[ ローコスト-007 ]
村の2階+街の1階=「郊外のベーシック」をデザインする。

ローコスト部門

FavoriteLoadingお気に入り保存

住宅を建築単体ではなく、立地環境(風土)との関係から考える。

この住宅の立地環境は、戸建て住宅が建ち並ぶ新興住宅街の開発分譲地であり「街的」である。また一方で、近隣には従来の農風景が広がり「村的」でもある。新しい区画や車道がつくる「街」の効率的な環境と、畑や空が広がる「村」の素朴な環境が唐突にぶつかり合うハイブリッド環境である。これはまさに、現代の地方郊外のリアルな姿の1つである。

「街」とも「村」とも上手に付き合える住宅の在り方を計画することが重要である。

 

この考えから、

「村と上手に付き合う2階」+「街と上手に付き合う1階」

というデザインを指針とした。

 

また、「何を指針とするか?」を見極めることはローコストにもつながる。指針を明快に整理し、シンプルで潔い空間構成を採用することで、ローコストながらも立地環境や建築主の特徴や特異点を反映した豊かな住宅を実現する、そんな思いを形にしたプロジェクトである。

「村と上手に付き合う2階」の作法。
2階は間仕切壁や廊下が一切無い「潔く簡素」な「1フロア1ルーム」。各方向の壁には大きな窓がある。この2階の各窓からは周囲の畑や空を悠々と望むことができる。また、床面積が小さい住宅ながらも大きなLDKを計画することで、LDKには建築主が熱望していた大きなオープンアイランドキッチンや来客をもてなすグランドテーブルをゆったりと設けることが実現した。

2階の窓は地面から高い位置にあるので、隣合う道路とのプライバシーを保ちつつ「村」への開放感を生む。たっぷりとした光や風、遠くまで広がる眺望、、、そんな「村」の「穏やかさ」を大いに住宅内に取り込むことを意図している。

「街と上手に付き合う1階」の作法。
1階は街(隣接する道路)に対するプライバシーを確保しつつ、庭に向けて開く構成である。
1階にはLDK以外のすべての部屋がレイアウトされている。庭へ直接出入りできる各個室、すぐ隣合う道路側に対し高窓をもつ水回り、将来の生活スタイルに応じて柔軟に用途変更や部屋分割が可能なスペアルーム(子供室、客室、趣味室等)。

1階は「ひとつながりの天井」によって各部屋を連続させることで部屋の分節による窮屈さを感じさせない。また、1階の階高(天井高)が小さいことで、階段の段数と面積がコンパクトになる。その分、2階は高く広い空間となることが可能になり、大きな各窓を通して周囲の畑の上空を広々と眺めることができる。

建設地
茨城県 
敷地環境
郊外
構造
木造在来工法
階数
2階
敷地面積
226.11㎡
建築面積
52.52㎡
延べ床面積
105.04㎡
工事費
1000万円台
家族構成
夫婦+幼児
居住者の年齢
30代
設計者名(事務所名)
鯉渕 健太(鯉渕健太設計)

図面

FavoriteLoadingお気に入り保存