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[ 素材-010 ]
海から収穫された杉材によるリノベーション

素材ディテール部門

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鎌倉における築70年を超える古家のリノベーションのプロジェクトです。リノベーションをするにあたり、主に「海から収穫された杉材」を使用しています。「海から収穫された杉材」とは、横須賀佐島沖に浮かぶイワシ畜養のための生け簀に使用されている5寸角の杉材(神奈川県生材)です。この杉材は5年から6年、生け簀の浮きとして使用され、その後、陸に引き上げられ、古材として湘南を中心に流通しています。この杉材をアプローチ、玄関土間や脱衣洗面室、浴室の床、天井、ロフトの床、大黒柱に使用しています。

鎌倉IS-Houseと名付けられたこのプロジェクトは、湘南地域で連綿と続く海の文化とその恩恵として生ずる杉材のリサイクルの試みである一方、敷地擁壁に残るブラフ積み(フランドル煉瓦積みのような意匠による擁壁)による大谷石の意匠をデザインの中に取り込みながら、神奈川の記憶と鎌倉の景観を踏まえたリノベーションを実現しています。

玄関土間から内部をみる。

土間は「海から収穫された杉材」をブラフ積みのリズム(デザイン)で敷き詰められています。
奥に見える大黒柱もこの杉材を使用し、交換されたものです。

ロフトをみる。

既存の小屋組に手を付けず、ロフトを挿入しています。よって、レベル差の異なる4.5帖程のロフトが二つ完成しています。
ロフトの床には、杉材を二つ割りしたものを使用しています。
小屋組は既存のものに一切手を加えることはしていません。

アプローチ、玄関廻り。

アプローチに使われた杉材は、既存の排水マスを隠すようにデザインされています。
白く塗られた腰壁は以前のオーナーが白色を塗ったもの。その色も引き継ぎ、新たなオーナーの自力により白く塗装されました。すべてに手を入れるのではなく、風化した外壁はそのまま残されています。

内部LDKから鎌倉の海を望む。

「海から収穫された杉材」に合わせて、壁、床には杉材を使用。壁の杉材はスチールのタッカー留めとしています。完成時には目地をとらずに留め、経年変化により杉材が収縮し、目透かし貼りとなるように計画しました。現在、およそ3ミリの目透かしに変化しています。

建設地
神奈川県鎌倉市 
敷地環境
海浜近郊
構造
木造
階数
2階
敷地面積
282.31㎡
建築面積
60.87㎡
延べ床面積
60.87㎡(ロフト含まず)
工事費
800万円台
家族構成
ご夫婦2名
居住者の年齢
30代
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