[ 素材-011 ]
左官の可能性

素材部門

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静岡県東部の住宅地に建つ夫婦と子供2人の暮らす住宅。

建物の真ん中、リビングに面して土壁を配置した。
素材感を引き出すデザインと、土という素材の持つ「蓄熱性能」「調湿性能」を最大限に活かして自然エネルギーを利用した快適な住まいを目指した。

 

昔から日本にある伝統工法で作られた土壁は芯まで土に満たされている為、蓄熱性に優れている。壁を南側大開口のガラス面から冬期の太陽日射熱を受ける位置に配置し、太陽と薪ストーブの熱を壁内に蓄え、夜間まで室内の暖かさを保てるようにしている。土壁の裏側には寝室があるが就寝時の夜間も暖かい。土の調湿性能、吸音性能もあわせて快適な環境をつくり出した。

 

夏期は2段の庇と遮熱ブラインドによって太陽熱を遮る。吹抜けの上昇気流を利用した通風と土壁の調湿性能により室内全体が過ごしやすい環境となった。

 

この家が建つ地域(静岡県)の晴天率は日本のなかでも屈指である。この日射エネルギーを無駄にすることなく有効に利用することをこころみて、自然素材や左官の可能性を追究した一例である。

 

昔から日本にある伝統工法の土壁。2階の壁は竹小舞を下地として、荒壁土を塗り重ねる。
素材感を出すために、あえて中塗りや仕上をしていない。 
竹小舞の凹凸や、土が乾燥する事で発生する細かいひび割れをそのまま残し、素材そのもののデザインとした。
「コンクリート打ち放し」ではなく「土塗り放し」とも言える。

リビングと吹き抜けに面して土壁がある。(写真右側)
1階の壁は型枠の中に土を入れて上から突き固めた版築とした。
屋外とのつながりを意識した空間で、吹き抜けを通して風が抜けて気持ちがいい。
自然素材と自然エネルギーを有効利用し、過ごしやすい環境をつくりだしている。

左写真は薪ストーブ背面壁の裏側。版築の一部にニッチを設けた。
右写真は漆喰磨き。随所に左官素材を取り入れている。

南側外観。
芝の庭に面して南側と東側に縁側テラスと深い庇がある。
外壁はガルバリウム鋼板と杉板の組み合わせ。メンテナンスを考慮して木は1階部分に限定している。

建設地
静岡県駿東郡長泉町 
敷地環境
住宅地
構造
木造
階数
2階建て
敷地面積
473.12m2
建築面積
128.28m2
延べ床面積
175.68m2
工事費
家族構成
夫婦 + 子供2人
居住者の年齢
40歳代前半
設計者名(事務所名)
高田昌彦(ツクリト建築設計事務所)

図面

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