NPO法人 家づくりの会 ホームページへ
家づくり大賞トップへ

[ 再生-012 ]
cow house

再生部門

FavoriteLoadingお気に入り保存

cow houseは築後100年の元「牛小屋」である。その後、長屋として使用され、役目を終えたあと25年ほど放置されていた。取り壊しを予定していたが、周辺環境の変化があまりに速いなかでなにひとつ変わっていないものは逆に貴重に思われ自邸として改修に踏み切った。構造補強、素材の選定など課題は多岐に及んだが、この建物のもつ記憶をよみがえらせ継承していくことを一番のコンセプトとした。できるだけ素材を復旧し、揃わない材料は現代のものに置き換え一間離れた母家との隙間だった露地を現在の時間軸として増築し、大正・昭和・平成を繋いだ。100年前からこの場所を見つめ続けてきた元「牛小屋」は地域の証人としてこれからも生き続けていく。

着工前南側外観
既存外壁の焼杉下見板張りを徳島県産杉厚み18mm本実張り無塗装に置き換えた。前面道路から見て手前と奥の高さの違う二棟で構成される建物で、手前が元牛小屋、奥が長屋として建てられた。右側が昭和元年生まれの母家。

内部より玄関を見返す
右側が牛小屋内部(リビングルーム)、左が母家との間の通り露地だったところに増築した部分。50歳を目前に控えた頃、むき出しの丸太梁や朽ち果てかけた土壁を見て衝動的に保存を思い立った。生まれる前からあった建物で、しかも解体して新築をしようと思っていたのにもかかわらず......。年齢によって心の琴線にふれることって違うんだなぁ、と実感。

元牛小屋棟と元長屋棟の間にあった露地部分。
南北に細長い建物なので採光が乏しいため屋根をポリカーボネート折板で葺き小さなアトリウムとした。寒い季節になると昼夜をとわずこの場所に人が集まってくる。ちなみにこの家は屋根にスタイロフォームを入れてあるだけで壁面土壁で断熱材を使用していない。開口部は一部のみアルミサッシュを追加し、基本的に当時の木製窓をつかった低断熱低気密住宅。アナログ健康住宅であるが以外と大丈夫。

リビングルーム〜増築部〜母家の続き和室を見透す。
牛小屋だったリビングルームの木部(柱・梁・天井野地板等)は雑巾がけ清掃のみ、壁は竹小舞と土壁を復旧し本漆喰左官仕上げとした。床は杉フローリング無塗装。それに対して増築部は壁・天井EP塗装、床を磁器質タイル600角貼りとし、時代を反映する対比を表現した。

建設地
徳島県徳島市 
敷地環境
近隣商業地域
構造
木造(伝統貫工法+軸組工法)
階数
2階建て
敷地面積
620.59㎡
建築面積
 99.35㎡+136.01㎡(母家)
延べ床面積
131.84m2+179.71㎡(母家)
工事費
25,000,000円
家族構成
夫婦(母家に両親)
居住者の年齢
夫51歳・妻45歳
FavoriteLoadingお気に入り保存