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ブナの木と山野草の庭がある住まい

写真:スパイラル/小林 浩志

ブナの木と山野草の庭がある住まい_外観

コンクリート打ち放しの北側外観。上部には屋根が掛かり、ソーラーパネルが取り付けてあります。敷地間口の左右と中央には、将来、大きくなる木を植えています。

この住宅は下町の密集地に建っています。
防犯上の考慮とプライバシーの確保の点から、道路側を少し、クローズな感じにしています。
3階建ての二世帯住宅で、親世帯と娘夫婦世帯の一家7人で暮らしています。
昔から下町に生まれ育ち、暮らしてきた家族が、新たな家をどのようにつくるかを、みんなで考え、子供たちも孫たちも未来につなぐことを夢見た家づくりです。

敷地の約4分の1を自然観あふれる庭にして、土間を通り、玄関から直接、庭に出ることが出来る住宅をつくることにしました。
両親が最高齢になっても、3階分の上り下りが楽なように、ホームエレベーターも目立たないように設けました。

ブナの木と山野草の庭がある住まい_室内

庭と一体になった室内。木製のガラス戸・網戸・障子は全て、左側の壁に引き込んでいます。

家族全員が自然が大好きなので、何も無かった場所に豊かな自然を、建築と一緒に新たにつくることにしました。
1階にブナの木と山野草がたくさん植えられた広めの庭。
3階にはジューンベリーが植えられた花壇のあるテラス、そしてスカイツリーが良く見え、ナスやキュウリ、トマトを栽培している野菜畑がある屋上デッキをつくりました。
1階の庭には、屋根が掛かっている、お茶が飲めるテラスを設けています。
外部に通風がある日陰を設けることや雨天の作業スペースとして、とても役立っています。
北側の道路側にも、設計の初期に、あらかじめ植栽スペースを確保して、モミジ(紅葉)や常緑樹のソヨゴ(冬青)、ドウダンツツジを植えて、道行く人に楽しんでいただくことを考えました。

この住宅の構造には鉄筋コンクリート壁式造を採用しています。
鉄筋コンクリート造でも、マンションのように部屋の角に、大きな柱型が出ないため、家具などを各部屋のコーナーに、すっきり置くことが出来ます。
耐火性や耐震性も大きく、3階建ての住宅には、とてもお勧めのつくり方です。
僕は3・11の地震の時、この現場の中にいました。
前の道路と電柱はうねりながら大きく揺れましたが、この住宅は、この構造方式と杭を打っているために、思いのほか揺れませんでした。
町屋の震度は6弱でした。建主家族もそのとき一緒でした。

これからも、この家族7人と、これまで僕が設計した住宅の家族と同じように、ずーと、お付き合いしていくことになると思います。

建築DATA

1階床面積 : 26.40坪(84.29㎡)      〈家族構成〉
2階床面積 : 26.57坪(87.86㎡)       夫婦 + 娘 + 娘夫婦 + 子供2人
3階床面積 : 26.39坪(87.26㎡)
延べ床面積 : 77.86坪(257.41㎡)     
構   造 : 壁式RC造3階建て

[家づくりニュース2013年9月号掲載]