【 TAC濱田建築設計事務所 】の家づくり

横浜近郊の家

小高い丘を臨む2階リビングダイニング。

都心から私鉄で約一時間。電車に揺られて行くうちに、コンクリートだらけでモノトーンに見えた車窓にも、ちらほらと緑が目立ってきます。この住宅は、そんな場所にあります。はじめてこの敷地を訪れた時、前面道路を挟んで南側正面の小高い丘が何と言っても印象的でした。都心からこんなに近くに、こんな自然豊かな場所があるのか! という驚き。大変個性の強い敷地に、心ひそかにプラン造りが楽しみになりました。

春には新緑に輝く木々に小鳥がさえずる窓。
夏には緑深く木々が夕立にざわめく窓。
秋には紅葉した木々から静かに葉が舞い落ちる窓。
冬には青い空にそびえ立つ木々がまぶしい窓。

四季折々、様々な色に変化する大きな窓を造りたい。
晴れの日も、雨の日も、すぐそこに自然を感じる大きな窓を造りたい。
この思いを根幹に練り上げたプランです。

小規模でもできる限り広々と感じられるダイナミックな空間を実現するために鉄骨造とし、不要な柱をなくし、動線を限りなくシンプルにしました。こうして小さいながら広々と感じられる開放的なリビングが完成しました。出来上がった大開口からは、もちろん前面に小高い丘が臨めます。
ともすると固い印象になりがちなサッシの窓枠に、十字型にしっかりとした木製の枠をつけることで、窓にダイナミックでありながらやさしい表情を加えました。
今頃は、澄み切った青空から秋の日差しが降り注いでいることでしょう。
設計を始めて早30年以上の時が過ぎましたが、この先もまた新たな挑戦を続けていきたいと思います。

1 階 :12.00 坪    〈家族構成〉
2 階 :18.00 坪     大人 2人
延べ :30.00 坪     子供 1人

府中の家

大黒柱
 3・11のあの震災から二ヶ月後に竣工したこの建物は、工事中に大きな地震や数々の余震を体験しましたが、大黒柱に荷重を集中させることで構造体に重心が生まれ、建物全体が一体化した骨組みになり、耐震上もバランスの取れた安定を保っていました。また、大黒柱の存在感と安心感が、末永く年輪を重ねるであろう住まいへの愛着を生み出してくれるのです。大黒柱に沿うようにゆったりとした階段と広く使いやすい通路スペースが続き、屋根の形状をそのままあらわした船底天井の広くて明るい2階の空間へと展開します。

多彩な収納スペース
 造り付けの家具や床下収納などバリエーション豊かな収納スペースや収納のための仕掛けを、建物の随所にみることができます。2階床下にはデッドスペースを利用した大容量の収納があるのですが、この仕掛けは床下のメンテナンスにも役立ちます。その他、書斎を兼ねた納戸スペース、クローゼットやキッチン廻りの収納、トイレの小さな家具はそれぞれに生活上の細かな要望に答えているのです。

土間を生活に取り込む
 かつての日本ではよく見かけた土間を生活のなかに取り込むことは、住まいの動線を豊かにしてくれます。玄関から続くタイル貼りの土間スペースは、外部空間と連続して光と風を心地よく取り入れられるように工夫しています。敷地形状に合わせた変形のプランもまた豊かな動線を生み出し、建物の多様な表情をみせてくれます。

角地を活かす
 東南角に立地するこの敷地は、その形状を利用して明るくワイドな開口面をもつことが可能になります。反面、道路からの目線や開放性に対するプライバシーへの配慮が必要になりますが、外構やプランニングの工夫によって、それを解決することができます。ここでは1階のワイドな開口面からの採光と通風を十分にとりながら、優しい木目の外構が周囲からの目線を遮断し、プライバシーの確保を実現しています。

photo:府中の家_01
この住まいの一番広い空間である、2階居間・食堂スペースから階段室を臨みます。屋根の形状をそのままあらわした船底天井には、放射状に照明を配置しました。

photo:府中の家_02
玄関から続くタイル貼りの土間スペースは、外部空間と連続して、光と風を心地よく取り入れられるように工夫しています。