[ ローコスト-006 ]
T-2

ローコスト部門

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「既存母屋の架構を踏襲した23mの細長い家」

群馬県榛名山の裾野、昔からある村落に建つ夫婦と子供3人の為の住宅である。
敷地の周辺は古くからの養鶏場や土蔵、倉庫などが散在し、また、畑の一区画を宅地化した無機質な建売住宅群が建ちつつある。こうした状況において、村落特有のスケールと風景に配慮した「村落のタチカタ」を提案したいと考えた。
隣接する母屋の間口3600mm、@900mmで連続する架構の形式を踏襲し、全長23.6mの細長い平面計画とした。27スパン連続する見附75mmの門型フレームの真ん中に75×150の柱と筋交いを「レの字フレーム」として設置する。敷地の高低差を吸収するため、多様な床レベルを設け、出窓や水回りを凸状にせり出し、多方向への広がりがある空間となっている。「レの字フレーム」は床のレベルによって、その高さや角度を変化させながら、内部空間を緩やかに分節し、枝分かれする木のように人が何気なく集う居場所をつくりだしている。

細長い建物のヴォリームが併置することで、建物の間には細長い雁行した残地空間を形成する。このような細長い外部空間は、畑と倉庫の間の畦道や、母屋と養鶏場に挟まれた通路など、この地域の村落には多く見られる。まとまった広がりのある「庭」と通過動線のみの「路」との中間的なスケールの残置空間が、村落環境の適度な関係を繋げている。

金属の波板で覆われたリニアな建築ヴォリュームは、昔からある納屋や養鶏場の質感と同化し、敷地周辺の風景とも連続していく。

等間隔に連続する門型フレームは柱の座屈、および金物の納まりから決まる最小の見附幅とし、逆に奥行き寸法を大きくとって、所要の断面を確保している。
短手方向の耐震要素は通常はこの門型フレームを利用して半剛接合ラーメン架構を形成する手法もあるが、この住宅はコストおよび長手方向の空間に変化をつけるエレメントとして数カ所に筋交いを現して設置している。

天井の低い地下収納や敷地の高低差を吸収する為の床の段差、細長いヴォリュームによる距離感、内部に露出した筋交いなどにより、緩やかに仕切られている。シンプルなワンルーム形式の中に適度なプライバシーと空間の広がりを持たせている。

建設地
群馬県 
敷地環境
村落
構造
在来木造
階数
地下1階 地上1階
敷地面積
190.92㎡
建築面積
102.16㎡
延べ床面積
116.88㎡
工事費
2000万円
家族構成
夫婦+子供3人+犬1匹
居住者の年齢
30代
設計者名(事務所名)
竹内宏俊+白子秀隆(竹内宏俊+白子秀隆建築設計事務所)

図面

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