夏と冬で変わるお気に入りの場所

写真①:冬の様子
その家は木造3階建てで敷地周辺に隣家が迫っていたため2階のリビングとダイニングを階段廊下でコの字型につなぎ、南面した9畳程の中庭から採光や通風、視界の抜けを確保しています。
写真①は冬、中庭に面した廊下の造り付ベンチです。
背当付のソファーと毛布が置かれ低い陽射しがよく入り暖かくて昼寝や読書をするお気に入りの場所になっていました。

写真②:夏の様子
写真②は夏の様子。
高くなった陽射しは3階のバルコニー軒やコの字型のプラン、ゴーヤカーテンである程度制御されますがやはり暑い、少し地下に入った涼しい1階アトリエがお気に入りの場所になっていました。
設計では、陽射しや風の流れ、季節や時間の変化などを考え、住み手の暮らしを想像しながら全体を構成していきますが、実際の暮らしぶりを拝見する度に様々な発見があり、住まいは日々の暮らしの中で住み手によって作り上げられていくものだと実感しています。
[家づくりニュース2015年7月号掲載]
- 2015.07.01
- 建築家:赤沼 修
- 飾る・しつらえ・ディスプレイ