テーマ:【 間取り 】

リビングの小上がり空間

リビングの小上がり空間_白崎リビングの中に、小上がりの畳スペースが欲しいという方がよくいらっしゃいます。
リビングは概ねフローリングですから、ごろっとしようと思うと畳が欲しくなるわけです。
「リビングは洋風、畳は和風」。
思慮深い人は、ちぐはぐと思って、設計者に言い出せずじまいになることも多いように思います。
でも、畳の色を、リビング全体の色調にあわせるという方法があります。
私の場合、ダイケンというメーカーの畳表(たたみおもて)を使っています。これはイグサではなく、天然和紙に顔料を練り込んで樹脂コーティングをしたもので、足触りも良く、イグサのような褪色はしません。さらに縁なし畳にすれば、モダンな空間に似合った床材になります。

 

次に上がり框の部分ですが、ヒノキやスプルスを使うとその部位だけで和風になってしまいます。やはり、全体の調子にあわせて染色するのがよいと思います。
私はこの場合、色を乗せやすいタモ材を使っています。
また、「小上がりの下を収納に」と考えがちですが、あまり期待しないでください。
確かに床下を有効に使う一つの方法ですが、框の下に105ミリ角の大引が入ってくるので、意外に底の浅い収納しか取れません。その割には大工手間が高くつきますので、具体的な収納イメージがない限りコスト優先で、引出し収納は無しでもいいのではないでしょうか。

 

[家づくりニュース2014年9月号掲載]

「間取り」は家づくりの基本

家を建てようかな、と考えはじめると、建物の基本性能、仕上げの種類、そして設備機器についてなど、多岐に渡る様々なことが頭の中をよぎることになる。

インターネットで気になることを調べ、思考は蜂の巣を突っ突いたように、タコ足配線状態になってしまう。
それもそのはず、ほとんどの方にとって家づくりは初めて。
体系的に家づくりを把握できるはずもなく、自分が「気になる」部分に、思考はピンポイントで突き進んでいってしまうことになる。
当然、その「気になる」ことに「間取り」のこともある。
実はこの「間取り」、家づくりのハードなこととは違い、1+1=2とはいかない。
これと言った正解が見えてこないぶん、さらに混乱を引き起こすことになる。
自分が住む家、自分がよしとすれば、誰からも文句を言われる筋合は無い。
特に「間取り」は客観性が入る余地が無いだけに、何でもありの世界とも言える。
果たしてそうだろうか。

「間取り」を『広辞苑』で引くと、「部屋の配置のしかた」となっている。
部屋の配置、つまり平面上で部屋の取り合いをしていることになる。
そこには、横方向の広さに対する感覚はあっても、縦方向の寸法感覚はまったく欠落している。
しかし、家は縦方向の寸法も持つ三次元の世界。
「間取り」を考えると言うことは、取りも直さず、空間の在り方を考えていることになる。
実は、空間の在り方で、居心地の良さのある部分が作られることも確かであり、この部分にいたっては、付け焼き刃のお勉強では素人に手が出せることではなく、やはり、経験を積んだプロに任せるしかない。

自分の思いを居心地の良い空間として実現させるには、何でもありの世界に突き進むのではなく、居心地良い空間を構成するための基本を押さながら、「間取り」を考えていくことが、家づくりにおいて何よりも大切なことだと思っている。

[家づくりニュース2013年9月号掲載]