[ 快適-012 ]
阿波町の家

快適空間部門

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クライアントの主な要望は「庭のある、広々とゆったりとした家」。そこで、住まう上で必要な居場所のそれぞれを“個”として捉える。一般的な四角の部屋を考えた時、庭いわゆる外との繋がりが四角四面の四方向の方向性に限られると、今回のこの環境に対してのクライアントの言う要望にはそぐわないように感じた。次に個の平面を円として考えると、外との繋がりが放射状となり開放的になる。だが反面プライバシーに欠ける。内に向くにも外に向くにもそうである。そこで、個を守りつつゆったりと外と繋げるには、個は四角を成し一方向のみ開放し中庭と繋げ、個の集合つまり家は個の角と角を繋ぎ角度を持ちながら円を描くように配列する。個のそれぞれは中庭を向き、家としては個と個の間(スキマ)より外と繋がる。スキマは次の個へ移動時に必ず通るため、生活の中で外と常に接することとなる。生活の中で常に外を感じ広々とゆったりとした家がここに計画された。

 

外壁材には、周りが田畑の広がる田園風景であるため、できる限り自然に感じられる素材が良いと考え、収穫後の田畑の土を連想させる色合い、土の質感を表現できる素材を追及した。また、家形のフォルムには屋根と壁の連続性が必要となり、隣り合う個の箱同士が、角で繋がる為、材料自体の自由度が求められたことから、ガラス不織布に砂粒を付着させた折り曲げの自由度の高いアスファルトシングル材を外壁と屋根に採用した。

中庭は各部屋と繋がっており、プライバシーを守りつつ、外を感じることのできる広々とゆったりとした空間になっている。

各戸との間(スキマ)は土間になっており、外とより近い存在となっている。そのため、生活の中で常に外を感じることができる。

家型の断面を持つ内部空間。より家型を強調する為、素材が主張しないよう白を基調としている。人の手が触れる部分(壁)には、自然素材のしっくいを採用。調湿、消臭などの効果があり、なおかつ人の身体に優しい材料であるため、室内環境を整えてくれる。また自分達でも手軽に塗れる商品を使用。すべての壁はクライアント、施工者、設計者の皆で塗ったことでクライアントにとって、より思いのこもった家になっただろう。

建設地
徳島県阿波市 
敷地環境
郊外
構造
木造(在来工法)
階数
平屋建て
敷地面積
725.67㎡
建築面積
158.32㎡
延べ床面積
173.69㎡
工事費
非公開
家族構成
夫婦二人+子供三人
居住者の年齢
30代
設計者名(事務所名)
岸本 貴信(一級建築士事務所 CONTAINER DESIGN)
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