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鵠沼橘の家/段差のある住まい

撮影:新澤 一平

鵠沼橘の家/段差のある住まい-LDK_小野

LDK。右手はキッチン、左縦格子の奥はスタディースペースです。正面がバルコニーに続くコーナー窓です。


鵠沼橘の家/段差のある住まい-外観_小野

外観。T字路の前面道路は唯一、周囲が建て込んでも視線の抜けが確保できるため、格子バルコニーとコーナー窓を設けました。

はじめまして。6月から家づくりの会に加入しました小野です。
初回の寄稿ですので、ご挨拶と今春竣工した住宅の紹介をします。

 

設計事務所を開設して、今年で8年目になります。
以前は、福祉施設や集合住宅など、比較的大きな建築をつくる設計事務所に勤務していました。
建築中は現場に通いつめ、監督さんをはじめ職人さんなど複数の方と現場で打合せをしながら仕事をしていました。
そこで、建築は様々な人の協力の上につくられていることを実感しました。
独立した現在は、戸建て住宅を中心に、新築やリフォームにたずさわっています。
そこでも定期的に、現場で打合せするようにしています。
建て主さんや現場監督とともに現場で打合せすることは、建築過程の時間を共有でき、完成後もその臨場感は、はっきりと記憶に残ると思います。

 

写真の住宅は、間口が狭く、奥行きが深い敷地に建っています。

鵠沼橘の家/段差のある住まい-玄関_小野

玄関。正面はテラスに続く地窓、奥に寝室があります。

この敷地の奥行きの長さが生活動線に影響しないよう、玄関と階段を建物中央に配置しました。
その結果、廊下/階段から居室への室内動線が短くなりました。
玄関を入ると正面にテラスに続く地窓があります。階段室には、小物を飾るニッチがあり、壁面には絵が飾られ、家族のギャラリーになっています。
また1階正面のガレージ部分は、階高が低くできましたので、直上の2階LDKと他の部屋の間に、階段2段分の段差をつくりました。
この段差は、腰掛けになったり、視線をずらしたり・・・ワンルーム空間のアクセントになっています。
外観は、切り妻屋根で、木格子のバルコニーを正面の隅角部に設けました。
このバルコニーはたとえ将来、敷地周辺に建物が密集しても、外部の光や風を取り込める部分です。
屋根は深緑色の鋼板を葺き、周辺風景に溶け込むように配慮しています。
配色は、建て主さんと現場で打合せしながら決めました。
家づくりは、こうした打合せの積み重ねがとても重要と考えています。

 

建て主さんと設計者、施工者との共同作業を経て、長く住み継いで行ける住まいを一つでも多く手がけたいと考えています。

 

建築DATA

1階床面積 : 73.64㎡(22.23坪)※インナーガレージ含む      〈家族構成〉
2階床面積 : 69.91㎡(21.11坪)                  夫婦+子供1人
延べ床面積 : 143.55㎡(43.34坪)     
構   造 : 木造2階建て

[家づくりニュース2014年10月号掲載]