テーマ:【 収納 】

本棚について

撮影:株式会社スパイラル/小林浩志

住宅の設計では、ほとんどの場合、本棚の設計図が必要になります。本棚は思ったより設計が難しいものです。
雑誌から始まり文学書、専門書、写真集、展覧会のカタログ、百科事典等、仕舞いたいものは多岐にわたります。ということは装丁もすべて違うため、美しく本を収納しようと思うとかなりの検討がいります
設計実務では、寸法を本に合わせ、それも高さは指がしっかり入る寸法を加えて無駄なく高さを整え、図面化し、実物の本棚として住宅に造り付けます。そもそも文庫本、新書、単行本、雑誌の類では奥行も高さも違い、さらには、CDやDVDの収納も大切です。

 

本棚は、一般的には重くて大きな本は下段に入れる。また紙質の関係で湿気にかなり影響を受けやすい本は、高めの位置に入れることが多い。また地震が心配な場合は、本の前に5mm位の立ち上がりを木でつけて本の落下を防ぐ方法もあります。ただし、この方法は立ち上がりが邪魔になって掃除がしにくい。やはり地震対策には、本を幅いっぱいに、きつく本棚に仕舞うことがいちばん良い

 

根本的に住まいの本棚と本屋さんの本棚は違います。本屋さんの本棚は明らかに本を目立たせるように出来ていて、本棚は目立ちません。一方で住宅の本棚は、家の居心地に関係がありますので、本棚がやや目立ち、本はその次に目立つように考えてつくります。つまり本棚の厚みを厚くつくり、縦仕切りを細かく入れています。

 

[家づくりニュース2015年10月号掲載]

キッチン収納

キッチン収納_宮野限られたスペースを多くの材料や調味料、食器などが目まぐるしく行きかい、新旧入り混じった家電類が幅を利かせるキッチンは、空間のデザインとともに、出来るだけ機能的であることが求められます。
また、住み手によって、お持ちになっている食器や家電類は量や種類も様々です。
食品庫やゴミ置き場などと共に、キッチン廻りではより機能的で多様な収納構成が必要となります。 
このような場合、暮らしに合わせて収納を設計すると良いでしょう。
そして大事なのは、新しい暮らしで本当に必要なものと、そうでないものを住み手にしっかりと考えてもらうことです。
食器や家電類は、新たに購入するものがあれば、その機器の大きさや必要な設備を確認することが重要です。
食器も普段使いのものから、特別な時に使うものとでは、収納の場所や仕方が変わります。
その中でも家電の収納は特に難しく、炊飯器などで普段は収納し、ご飯を炊くときには外に出して使いたい場合は、コンセントの位置や蒸気の湿気処理などについて詳細な検討が必要です。
このように、キッチン収納を検討するときには、多くのファクターについて考えていかなければなりません。
住み手と設計者は綿密に意思疎通を行い、持ち込む食器や使用する家電類のサイズや種類のリストをまとめ、個別の生活スタイルをもとに設計を行うことが重要なのです。
設計者は住み手のことをよく知り、自身も生活に密着していなければいけないのです。

 

[家づくりニュース2014年12月号掲載]

大きな収納、安上がり!

 住宅の計画を進めていくと必ず要望で出るのが「たくさんの収納」。棚や引出しをたくさん作り、収納を増やしたいということです。でも予算が……という方にお勧めなのが「たくさんの収納」ではなく「大きな収納」です。棚や引出し、特に引出しを造作家具で作るとたいそうお金がかかります。引出し一つあたり大体一万円程でしょうか。また収納家具は大きくても小さくてもあまり金額が変わりませんので、たくさん色々なところに作ると一件の住宅で数百万円はすぐにかかってしまいます。

 そこでお勧めなのが大きな収納の部屋を作ることです。studio Aで設計する時、最近は玄関近くに2畳程度の収納部屋(かっこ良く言えばシューズクローク)を作るのと、ほかに2畳程度の人が入れる収納(納戸)や床下に人の入れる床下収納室を作るよう、心がけています。玄関脇の収納室は靴はもちろん、お届けものの一時収納や芝刈り機、ゴルフバック、コートなどもガンガン入れられますから便利で玄関周りが簡単に片付きます。一方納戸には既製品のプラスティック製引出しや見栄えのしない棚など活用することで安価で綺麗に収納することができます。

 注意しなくてはならないのはシューズクロークで、靴から出るにおいが充満し臭いが他のものに移ることですが、気になる方は扉を付けることで解決できます。

 「たくさんの収納」ではなく「大きな収納」をお勧めします。

床下収納