家づくりレポート »

真鶴の家

 この家は40代半ばのご家族(4人)の別荘であり、リタイアした暁にはここ『真鶴町』を終の棲家として移り住む予定になっています。当初、プレゼンの時はかなり大胆な案を施主に提案しましたが、施主には予算の関係でお気に召さなかったようです。この辺りの集落の風対策でよく使われた石垣のイメージを大切にした山城のようなものでした。
 そして実際に出来上がった外観はいたってシンプルです。景観条例の網がかかるところなので、陸屋根は不可であり、勾配屋根としました。1階には大きなLDKと半屋外のバーベキューコーナーを持ち、2階に寝室と客間そして浴室を持ってくるいわゆる逆転プランです。
 特徴といえば、敷地の北側が駐車スペースになっており3台縦列駐車できるようにしたため建物を南側ギリギリに寄せざるをえませんでした。そして結果南側に庭を設けることはできず、海の借景が全てとなりました。すべての部屋から海が望めます。それぞれ開口部により海を切り取っていますが、1階のリビングからは海のパノラマが望めます。敷地の南側が海に面するところなので東西の日差しをうまくコントロールでき、その点やりやすいものでした。
 ここは建築基準法上、建物が建てられず、43条のただし書(周りの住民の同意)の許可を受けて実現しました。したがって防火構造にしなければならないことと延焼線(火が燃え移らないように敷地境界線からあるいは道路境界線から離隔距離を定めもの)が生じ、プランの配置まで影響を受けました。
 建て主は、しばらくしたらこの場所を終の棲家と考えていますので、キッチンのゴミ出しや御用聞きが来た際にいちいち1階に降りていかなければならないことを考え、2階に眺望のよいLDKを持っていくことに抵抗があったようです。そして、十分1階からも海が覗けるのでこのような結論に達したと思います。
 今は横浜市の便利なところにお住まいですが、そこから車で1時間のところにこのセカンドハウスはあります。週末にここにきて海を見ながらの生活は都会生活とは違い、気持ちの良いものになれば良いと思います。

真鶴の家
南側(海側)全景。庇の下の木製建具を全開すると下段の写真にある海の匂いや潮騒が部屋に飛び込んできます。

真鶴の家
1階の大きなLDKを見る。ダイニングテーブルは4m弱で厚さ7cmのオークの無垢材でコンクリートの足で支えられている。

真鶴の家
↑半屋外のバーベキューコーナー。      ↑バーベキューコーナーから海を見る。
木枠の向こう側に入口玄関があり、潮騒の音や匂いを聴きながら家に入るようになっている。左は造作のバーベキューコンロとコンクリート製の流しです。

真鶴の家
刻々と変わる海と対岸。