テーマ:【 明かり・照明・採光 】

天井を照明器具に 〜LED照明器具を使った間接照明〜

これまで使っていた照明器具がいつの間にか廃盤!慌てて代替品を探すことがあります。
原因はここ数年、電球や蛍光灯がLEDへ移行していることです。
LEDの良さは何と言っても長寿命、高効率。加えてデザイン的には光源が小さいことです。

 

天井を照明器具に-01_小野

写真①

写真①は間接照明にLED照明を使った例です。
右手の濃げ茶色のBOXには上部にLED、下にはロールスクリーンが入っています。

 

この照明は天井を照らし、その反射光で明るさをとります。
器具の形状は、高さ33㎜×幅22㎜と小さい断面の細長い棒状で、連結をして長さ4.2メートルにしています。
明るさを調節できるように調光スイッチをつけており、明るい側に調光すると充分な明るさで全般照明の役割を果たし、天井自体が照明器具のように。

天井を照明器具に-02_小野

写真②

暗めにすると雰囲気がでて、写真②のようになります。

 

これまでLEDには目に眩しさを感じ、積極的には使ってきませんでした。
しかし「長寿命」「器具が小さい」という特性を活かし、間接照明のような光源を見せない「建築化照明」は作りやすくなりました。

 

今お住まいのお部屋でも、スポットライトを使って天井を照らせば、即席に間接照明が作れます。
就寝前の落着きたい時間帯にお薦めの明かりです。

 

[家づくりニュース2015年11月号掲載]

ハンディの有る部屋に天窓を設ける

ハンディの有る部屋に天窓を設ける-02_山下プラン検討する中で敷地内のどの位置にどの部屋を配置するかを検討しますね。
採光や通風、そして部屋から見える景観から「○○部屋は一番良い所」と言う風に優先順位を付けます。でも、全ての部屋をベストな環境に配置出来る訳ではありません。その場合、滞在時間が長く利用頻度が多い部屋から優先順位を付ける。そう、リビング・ダイニング・そしてキッチンの順のように。そうなると一番ハンディキャップの高い部屋と場所にはトイレやお風呂・脱衣室となる。
でもこの部屋だって採光や通風の確保を怠ると居心地の悪いものとなります。

 

そこで気が付いたのが天窓の採用でした。
部屋の位置や天井高さにも関係するが、少し高めの空間でも結構気持がいい。さらに予算が許せば電動式として容易に開閉出来るものをお勧めします。
ハンディの有る部屋に天窓を設ける-01_山下天窓から入る自然な光はとても均等で、ついトイレに居る時間も長く成る。脱衣室も同様、朝日が入る洗面室はとても気持のいいものです。そして、湿気が溜まり易い場合でも天窓を開ければ心配はいりません。
そうする事で、家相検討の際に悩みがちな方位からも柔軟に対応が出来、よりすばらしいプランが生まれるのです。

 

[家づくりニュース2015年6月号掲載]

住宅の光源について

住宅の光源について_石黒LEDが注目されて数年が経ちました。ランプも器具も日々進化していて、コストも随分安くなった気がします。

 

逆の見方をすると白熱灯は段々見かけなくなり、ランプは家電量販店から姿を消し、器具の種類もどんどん少なくなっています。
正確に言うと白熱灯の仲間に分類されるハロゲンランプも少なくなる傾向にあるようです。
先日も10年来気に入って使ってきた器具を始め多くのダウンライト、スポット照明がカタログから消えていきました。
住宅の照明は本来、仕事から帰り、寝る前の数時間をリラックスして過ごすためのものだと考えています。

 

昼間の太陽光の白い光から、夕方を経て、昔の人類は火を焚いて夜を過ごしていました。
火の光はオレンジで、専門的には色温度の低い光です。
照明のランプで言うと、白熱灯やハロゲンがこれに近い光源と言えます。
それがLEDや蛍光灯に置き換えられています。
省エネの視点から考えると仕方ない事なのかもしれませんが、ここまで急速にひとつの明かり文化が転換してしまうことに疑問を持っています。
LEDでも白熱灯に近い色が表現出来るようですが、実際の熱を伴った白熱灯の光を、もう一度見直してみたいと考えています。
少なくとも、寝室やリビングなど、リラックスする部屋では、大事なポイントのような気がします。

 

[家づくりニュース2014年10月号掲載]

光と翳

光と翳私たちは日々の暮らしの中で、当たり前のように、意識的にもそうでなくても多くのものに身をゆだねています。
そのような生活の中、明るさという点においても技術の発達やモノの大量生産、流通の高度化などにより与えられたものをただ単に受け入れるような生活が展開されているように感じます。
今の家は明るすぎる・・・なんでもかんでも明るくするようにされているように感じませんか?
それはその場所に適した明るさ・暗さなのでしょうか?

ここで、有名な「陰翳礼讃」(谷崎潤一郎)が胸をよぎります。
この中で、近代的照明設備が無かった時代の文化が、照明の変化によってその感じ方を変えてしまった例をいくつか取り上げています。
ほのかな蝋燭の明かり、その繊細な明かりを取り込む障子、有明行燈の変幻自在の灯り、食器や食べ物、紙や化粧、芸能など、暮らしの中には実に多くの日本的美意識があったことを謳っています。
日本人は元来、「翳」や「ほの暗さ」というように、光と同時に闇との調和も重視していました。
あいまいさや間、奥ゆかしさ、静けさ、というような感覚が、私たちの日々の暮らしに溶け込んでいたのです。

しかし、私たちはこれらの感覚を失ったわけではありません。
家でくつろぐとき、灯りを少し落としてみるだけでも、私たちは何とも言えない落ち着きを感じます。
レストランでの食事でほのかな明るさの中、お互いに顔を見合わせるとき。
お風呂の照明を消して月明りでの入浴。
田舎のおばあちゃんの家での夜など。
それはきっと多くの人が持っている感覚では。
こうした暮らしをもう一度見つめなおし、本当に安らげる家をつくることが大事だと思います。

[家づくりニュース2013年7月号_掲載]