[ 快適-029 ]
複数の軸線をもつ平面と切妻の大屋根「成瀬の家」

快適空間部門

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計画地は東京郊外の起伏に富んだ住宅街で、緩い坂道の三叉路に面した変形敷地である。建物は、外壁を変形敷地の境界線に平行に一定の距離を取ってめぐらせ、ガレージと庭を取り除いた平面形状となっている。そして、その境界線に平行な外壁に沿って個室群を配置し、残った空間を家族の集うパブリック空間としている。パブリック空間は周辺環境に合わせて更に壁を振っており、多くの方向性(軸)を持った歪な平面が形成されている。屋内には敷地と道路や敷地内の高低差を生かして床レベルによる起伏をつくり、平面上の軸が交わる建物の中心を頂点に、ダイニングテーブルとしての床を設えた。

周辺に対しては、圧迫感なくとけ込むよう軒高を抑えた切妻大屋根の平屋の佇まいとした。屋根は西側エントランスの高さを抑える一方、南東側の通りの先の緑を借景するテラスに開放的な窓を取ることを考慮して架けている。勾配天井と軸の振れた壁、起伏のある床が取り合うことで、断面方向に変化に富んだ空間が生まれている。切妻大屋根の一見ごく普通な佇まいでありながら、新しい空間の可能性が生まれている。

パブリック空間は、深い軒のあるテラスや玄関ポーチを介して外部と繋がり、両側から使える棚や勉強机である家具により個室との境界が曖昧になっている。勉強机やダイニングのための大きな椅子としての床、ダイニングテープルとしての床、軸を振ることで生まれた奥行きの違う収納など、敷地から建築、そして家具に至るまでそれらの関係性はシームレスに繋がっている。

左:個室とダイニングを緩やかに仕切る家具。個室、ダイニングの双方から使える。
右:LDK夕景。

建設地
東京都町田市 
敷地環境
郊外住宅地、住宅地全体が丘陵地、変形敷地
構造
木造
階数
地上1階
敷地面積
229.84㎡
建築面積
102.84㎡
延べ床面積
94.77㎡
工事費
非公開
家族構成
夫婦+子供2人
居住者の年齢
非公開 
設計者名(事務所名)
森 清敏+川村 奈津子 (株式会社 MDS一級建築士事務所)

図面

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