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[ 作り方-005 ]
美浜の家~外国人が日本で暮らすということ~

作り方部門

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日本で暮らす
世界を巡ってきた外国人芸術家の男女が
日本で出会い夫婦となり、子供を儲け、家庭を築き
彼らの活動趣旨である「大地に根付き、自然と共に」
そして「日本で暮らす決意」に応え、6年の歳月をかけ建てた家です

大地を痛めず 樹を伐らず
開発分譲された街に残された
樹々が生い茂る高低差8mもある敷地を選んだ家族は
樹を伐り、地形を人工的に変えていく、近隣の風景に心を痛めた
そんな彼らが出した条件は
「土地の起伏はそのまま、既存樹は伐らない」
その想いを胸に敷地に何度も共に立ち、光と風を感じ
家の配置、向き、形を決めました

馴染む姿
敷地高低差をそのまま活かした家は
2階建ながらも、平屋のように伸びやかで
樹々に埋もれ、大地に馴染んだ姿となりました

日本を想う
日本に住む決意に応えるために提案した家は
日本らしく土壁や自然の木
そして職人さんという存在を尊重した家づくりを提案し
外壁は周辺地域の古い漁村に倣い黒い板張としました

外部に面して
大きな開口
深く張り出した軒
そして、広い縁側を設け
外部と内部の繋がりをつくりました

来客の多い家族のため
いつでも誰でも集まれる場を設けながら
平面を「くの字」に曲げる事で
奥行感を生み、見通せない場をつくり
みんなの集まる場と家族の繋がり、そして私的な場を両立させ
家族のゆとりと、個人の安らぎをつくり出しています

敷地高低差を利用したスキップフロアの間取りは
みんなの集まるリビングとダイニングから
間仕切を設けず
上へ上がると子供たちの部屋
下へ降りるとアトリエ
さらに奥へ進めば主寝室にお風呂と
ワンルームのように
ズルズルと繋がる空間は
奥へ奥へと進むほど
私的な空間になるように構成しました

アトリエは、集中できる静かで
トップライトからの光だけが
時間と共に移ろい、自然を感じる空間をつくる予定でした
しかし!
壁の施工直前に
彼らから送られてきた画像に絶句
そこには、理解不能?なスケッチが!

工務店さん、左官屋さんと共に
頭を抱えましたが
彼らの「ここだけの空間をつくろう!」との情熱に
関わる人の心は解かれ、惹かれ
お施主さんと共に土壁でつくりあげました
タイトルは「五大」
天地創造を意味する壁となりました

外国人が日本に住むという事は
想像以上に困難な事が待ち受けていた
固定資産取得、ビザ、円相場に税金など
その全てを乗り越えた家族は
工事用道路や庭を仲間、地域住民と共に造り
そして「五大」という壁さえ自ら造り上げた
汗をかき必死で手を動かす姿に
俺ならこうする!道具もって来てやると
頑固な職人さん達も自然と加わり
共に埃に塗れる光景は
ただ合理的に建築を建設するだけでなく【家づくり】という本当の意味を感じた

建設地
愛知県知多郡美浜町 
敷地環境
開発分譲された一画に残された、林野地
構造
在来木造
階数
2階建
敷地面積
629.57㎡
建築面積
98.98㎡
延べ床面積
113.55㎡
工事費
2800万円
家族構成
父・母・長男・長女
居住者の年齢
40代
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