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桜川の家

2階のLDK。東側の通りに向かって大きな開口を設けているのが特徴。


公園の近くに2世帯の住宅をつくりました。
依頼を受けたのは息子さんからで、大学で建築を専攻していたといいます。

 

その彼から最初に言われたことが
「完全別居の2世帯です。
 玄関を行き来するぐらいはいいのですが、互いのプライバシーを大事にした作り方にしてくださいね。」
建築家という人たちは、建て主さんが望んでいないことでも「こうしたらどうですか?」とサプライズ提案を出すことがあるのを知っているからなのでしょう。

 

設計工期の短い中で時間を無駄にしたくないという思いから、初対面の私に対して、念押しされたのだと思います。

工事の進行中、現場をしょっちゅう見に来ていたお父様。
「1階のうちのほう暗いんじゃないかなぁ。
 息子たちのほうって2階で明るいよね。
 孫の世話は上でやることにするよ。
 息子のところは24時間空調だし、息子たちの留守番でちょうどいいからさ。」

 

法規上の採光計算はやっているので、そう滅多な事はないのですが、周りの状況によっては思った以上に暗く感じることもあります。
仮囲いシートがはずれる前とはいえ、私も内心、どきどきでした。

 

1階のLDK。手前の掘炬燵のあるところが仏間兼居間。
奥にキッチンとダイニング。

工事の終盤に入って仮設シートがはずれたとき、1階にはしっかり光が入り込み、お父さんの心配は払しょくされました。
もちろん、2階はもっと明るい状態。

 

つい先日伺ったら、一家団欒の食事は、お母さんとお嫁さんが交互に作り、1階で食べたり2階で食べたりしているのだそうです。
互いが本当によく行き来しています。

 

それだけ仲が良いのだったら、お互いの領域をもう少し絡ませても良かったかも知れませんね。

 

建築DATA

1階床面積 : 97.25㎡(29.42坪)           〈家族構成〉
2階床面積 : 101.65㎡(30.75坪)           両親+夫婦+子供2人
延べ床面積 : 198.90㎡(60.17坪)     
構   造 : 木造2階建て

[家づくりニュース2014年5月号掲載]