[ 素材-007 ]
『雲渓庵』 実験的な開口部の納まりと茶室のようなしつらいのある家

素材ディテール部門

FavoriteLoadingお気に入り保存

親子二世帯4人の家族が住む小さな3階建ての長期優良住宅。構造的には2階建で3階は屋根裏のような空間。町並への配慮と耐震性を考慮。鳥取の智頭杉を主体に14種類の無垢材をもちいて、真壁と大壁を混在させ、カジュアルに仕上げている。設計者の一人の自宅兼アトリエということもあり、開口部の納まりをそれぞれ変えて実験的な試みをしている。各所に茶室を思わせるしつらいを取り入れた遊びをとりこむ。

 1階のリビングルーム。杉のたいこ梁は曲面鉋で表面を荒らし、木目が面白い表情をみせる。独立柱は欅の6寸角。斑がはいっていることで、工務店の木場に永く眠っていた材を使わせていただいた。カドを曲面鉋と鑿で落とし、カジュアルに仕上げている。梁・柱の施工には施主が参加。2枚に剥いだ天板とアイアンの脚をもつテーブルはフレキシブルにアレンジできるオリジナル。座卓の高さにも変化する。

 2階の窓はすべて、ひきこみ窓の納まりとしている。既製品の4枚(または2枚)引き違い窓の片側を戸袋内に納めることで、ローコストな既製利用の引き込み窓を造作。ルーバー付きの雨戸+網戸+アルミ樹脂複合サッシ+障子の4種類がすべてひきこまれてフルオープンとなる。夏場も雨戸+網戸でエアコンなしで凌げる風通しのいい寝室となっている。壁・天井ともエクセルジョイント下地の漆喰仕上げ。

 3階への階段。中間期はオープンな吹き抜け階段だが、空調が必要な時期には冷気・暖気が逃げないよう折りたたみ式の障子で個室化することができる。扉は茶室のにじり口をイメージした木戸。(からパネル)3階畳コーナーは来客時には客間となる。

 3階には床(からパネル)に炉を造作。未使用時には炉縁を外し、パネルの蓋でフラットに。埋込み設置の丸炉は古い住宅の解体時に譲り受けた真鍮製の「手あぶり火鉢」。壁は漆喰刷毛引き仕上げ。屋根の傾斜を利用した収納部には、壁と同じ仕上げのスライド扉をつけた。窓はすべて既製のアルミ樹脂複合サッシだが、内部に木製の格子けんどん網戸(蚊帳生地)をつけることで、木製サッシのように仕立てている。

建設地
埼玉県ふじみ野市 
敷地環境
住宅地
構造
木造
階数
3階建
敷地面積
88.69㎡
建築面積
49.19㎡
延べ床面積
123.85㎡
工事費
非公開
家族構成
親世帯夫婦2人、子世帯夫婦2人
居住者の年齢
80代、70代、50代
設計者名(事務所名)
大嶋 信道 + 黒沢 ミユキ(大嶋アトリエ+アトリエビーツー)

図面

FavoriteLoadingお気に入り保存