[ 快適-032 ]
二つ屋根の家

快適空間部門

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「一粒で二度おいしい」という言葉がありますが、この家は一軒の家でありながら、二つの性格の異なった空間が楽しめる家です。その理由は、二つの異なった形の屋根にあります。

平面を見ると、二つの正方形が少しずれながら並んでいるような配置になっています。一つの正方形はリビングやキッチン。もう一つは寝室や子供室、浴室などがあります。リビングやキッチンのあるほうの屋根は対角線上に折れ線のあるニ方向の片流れ屋根を持ち、もう一つは放射状に垂木を並べた扇垂木の宝形屋根となっています。

一つは意識が空に向かって伸び上がっていくような上昇的な空間。もう一方はやわらかく包み込まれたなかで静かに内面と向き合うような求心的な空間です。この二つの性格の異なった空間を行き来しながら暮らすことで、ここで暮らす人々が、心地よい生活のリズムを刻んでくれることを願いつつ、二つの屋根が寄り添ったような住宅をつくりました。

二方向の片流れの屋根で包まれた場所は、おのずと高いほうへと視線が向かいます。そのFIX窓の先にへと意識が向かうことで、自然の変化や、時の流れがより豊かに感じられることでしょう。

リビングのコーナーには作りつけの机を設け、パソコンなどをする書斎コーナーにしました。木製建具のまどは両側に引き込まれ、開放することで心地よく風や光を感じながらデスクワークができます。また木製窓の中桟が、どこか懐かしさや守られた場所としての心地よさを感じさせてくれます。

傘を広げたような空間の子供室。扇垂木と呼ばれる組方は、一本一本とりつく角度が違うので、大工さんの手加工によって組まれた匠の技の結晶です。

道路からのアプローチは屋根を低く抑えた脇をとおり、控えめで落ち着いた雰囲気にしています。将来、植栽が茂ると緑のなかにひっそりと佇むことでしょう。

建設地
千葉県八千代市 
敷地環境
郊外
構造
木造
階数
2階
敷地面積
299㎡
建築面積
72.63㎡
延べ床面積
100.69㎡
工事費
非公開
家族構成
夫婦+子供一人
居住者の年齢
30代
設計者名(事務所名)
安井 正(クラフトサイエンス)

図面

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