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[ 再生-008 ]
時を重ねる家3

再生部門

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古建具や古材を新築住宅にとり入れ、色味や質感などを丁寧に吟味し、新しいものと古いものとが調和した住空間をつくりました。時を経て、経年変化をした素材の表情は、傷や汚れはあるものの、それもまた味わいの一つとして生かすことで、新しいものだけでは醸せない落ち着いたどこか懐かしさを感じる雰囲気をつくり出せます。写真は、かつて座敷の書院格子として使われていたものを、玄関扉脇のFIXガラスの手前に立て込みました。着脱可能なディテールを原寸図を描き納めています。古材をリユースすることは環境負荷を減らす意味もありますが、「今ここにあるものを生かす精神」は、過去を否定し新しさこそ価値があると信じてきた、あるいは信じ込まされてきた消費社会のありかたに一矢を投じる批評的な意味があると考えています。

階段室の空間はしっくい塗りの壁・天井と杉板張りの天井とが組み合わされており、板張りの天井は一段低くなっています。天井板の端部を45度にカットすることにより、天井面が薄く軽快に見え、空間の伸びやかさとシャープさを演出しています。木製サッシの窓から入る光が、やや鏝跡を残した仕上げの壁に拡散し、光の「たまり」を生み出し、やわらかな心地よさのある動線空間をつくりました。

外から帰ったとき、最初に手に触れる引き戸は、かつて倉で使われていた古建具。ケヤキの格子戸で、ここを開けて入ると庭に通じる土間スペース。ガラスは無いので風の通り自道でもあります。自転車置き場としても、日曜大工などをする場所としても使えます。
古建具の脇の格子は新しくつくったもの。古材に色味を合わせて塗装して、古いものと新しいところが違和感なく調和しています。

玄関を入ってすぐに広々とした畳敷きの空間があります。一階には家族それぞれの個室があり、この畳敷きの空間から個室にはいれます。個室で一人になって集中したあとに、畳の間に出てゴロリとくつろぐこともできますし、子供の友達が来たときは広い遊び場としても重宝します。

トイレのドアにも古建具を使用。建主さんと古道具屋さんに行って購入してきたもの。手洗いカウンターにもラワンの古材を。枠や収納扉も古いものに合わせてラワン材を用い、色味を揃えるように塗装して、新しいものと古いものが違和感なく共存しているようにしました。

建設地
東京都杉並区 
敷地環境
市街地
構造
木造
階数
2階
敷地面積
1732.19㎡
建築面積
84.00㎡
延べ床面積
154.51㎡
工事費
非公開
家族構成
夫婦+子供二人
居住者の年齢
40代
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