 

総二階、延床面積21・5坪の中に、将来用ホームエレベータースペースの押し入れがあり、階段含めて広さ10坪の居間食堂では、少し狭苦しい感じがします。
そこで広がりをつくり出すために、東と南に単独の窓を設けるのではなく、二階の南面の東西の両角を窓にしています。
耐力は中央の壁で担います。
コーナーを窓にすることで、両角が開放され、空間が拡大して感じられます。
二人の小さな家-平面図_藤原その上で、空間ボリュウムも大きくするために室内は勾配天井とし、中央部を高くし、下り天井面をそのまま、1m跳ね出した軒裏天井に連続させ、部屋が外部まで延長されてあるように見せます。

 

小さくても開放感があり、春には窓外の並木道の桜が窓いっぱい目に飛び込んできます。

 

建築DATA

1階床面積 : 35.54㎡(10.75坪)           〈家族構成〉
2階床面積 : 35.54㎡(10.75坪)            夫婦
延べ床面積 : 71.07㎡(21.50坪)     
構   造 : 木造2階建て

[家づくりニュース2016年4月号掲載]

方円汎居(ほうえんはんきょ)

撮影:齋部 功

方円汎居-室内_藤原

居間からダイニングと中庭をみる


方円汎居-外観_藤原

カーポートから玄関への階段

この家の完成は実は三年ほど前です。
昨年ようやく、一階が当初思い描いていた通りになり、順調のようなので、あえて今月の家に出すことにしました。

 

私たち住宅設計者の役割は、依頼者の個別の条件に合わせて、その方固有の住宅を考えていくことです。
しかしこの家は逆のアプローチを経ています。
中高層住宅がスプロール的に開発されて行く環境の敷地に対して、生活を守って行くために、どんな居住者にも当てはまる戸建ての住宅はどうあり得るのか、という点から考えてみました。
道路より低い敷地故に、湿気と集中豪雨の際の被害を避けるべく、居住スペースは一層持ち上げ、その分の費用増はそこで収益をあげられるように、最初は貸ロッカー、ゆくゆくはカフェに、と計画しました。
また周囲の中高層住宅からのプライバシイー確保のため、中庭を設け、自分の家の屋根越しの陽射しが、終日入る寸法の大きさで、形状も丸くしました。
他の、間取りや仕様、ディティール等も、個別性より、住まいとして必要なものを、原則誰にも無理なく受け入れられる在り様を意識し、細部をあまり決め込まず計画しました。

 

本来普通の形態のはずが、結果として、周囲に対し、極めて固有な存在になってしまいました。
居住スペースの下の一階は、最初貸しロッカールームとしていましたが、今はその一部を、当初の予定通り、自らが運営する、手作りパンも販売するカフェにされています。
夜は家族の生活を優先し、閉めているのに、一、二週間以上も前に予約が必要な程、盛況のようです。

 

建築DATA

1階床面積 : 50.26坪            〈家族構成〉
2階床面積 : 47.37坪            夫婦+子供2人
延べ床面積 : 97.63坪     
構   造 : 二階建て(1階鉄筋コンクリート造/2階木造)

[家づくりニュース2014年6月号掲載]

古い形の新しい家

 昨年末に内覧会を催した家です。実は、建主さんが設計者としての私を知ったのは、母屋のリフォームに来た大工さんの紹介です。その大工さんは、私が十年前に設計した住宅の工事に来ていた職人さんで、現場で一緒に建築の議論を楽しく交わしたことを、私も覚えていました。
 屋敷内の母屋に住む建主さんのお母さんが、いい大工さんなので是非娘の家もお願いしたいと声をかけたところ、設計者の私を薦められたのでした。その後娘さん夫婦がホームページを見て、最初は工事費が高いのではとためらったそうですが、話を聞くと、色々なことが考慮され、長期優良住宅の助成金の活用などもあり、それほどでもないことを分かって頂いたようです。
 これまで工務店に建主さんを紹介されたことは何度かありましたが、全くの渡り職人で、しかも十年以上も前の大工さんから推薦されたのは初めてでした。

古い形の新しい家
内観。引き込み障子を開けると敷地の庭に面する。

古い形の新しい家
コーナーをガラスとした浴室の出窓。

古い形の新しい家南外観。入母屋の大屋根で採光を確保。

古い形の新しい家御影石アプローチと大きく張り出したポーチ。

五枚屋根の家

閑静な住宅地の角地に建つ住宅です。道路面は低い軒先による水平線を作ることで周囲への圧迫感を抑え、車庫、廊下、居間、2階建て部とレベルの違う屋根面を徐々に重ねて行くことで奥行き感を与えました。プランは広々とした中庭を中心にしたコの字型ですが、大きく開いた南面のプライバシーを確保するために、中庭より80cmほどレベルを下げた低い屋根の駐車場で通りからの視線を遮りながらも居間からの視界を極力妨げない断面構成としました。各室からの景色は、中庭だけではなく通りからセットバックした部分を小さな庭として見せることで単調にならないよう配慮しました。また、廊下沿いに設置された水盤のゆらぎの反射光や居間とパウダールームに設置された特製のステンドグラスから透過する光が時間の移ろいを演出してくれます。