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西伊豆の家
風景と共にある住宅
敷地は駿河湾に面し、すばらしい景色が広がる場所だった。海への眺望はこの土地最大の魅力であることから、全ての居室から海を眺める建物にする事も考えられたのだが、幾度となくこの地に通う中で海や富士山といったすばらしい遠景だけでなく、近くの森や敷地内にも魅力的な自然がある事に気がついた。
それらの近景を生かすことで、より季節感を感じられるのではないかと考え、敷地に自生していたオオシマザクラを囲むL型の建物配置とし、その場所の景色に応じて室内空間をデザインしていった。外部と呼応する様々な場所が生まれ、季節や時間・風向きで、居心地の良い場所が変わる楽しみが生まれた。また、L型の室内からの景色は、自然と共にもう一辺の建物が風景の一部として参加する事になり、建物が建つことで生まれた自然との新たな秩序がより自然を豊に感じさせてくれる事にもなった。
この場所では、豊かな自然が生活の一部になり五感で四季を楽しむことが出来る。敷地の魅力を十分引き出せたのではないかと思う。
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