【 studio A(アー) 】の家づくり

浜松の家

今回紹介する家は少々変則的な形での紹介になります。
できたばかりで、まだちゃんとした写真がないんです。
模型写真と実際の建物の写真がありましたのでそのお話をしたいと思います。

浜松の家_諸角

1/50の模型。色を決めるため色紙を貼ってどのようになるか
シミュレーションする。

浜松の家_諸角

実際にできた空間。模型と比べて大きな違いのないことが分かる。
これは設計者にとっても建て主にとっても大事なこと。

私たちは仕事を進めていくとき、よく模型を使います。事務所によって様々ですが最初の打合せでは1/100程度の縮尺で、その後1/50、場合によっては1/20の模型を作ることもあります。模型を作ると言うことは我々が空間を把握するためだけでなく、やはり建て主によく理解してもらうために作ることが多いのですが、今回紹介するものは色を決めるときに使った模型です。縮尺は1/50です。
大きな空間の中にいくつかの小さな箱(部屋)が位置される構成なのですが、各部屋をみな同じ白っぽい色にした方が良いのか? 色を変えて小箱を強調した方が良いのか?

頭の中で考えていても分かりにくいので1/50の模型を作り、各小箱に色紙を貼って色々と確かめてみました。その確かめている時の様子が、右側上の模型写真になります。
実際にできたのが右側下の写真です。
大体模型のイメージ通りにできているのが分かると思います。

模型だけではなく3D-CADを使うこともありますが、studio Aではこちらは空間の構成を確かめる用途ではなく、日照のシミュレーションでもっぱら使っています。
夏や冬にどのくらい室内に日照が入るのか? また入ってこないようにするためどのようにすれば良いのか、など検討するときに使います。
模型写真の左側に見える白い壁は外部にある袖壁になりますが、これは西日を避けるために設けたもので、下の方に空いている正方形の穴はサンルームに日が入るように開けたものです。CADを使って壁の出や穴の大きさを決めました。

模型やCADを使うことで、今まで勘や経験に頼っていたものをより正確に設計できるようになり、快適な住宅づくりに役立てています。

建築DATA

1階床面積 : 25.4坪           〈家族構成〉
2階床面積 : 17.0坪           夫婦
延べ床面積 : 42.4坪     
構   造 : 木造在来工法2階建て

[家づくりニュース2013年5月号_掲載]

家ではなくてガレージと倉庫

 熱海に別荘を設計しました。といっても正確には別荘に付随するガレージと倉庫です。別荘は道をはさんだ反対側にあります。以前この土地は林だったのですが、地主が木を全部抜いて造成してしまい、それに危機感を感じた施主が土地を買い取り自分の別荘の周りの環境が悪くならないようにしようと考えたのが事の始まりです。母屋にもガレージはあるのですが、もっと余裕のあるガレージにしたいという事情もありました。
 6年前に建てられた母屋の別荘。実は私の設計ではありません。大学の先輩でもある内藤廣さんの設計です。内藤さんが別荘を造り、私はガレージと倉庫?でも母屋で設計の打合せをしながら意外と楽しく仕事をさせてもらいました。
 敷地は約250坪と広いのでどこに配置すればよいのかから始まり、残りの部分をどのようにするか?限られた予算の中で試行錯誤した結果が写真の通りです。ガレージは敷地の奥に配置し、残った土地はできる限りもとの林のようにしようということで話が進み、植える樹木は熱海から箱根の植生を参考に決めました。 予算の関係で小さめの苗木のような木が多いのですが、10年後には立派な林になると思います。
 余談ですが箱根は色々な種類の樹木が生えており、その多様な木の特徴を生かして箱根細工という工芸品が出来るようになったのです。何となく見ているお土産品ですが、ちゃっかりと設計に使わせてもらいました。

家ではなくてガレージと倉庫①_諸角 敬箱根の多彩な植生を参考に植えられた苗木。

家ではなくてガレージと倉庫②_諸角 敬1階はRC造、2階木造部分の外壁は母屋と同じ角波板鉄板と一文字葺きの組み合わせ。

視覚障碍者の家

光、風、風景と一体となった住宅を目指して

都心に近い住宅街ではなかなか遠景を楽しむことが難しくなってきています。そのような建て込んでいる敷地の場合リビングの南側を吹抜けにして大きなガラスをはめ込むことによって、少なくても上半分は空に向かって開くことが出来ます。 というわけで遠景が望めない時は、studio A では開口部を空に向かって開きます。空の景色を眺められるだけではなく冬、隣の家の屋根越しに日照を得られ、暖かいリビングを確保するのにも有効です。
 この家の引っ越しがあった日の夜中、突然電話が掛ってきました。何か不具合でもあったのかと思ったのですがさにあらず、夜空の満月をリビングから楽しんでその感動を分かち合いたいと言うことでした。一安心するとともに、風景を取り込んだ家を日頃から 目指している私は嬉しくなりました。

視覚障碍者の家
安全を確保しながら夜間でも開け放したまま通風の確保できる細長窓が並ぶ外観。

視覚障碍者の家南側吹抜を通してみる景色。
下半分は隣家が迫るが上半分に空は大きく開けている。

視覚障碍者の家
寝室への通り道に防音室の書斎があるが、机の周辺は 更にアルミサッシで静寂性を確保している。右の窓はリビング吹抜けに通じる。

視覚障碍者の家
広いリビングの真ん中に板二枚分だけ仕上げをうづくりにしたフローリングを貼り、足の裏で居場所を感じられるようにした。

視覚障碍者の家
南側に並ぶ諸室左から子供室、台所、リビング、バスルーム。