家づくりレポート

辻堂海岸の小さな家

 辻堂海岸からワンブロック入ったところに出来た、延べ面積22坪+ロフト5坪の小さな家です。ロフトは天井の高さが1.4mのフラット天井、ロフトの窓は神奈川県の条例でロフト面積の20分の1に制限されているためロフトを明るくするほどの窓はつくることが出来ません。このため2階リビングとロフトの間に4畳ほどの吹き抜けをつくり、ここに南と東面に大きな窓を付けました。この窓のおかげで、2階のリビング・ダイニングとロフトに十分すぎるほどの光を取り入れることが出来ました。
 仕上げは床が埼玉県西川の杉材、壁と天井は紙張り、寝室と子供部屋、洗面室は建て主さんは珪藻土を自主施工しました。塗装も頑張って塗ってくれました。
 
 ご夫婦とも海のある神戸っ子で、海の近くに住みたいと東京から辻堂に引っ越しし、土地探しと設計者選びを始めました。土地も建物も自分たちの力でと頑張る姿は設計者としても応援したくなるもの。こちらに来て地域の仲間たちにも恵まれ、ご夫婦で波乗りを始め、出社前に波乗りをするほどに地元に溶け込んでいます。この家にはバルコニー下にボード置き場を、そこから直接浴室につながっています。小さいけれども建て主さんの希望と夢が叶った楽しく気持ちの良い家が出来たと思っています。 

外観:正面は四角い形ですが、後ろは勾配屋根が掛かっています。

辻堂海岸の小さな家
内観:完成祝いの食事会風景。出窓からはお隣の庭が一望、ロフトからは富士山が顔を出しています。

新丸子の家

題名が示すように、この家は私が今まで設計したなかでも事務所から一番近い家です。なんと歩いて数分、ラッキー!!

 クライアントはスコットランド人のご主人と日本人の奥様。さらに男の子2人。ご主人は全く日本語が話せませんでしたが、奥様の助けとブロークンイングリッシュで何とか乗り切りました。ご主人曰く、自分の英語(なまり強し!)でアメリカ人とコミュミケーションするのはかなり大変だそうです。ちなみに今までに私のクライアントで外国の方は、中国人の奥様、イタリア人の奥様、アメリカ人のご主人、中国人のご夫婦などがいらっしゃいました。

 さてこの家に関しては打ち合わせの初期でとても驚くことがありました。どのような外観の家がお好きか というようなお話だったと思いますが、ご主人がi-podで撮られた写真を私に見せて、「こんな家が好きだ」とおっしゃる訳です。見せていただくと私が設計した家が映っています。当然私のHPを調べて(どうやってか分かりませんが・・・)写して来たのだろうと思いました。でも話をするとそんな事は全く知らず、道路を走っていて気になったので撮ったとの事(その家も駅で3つ位の場所ですが)。僕は思わず得意の英語でいいましたね。You’re kidding!(冗談でしょ?!) だってそんな事あり得ます??? いくら駅3つ位の範囲と言ったって家の数は???? その中から私の設計した家の写真を撮るとは! その瞬間これはもう運命的な出会いだと確信しました、お互いに。おかげでその後は私の提案をほぼそのまま受け入れて下さり、とてもスムーズに設計が進んだことは言うまでもありません。

 近隣商業地域の防火地域だったため木造で作る事が出来ず、コンクリート造か鉄骨造の選択肢しかありませんでしたが、地盤が悪かった為コンクリート造はあきらめ鉄骨造3階建てとなりました。2階のDKがこの家の中心で、シェフになれそうな腕前のご主人が一番好きな空間にもなりました。去年の1月に初めてお目にかかり、今年の7月に引き渡したばかりのまだほやほやの新居です。

新丸子の家
好きだ! とおっしゃった家に似ていると言えば似ていますが・・
やはりこれはRさんの家です。

新丸子の家
2階のDK。いつものようにキッチンは作り付けで、
背後にはキッチンと共材の巨大な収納を作りました。

緑地沿いの家

北に緑地、南に畑と都市部ではめずらしく南北に眺望が開ける土地。それを最大限に生かすため居住スペースを南から北へ筒状に抜けるような構成としました。玄関、階段、水廻りは、寄り添うように半階ずつずらし、コンパクトにまとめています。施主さんのご希望は”毎日が別荘生活”でした。そのご希望に沿える家ができたのではないかと思っています。


北の緑地を眺めることができる窓。


玄関と半階上がった書斎


緑地の桜に手が届く木製デッキ

五枚屋根の家

閑静な住宅地の角地に建つ住宅です。道路面は低い軒先による水平線を作ることで周囲への圧迫感を抑え、車庫、廊下、居間、2階建て部とレベルの違う屋根面を徐々に重ねて行くことで奥行き感を与えました。プランは広々とした中庭を中心にしたコの字型ですが、大きく開いた南面のプライバシーを確保するために、中庭より80cmほどレベルを下げた低い屋根の駐車場で通りからの視線を遮りながらも居間からの視界を極力妨げない断面構成としました。各室からの景色は、中庭だけではなく通りからセットバックした部分を小さな庭として見せることで単調にならないよう配慮しました。また、廊下沿いに設置された水盤のゆらぎの反射光や居間とパウダールームに設置された特製のステンドグラスから透過する光が時間の移ろいを演出してくれます。