[ 環境-011 ]
重力換気を活かす

環境部門

FavoriteLoadingAdd to favorites

1階の玄関から半地下と中2階を見た様子。1階レベルの左手に見える白いドアは、トイレの入り口。ワンフロア上がった中2階部分はキッチンスペース。ワンフロア下がった半地下部分は子どもスペース。

階段スペースを挟んで「向うのフロア」と「手前のフロア」とが互い違いになる構成です。このようなスキップフロアの空間は、視覚的にも楽しく、この階段を視覚的にも機能的にも如何に生活空間に馴染ませるかがポイントとなる訳ですが、デザイン的なことだけでなく、重力(温度差)換気のスペースとしても活用することが可能です。

夏場は暖気が上昇し、最上階に設けたハイサイドライトから抜けて、家全体が涼しい空間に。 冬場は階段下に設けた蓄熱暖房機(深夜電力)の暖気が緩やかなに上昇し、家全体を暖めます。 最上階には天井扇が設けられ、天井に溜まった暖気が2階のリビングダイニングに落ちてくるような サーキュレーションを計画しております。

準防火地域に建てられた木造3階建ての住宅。敷地の形状は間口4m、奥行き14.5m、所謂「うなぎの寝床」。この敷地特性を活かすため、内部は階段を挟んだスキップフロアで構成し、 各フロアが緩やかに繋がり、奥行きのある空間となっております。
2階にはエキスパンドメタルの吊り引戸が付いており、プライバシーを保ちながらも、中間期は涼しい風を室内に取り込みます。また大きな荷物の搬入の際には、開閉することもできます。

中3階にある水廻りを出ると、半階下にLD、半階上に寝室が見えます。うなぎの寝床形状でワンルーム的空間とする場合、短辺方向に構造壁量が足りなくなるので、ブレースを活用し、解放的な空間を実現しました。
階段は単なる移動空間として捉えるのではなく、 吹抜けの一部として組み込み、横方向への広がりを生み、彫刻的に、そんな階段を目指しました。そして人の動きとともに、光の取り入れ方や風の流れをも設計しています。

3階に設けられた寝室。階段踊場から寝室、その向こうには吹抜、スノコブリッジを渡った向うがルーフバルコニーとリニアに配置。ルーフバルコニーから取り込まれた光は、3階だけでなく、吹抜を介して2階のLDに明るい自然光が取り込まれます。遮熱タイプのLow-E複層ガラスを採用し、夏場は暑さを防ぎつつ、冬場は温かい日射を2階と3階に取り込みます。冷暖房が気になる時、寝室と吹抜けとは3枚引き戸で仕切ることもできます。

3階を見通した様子。階段室にはハイサイドライト、ロフトにはトップライトを設置。光を取り入れるだけでなく、最上階に上がってくる夏の暖気を外に逃がす役割もあります。階段室の最下段(半地下)に設けた蓄熱暖房機(深夜電力)の暖気が、家全体を暖めながら緩やかに上昇し、吹抜け上部の天井扇によって2階のLDに暖気を落とすことにより、快適な温熱空間を実現。吹抜け側同様、階段室側も引き戸で仕切ることができます。

建設地
東京都品川区 
敷地環境
市街地
構造
木造
階数
3階建て
敷地面積
60.79㎡
建築面積
36.22㎡
延べ床面積
90.18㎡
工事費
-
家族構成
夫婦二人+子供一人
居住者の年齢
40代
設計者名(事務所名)
根來宏典(根來宏典建築研究所)
FavoriteLoadingAdd to favorites