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建築家は「施主力」を引き出す人かもしれない!?

田中:建築家には第三者としての役割もありますよね。家は確かに個人の持ち物であるけれど、それは街の景観にもなっていくわけだから、ある意味、社会の資産でもあるから、そういうところも考えていく必要もあるし、施主さんの要望を全部叶えることが必ずしもいい家につながることではないですからね。「あなたはこういう人だから、こういう家がいいと思いますよ」と、客観的な第三者の立場に立ってサジェスチョンするのも建築家の役割。逆にいえば施主さんは建築家を通して自分を客観的にわかるようなところもあるわけですね。

根來:さっき泉さんが「いい家は個人をいきいきとさせる」っておっしゃってましたが、「建築家を通して自分を客観的にわかる」というのもそれに通じることですよね。

田中:そうそう、つまり、あれをああしたいと、これをこうしたいといったような、思ったことだけで創造したのでは小さな世界にしかならない。だからそれを汲みとって、より豊かなものにしていくのが建築家の役割だと思うんです。

根來:施主さんもいろんな人がいて、いってみれば同じ家族というのは存在しない。だからぼくらも毎回、目の前に違う課題があって、ゼロから家をつくっていくわけで、それはぼくらにとっても楽しいことです。

田中:なんていうか「施主力」みたいなものがあると思いますね。われわれ建築家はその「施主力」をどれだけ引き出せるか?それによって、いい家ができていくみたいな。だから家って、思えばそういうところから湧き出てくるようなものでもありますね。

泉:そう考えるとわれわれ建築家とクライアントの関係っておもしろいよね。たとえば医者と患者の関係って身体の悪いところを探っていくところからはじまるわけでしょ?つまりネガティブな問題点を解決していく関係。でも、建築家と施主さんの関係は、施主さんがどんな暮らしをしていきたいのか?もっといってしまえば、どういうふうに生きていきたいのか?というポジティブなことを一緒に探っていって、家というカタチにしていく。そういう関係を 作れたら素晴らしい住まいになるし、そこがやっぱりこの仕事の魅力でもありますね。

田中:「あなたはどう生きていきたいですか?」なんて普通は聞かれないですからね(笑)

根來:建築家だっていろんなタイプがいますから、それぞれ答えは違う。だから、これから家を建てようと思っている方は、ぜひここに来て、どの建築家が自分の施主力を引き出してくれそうかと、いろんな建築家と話をしてみて、比べてみてもいいかもしれないですね。

田中:ぜひぜひ、お気軽に私たちに会いにきてくださいね。