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[ 住宅-008 ]
北白川の京町家リノベーション

住宅文化部門

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戦前に建てられた京町家のリノベーションです。京都市には現在約47000件の京町家が残っていますが、建替えのために解体されて消滅していく町家が跡をたたず年間2%ほどの京町家が消滅しています。京町家は、日本の伝統木造工法をもち、長年の歴史の中で洗練されてきた生活文化を現代に伝える文化財として、今後も継承されていく必要があります。

とはいえ、伝統的な姿にもどすだけでは、今の私たちの生活習慣や感性に合わずに、結局、愛着をもって長く住み続けてもらえないことにもなりかねない。そこで、この家では伝統的な真壁の空間に英国製の壁紙を取り入れたり、ヨーロッパ製のビンテージの照明器具を取り入れるなどし、モダンデザインに慣れ親しんだ人々にも親近感を感じてもらえるような住空間を目指しました。異なる文脈をもったデザインをミックスすることで、京町家の多様性の幅を広げ、日本の伝統文化を多くの人に見直してもらうことに貢献しています。

このリノベーションは、京町家再生を事業の柱にしている不動産会社とのコラボレーション・プロジェクトです。

約3畳の小部屋が突き出した脇を玄関までアプローチが伸びています。外壁はしっくいと腰にはスクラッチタイルを貼りどこか懐かしさを感じる外観としています。素材や仕上がりを丁寧に吟味することで、小さいながらも上質な住宅へと生まれ変わりました。

右の丸窓は既存の開口部を生かし、ふちをしっくいでR状に塗りまわしています。外壁側に鴨居と敷居を取り付け引き分けることで建具を開けると白い壁にぽっかりと丸い穴が開いているように見えます。丸窓と四角い窓を開けることで、禅寺の悟りの窓と迷いの窓を連想させるデザインにしています。

1階のLDKは奥に坪庭があり、そこに向けて大きな開口をもつ浴室と洗面脱衣室は明るく開放感があります。坪庭は小さな植栽スペースを残し、大半の床面はタイル張りとすることで、椅子とテーブルを出してくつろげるような室内と一体的に使える庭にしました。

一部の既存の収納内部には、イギリス製の壁紙を貼り、戸を開けると細かい魅力的な柄が見えるようにしました。おしゃれな人が上着の裏地にもこだわるような心持で、遊び心のあるデザインとしました。

建設地
京都府京都市左京区 
敷地環境
市街地
構造
伝統木造
階数
2階
敷地面積
68.85㎡
建築面積
46.65㎡
延べ床面積
73.86㎡
工事費
非公開
家族構成
未定
居住者の年齢
未定
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