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大きな木の下で本を読む家

 はじめてお会いしたのは20年以上前。それから土地の問題、ご両親との問題、仕事の問題、いろいろ解決しながら4年前にあらためてご相談をいただきました。新婚さんだったご夫婦も4人家族となっていました。
 土地には、大きな木が植わっており、それを残すこと。家相を解決したプランであること。自然な素材と風の通りを確保すること。持っているたくさんの本を収納できること。絵画、工芸をするスペース。要望は多くはないものの、しっかりとした考えに基づいたものでした。
 玄関、ご主人の書斎、トイレの位置は家相に基づいて決められました。階段を南に持ってくることで、大欅を生活の中で常に感じられるようにしました。壁は本棚でおおい、材料は杉と漆喰。2階廊下の床をスノコ棒にすること、押入に小窓を造ること、ガラリ戸で仕切ること、ハイサイド窓を設けることで風の通りを確保しました。
 上棟を終え構造チェックのさなか、3・11。でも、金物がゆるむこともなく無事に耐えてくれました。
 お引っ越しは長男の受験が済んだ来年の春。今は週末住宅として楽しんでいます。

大きな木の下で本を読む家
元からあった大きな欅や楠をそのまま残しました。
夏の陽射し、西日をコントロールします。木陰をぬける涼しい風を家の中にも取り込み、自然な快適さを楽しみます。冬は葉が落ちひだまりとなります。
本が好きな家族、絵を描いたり、工芸をしたり、趣味も楽しめる住まいです。

大きな木の下で本を読む家
右奥が玄関、右が階段、中央がキッチン、左奥が水まわり。
キッチンと、その裏の納戸は、この左右の動線を繋ぐよう通り抜けができます。

大きな木の下で本を読む家
西側は小さな窓で西日と視線をコントロールしています。壁という壁は書棚になっていて、いつでも何処でも本が読めます。この見返しはご主人の書斎になっており、やはり本棚の壁です。
家の中にいても、木陰やひだまりで本を読んでいるようです。

大きな木の下で本を読む家
2階の廊下は、床がスノコ棒になっていて1階と2階の風の通りを助けています。
左右が個室、アトリエ、納戸。ガラリ戸を使ったり、押入の壁に小窓を造るなど、部屋の中も風の抜けを考えています。
階段を昇り降りするたびに、大欅を楽しみます。
シースルー階段を通して陽射しも入り、本を読む階段になっています。